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2011年12月17日土曜日

病んだ中国


最近の中国黄海、渤海沿岸部衛星写真を見ると、沿岸部付近の水質汚染と砂漠化が進んでいることが確認できる。水質汚染は、海だけではなく河川でも進んでおり、漁民でさえ、「捕った魚を食べる勇気はない」と敬遠するほどのようだ。敬遠すると言うとまだ聞こえが良いのだが、工場の汚水の影響を受けた魚を食べると医者に「重金属や鉛などに汚染された魚はガンを引き起こす。決して食べてはいけない」と警告されるような危険なレベルなのである。写真の黄色いポイントは原油流出事故のあったところで、赤いポイントは今回韓国との間で事件を起こした韓国仙川沖海域である。

中国漁民と韓国海上警察の戦い
中国は内陸部河川の汚染と沿岸部の汚染や、乱獲による水産資源の枯渇に対する政策などはみじんもみられないため、漁獲量が激減し、このことが韓国側の規制水域での違法操業に走らせた。
過去に何回もいざこざがあり、06年以来中国漁船2600隻が韓国の排他的経済水域(EEZ)内で越境操業し、数百人が逮捕されたとしているが殺人事件になったのはこれで2件目らしい。飢えた中国はますます凶暴化していき、餓鬼道まっしぐらである。資源という資源を漁る中国は無法者国家であり、暴徒化した漁民を制御できないことや、環境汚染に対する責任感の希薄な国が、どうして覇権国家になれようか。


今後、想像もつかないほどの悲劇が中国で起こるだろう。汚染された自然はすぐに元通りにはならない。日本の高度経済成長期に起きた汚染事故とは比にならないほどの悲劇が生み出される。写真右下の雲南省の湖「陽宗海」が、工業排水によりヒ素などの化学物質で汚染されていることや、写真右上の品質の悪い石炭でもうもうと煙をあげ操業する中国の工場を見ると、空恐ろしい。現在の中国は、35~50年前、日本が高度成長期だった頃の公害問題をそのまま引きずっているような状況で500万人ともいわれている公害病患者もウナギのぼりだ。海洋汚染と大気汚染は否応なく海流や偏西風に乗って我国にも影響を及ぼす。

中国の工業地域などで発生する「すす」の量が急増し、北半球の大気汚染を悪化させていることが、米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙研究所の分析で明らかになった。早急に排出量の低減を図らない限り、世界全体の気候に悪影響を及ぼす恐れがあるという。
すすは、工場や火力発電所のばい煙、家庭でまきを燃やした煙などに含まれる。同研究所は、衛星観測のデータやコンピューターを使った計算で、地球表面に広がるすすの排出源を調べた。その結果、世界全体のすすの3分の2は工業活動が原因で、その半分が、中国を中心とする東アジア地域で発生していることを突き止めた。

現在中国が生産する野菜類の約50%に危険な残留農薬が残存しているというデータがあるが、中国はとりわけこの危険性の高いものを主に日本へ向けて輸出している。さらに中国ではそのほぼ全ての河や湖が工場から流された鉛や水銀入りの排水で汚染されており、中国産の野菜は全てこの水で育てられてもいる。EUなどは残留農薬や有害物質が検出されると即座に全面禁輸措置を取るが、日本は中国に遠慮してなかなか禁輸に踏み切らないのだ。
この残留農薬には、きわめて発ガン性が高く20年以上前に国際的に使用禁止されたエンドリンやディルドリン、そしてシロアリ駆除薬なども検出されており中国産の野菜を食べることはまさに自殺行為なのだが、日本政府が全面禁輸に踏み切れないことを良いことに、中国は今も大量の汚染野菜や汚染食品を日本に輸出している。中国では工業化による環境汚染と健康被害の関連性を調査することさえも許可されておらず、英インデペンデント紙は中国でガン発生率が異常に上昇していることを指摘して、「(日本に対して)有毒排水で育てた野菜が大量に輸出されており、日本人のガン発生率も上昇していくであろう」と報じているものだ。

日本では一時期大量の中国野菜が安価で輸入されたが、野菜類の47.5%から猛毒で発がん性もある有機リン系殺虫剤メタミドホスなどの高濃度の残留農薬が発見されるなどして2001年ごろからから輸入禁止が相次ぎ、大手のスーパーではあまり見かけなくなったが、どっこい、「加工」「業務用冷凍」にされて日本に輸入されており、外食産業、インスタント食品の具材、冷凍食品などとして流通している。
 食糧自給率の低い我が国は世界中から食材を輸入しているが、中国からの輸入は年々増加の一途をたどっている現況では、今一度国に真剣に食の安全と、自給率向上に取り組む政策を考えてもらいたいものだ。

2011年11月26日土曜日

地球温暖化問題

地球温暖化対策を協議する国連気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)が28日から南アフリカのダーバンで始まる。最大の焦点は、温室効果ガス削減のための国際的な枠組みだ。現行の京都議定書は2012年で期限切れとなるが、その後にどうするかという「ポスト京都議定書」で各国は激しく対立。13年以降の枠組みも不透明だ。各国による交渉の行方は、日本経済にも大きな影響を与える。
 2013年以降の枠組みに関する日本の立場は終始一貫している。中国などの新興国が求める京都議定書の延長には絶対反対。議定書は新興国が対象外で、米国も批准していない不平等な内容のため、13年以降は、すべての国に削減を義務づける新たな枠組みを作るべきというのが日本の立場である。
 2005年に発効した京都議定書は08~12年を「第1約束期間」とし、各国に温室効果ガス排出量削減目標の達成を義務化した。現在は13年以降に「第2約束期間」を設け、削減義務を延長することが議論されている。新興国からは法的拘束力がある議定書の延長を求める声が強いが、批准していない米国や新興国扱いの中国など主要排出国には削減を義務づけられない。
欧州では順調に削減が進み、目標達成の目処が立っている。しかし主要排出国の米国が参加しておらず、また先進国のカナダが目標達成をあきらめたり、日本が削減義務達成に失敗しそうな情勢になっている。途上国の排出量を抑制する道程も定まっていない。

上図のようにCO2排出シェアは、 日本4% 米国19% 中国22% で、全体の73%が削減義務のない国である。温室効果ガス排出量に関して、義務を負う国と負わない国が偏在している。 日本は目標達成の義務を負うが、排出量が2008年世界第1位(シェア22%)の中国は目標達成に義務を負わない。各国の削減目標が、公平な削減目標になっていない上に、義務を負う国にのみ負担が発生する。世界で最も省エネの進んだ日本が、削減目標達成のためには大量のクレジット(排出枠)を海外から購入する必要がある上に、達成できなければ、クレジット(排出枠)の購入もできない上に、より多くの削減目標を設定される。
日本はオイルショック以降、技術開発、省エネ投資等の先行努力を他国よりもしてきたので、日本の限界コスト(中心値)は、他の先進国の1.6~1.9倍と高い。後先も考えずに削減目標を25%と大ボラを吹いた首相もいたが、噴飯物である。

新興国側の主張の根幹には、先進国が歴史的に温室効果ガスを排出して経済成長を遂げたという認識があり、「これから経済成長する新興国には当然、排出の権利がある」とする中国側は、すでに世界2位の経済大国となっているにもかかわらずこの認識を保持しようとしている。これに対し、米国のオバマ大統領は「中国やインドのような新興国の役割は重要。彼らは自らの責任を真剣に理解しなければならない」と指摘。新たな枠組みづくりよりも新興国が足並みをそろえるかどうかに関心を寄せる。しかし議定書の枠組みから抜けた米国がもっともらしいことを言う前に、削減義務を果たさずに中国に意見を言っても効果はない。議定書延長問題への対応も微妙で、賛否の積極的な意見表明もみられない。責任の押し付け合いが際立つ構図だ。

洪水と干ばつ
 さて問題の地球温暖化の原因は、二酸化炭素を主とした温室効果ガスの濃度増加が主因だとされているが、これら学術的知見に対して、炭酸ガスによる温室効果を過大評価しすぎとして、太陽活動の影響、宇宙線の影響、地球内部の活動、磁気圏の活動などを原因とする異論がある。一方で、
「現在、0.6℃/100年という上昇率で、地球温暖化は確かに起きている。しかしそれは、氷河期と間氷河期の繰り返しの中で起きているもの。現在進行中の温暖化の大部分は、地球の自然変動であり、人類活動により放出された炭酸ガスの温室効果によるのは、わずかである可能性が高い。」と言っている学者(  赤祖父 俊一氏)もいる。
対立する両者の論点を見ていると、正直まだ研究途上の温暖化議論で、そう単純に結論の出ないのが現状ではなかろうか?。

いずれにせよ地球全体で地上気温が高くなると、人間生活に重大な影響を及ぼすおそれがあることは間違いない。考えられることは地球温暖化によって生じてくる気候変化が起こすものとして、乾燥・半乾燥地域での砂漠化の進行 、集中的な降水の増加 、海水の熱膨張による海水面の上昇 、積雪域・凍土の縮小などが進行し 、その結果生じてくる現象として、森林の衰退(特に半乾燥地域)  気候帯が数100km極方向に移動  環境の変化に適応しきれなかった種の絶滅  海岸線の変化 などである。

2011年6月10日金曜日

脱原発


地球生誕から46億年が経ち、今から200万年前に人類(ホモハビルス)が誕生し石器を造った。やがて人類の遠大な歴史の中ではごく最近に当たる200年前にイギリスで産業革命が起き、それを支えるエネルギーを化石燃料から手に入れた人類は、やがて産業の発達とともに、石炭から石油、石油から原子力という究極のエネルギーを手に入れた。

ところが2011年に北半球に位置する小さな島国で、人類が未だ経験したことのない大惨事が起きた。巨大地震による衝撃的な揺れと津波で、原子力発電所が破壊された。その名は日本(福島)、今や世界中の目がこの福島に集中してしている。現在廃炉に向かって作業中であるが、その道程は長く険しい。


原子力エネルギー政策は、好むと好まざるをにかかわらず、歴史的使命を終えたのではないか。今後、稼働中の原子力発電の耐用年数(40年)が過ぎた順番で運転を停止し、危険極まりない地震列島に位置する原子炉は徐々に廃炉にしていき、原子力に代わるエネルギー政策に変換する必要があるだろう。

今までに蓄積されてきた原子力に伴う核廃棄物の処理も一筋縄ではない。これらに伴う管理コストは安い生産コストを圧倒的に押しやることが分かり、結局高くて危険なエネルギーであることが分かった。
特に核廃棄物の処理において、大量の低レベル放射性廃棄物と、高レベル放射性廃棄物の発生に伴い、特に高レベルのものはガラス固化するものの、半減期数万年のウラン235やプルトニウム、マイナーアクチニド (MA) と高発熱量核分裂生成物 FP が混入しているため、冷却しながら30年、その後数万年という気の遠くなるような時間をかけて保管が必要になる。


太陽光(熱)発電、地熱発電、風力発電、波浪発電等の地域分散型発電など人畜無害の自然エネルギー政策への転換も取りざたされているが、太陽光発電では原子炉1基分の100万kWの電力をつくろうとすると、山手線の内側と同じくらいの面積にソーラーパネルを敷き詰めるという話で、地理的に問題があるし、地熱発電も国定公園内がそのエリアにあるため規制がかかる。風力発電も局地的で大規模な発電には至らない。また波浪発電も自然まかせで安定した電力が得られない。もっぱらの頼りは従来の火力発電水力発電だが、、、。

少子高齢化による人口減少、省エネ社会の日本で電気の使用量が下降線をたどると言われている中、福島原発事故後のエネルギー事情は変換を余儀なくされるだろう。全国の原子力発電所54基のうち、35基が停止している現状で、現在運転中の19基も来年夏までには定期検査の時期を迎え再稼働しなければ全部が停止する。いったん止まった原発の再稼働は地元の了解を得なければ困難な状況下で、今後原子力発電に代わるエネルギーをどこに求めるべきか?

ここに脱原発後のエネルギー資源について各方面から興味深い提案が発信されているので3つほど抜粋してご紹介しよう。

東京湾にあるLNG火力発電所

提言1

 作家広瀬隆氏は最もクリーンで世界の発電のエースであるLNG火力を増設するべき と言っている。電力会社としては、LNG(液化天然ガス)火力発電所を増やすことを勧めている。
LNG火力というのは、現在、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた「ガス・コンバインドサイクル」として完成している。この発電設備は、火力のなかで最もエネルギー効率が高い。じつは原発のエネルギー効率は驚くほど低く、わずか30%だ。電気にならなかった残りの70%は、温排水として海を加熱して、自然破壊を進めている。一方、従来型火力は45%まで、そしてガス・コンバインドの熱効率は実績で60%まで高まっているという。

しかも、この方式ではタービンでLNGを燃焼させた後に、何度も排熱を回収してエネルギーを発電機に送るため、熱効率は原発の2倍なのに、排熱量は2分の1に抑えられる。ほかにも、天然ガスはクリーンで地球環境に最もやさしい、小型なので設置に場所をとらない、電源を入れてから1時間で起動できるので消費量の変化に追随できる、という数々のメリットがある。

 原発がなければ経済成長できないと考えるのは大きな誤りで、これがいま世界の趨勢なのである。日本の電力消費は、家庭用が3割弱で、残りの7割以上を産業用と業務用が占めている。しかも、日中は家庭にあまり人がいないので、ピーク電力の問題はほとんどが産業用・業務用の問題だと氏は提言している。

提言2    

資源エネルギーを他国からの輸入に頼っている国家、日本。ところが、ある資源によって日本が資源小国から資源大国になれる可能性がある。
平成13年7月に発表された「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」を実現するため、平成13年度、官民学共同のメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(通称:MH21)が組織された。

メタンハイドレートは天然ガスの原料となるメタンを水の分子が取り囲んだ状態の固体結晶。永久凍土地帯や大陸縁辺部の海域に高圧低温の条件下で生成され、火をつけると燃えるため「燃える氷」といわれる。燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量は石炭や石油に比べると半分程度で、地球温暖化対策にも効果的な新たなエネルギー源として注目されている。

日本近海の東部南海トラフだけで日本の天然ガス年間消費量の13・5年分に相当する約1兆1400億立方メートルの存在が確認されており、現在のガス田の埋蔵量ランキングにあてはめると世界20位程度に位置する。(上の写真は日本近海のメタンハイドレート分布図と下はその物。画面上赤い個所が埋蔵量の多いところである。)
しかし採掘コストが高いことなどから、太平洋側南海トラフよりも日本海側の佐渡近海がメタンハイドレートの結晶が固まっていることが分かっているので注目されている。
また近年問題の竹島近海でも発見されているので韓国が領有権を主張している。そして東シナ海にも存在するため中国が狙い漁っている。


渡邉教授
提言3       


 筑波大学大学院、渡邉信(まこと)教授の進めているバイオエネルギー藻類が日本の救世主になると教授は力説している。

世界にも注目される、大量の石油を生む特別な「藻」の大発見!これまで海外で、いくつか石油を生む藻の発見はあったし、現に米国もクリーンエネルギーとして1000億円以上の事業投資をしている。米国では藻類を原料にしたバイオ燃料を開発するベンチャー企業が続々と登場。研究室レベルのものから、大規模な培養を試みるものまで様々あるが、実用化は5~10年後といわれる。すぐにビジネスになるような話ではないが、産業界の藻類への関心は並々ならぬものだ。
左からボトリオコッカスとオーランチオトリウム


しかし、藻のスペシャリストの教授が発見したのは、これまで発見された藻をはるかに上回る量の石油を生み出すという関係者しか知らない極秘の藻(オーランチオトリウム)は、従来の藻(ボトリオコッカス)と違い光合成を必要とない藻で、原油(炭化水素)を効率的に作ることが出来き、生産能力はボトリオコッカスの10倍以上になる。日本が年間使用している原油量2億トンを生産するのに2万ヘクタールの土地があれば生産できるらしい。研究チームの試算では、深さ1メートルのプールで培養すれば面積1ヘクタールあたり年間約1万トン作り出せるためこの試算になる。
もともと原油は藻類が長い年月を経て堆積したもので、原料は同じことになる。ただ生産コストがかかるので、生産ベースに乗せるプロジェクトを国内企業50社が藻類産業創成コンソーシアムという組織を立ち上げて10年後をめどに実現をめざしているところだ。

地球が何億年もかけて作った石油を、科学の力により短時間で効率よく生産する革新的なプロセス、その上、付随した石油製品の数々も生産できる石油の代替品である。
成功すれば日本は産油国になり250兆円以上の市場が待っているという遠大で夢の多いプロジェクトである。世界のパワーバランスさえ変えてしまう新しいエネルギー循環に期待したい。

  ■渡邉教授が熱く語っている動画

2011年4月20日水曜日

原発の不条理

ギリシャ神話に登場するシジフォスは神々に尖った山の頂に岩をころがして上げるよう刑罰に課せられ、上げても上げても岩は下に転げ落ちる。ひとたび山頂にまで達すると、 岩はそれ自体の重さでいつもころがり落ちてしまうのであった。 無益で希望のない労働ほど怖しい懲罰はないと神々が考えたのは、 もっともなことであった。
これが人間が置かれた現実でもある。理性的に考えれば無意味なことを、シジフォスと同じように人間は生きるために必死でやらなければならないのだ。人間が生きているこの世界は実は、こうした不条理なものに満ちている.フランスの作家アルベールカミュの著書「シジフォスの神話」のくだりである。現在の福島原発で起きている事態、放水しては溜まった汚染水を安全な場所に運ばなければならない作業が果てしなく続く不条理。

榎本聡明顧問

東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発について、東電の榎本聡明(としあき)顧問が毎日新聞のインタビューに答え、「原子炉を冷却し、廃炉に不可欠な核燃料の取り出しに着手するまでに約10年かかるとの見通しを明らかにする一方、放射性物質を残したまま埋めてしまうことはない。チェルノブイリ原発のように燃料ごとコンクリートで埋める「石棺方式」は取らないことを強調した。」

一方で東電の勝俣恒久会長は1~4号機を廃炉にする方針を明らかにしているが、通常の廃炉までの必要年数は20~30年かかるとされている。

 また榎本顧問は1~3号機で続いている原子炉への注水作業について「水を注入するほかない。燃料がこれ以上溶解するのを食い止めたい」と説明。本来の冷却システム「残留熱除去系」の復旧には少なくとも1カ月かかるとの見通しを示した。予備の冷却システム増設も併せて進め、原子炉内が「冷温停止」と呼ばれる安定な状態になるまでには数カ月かかると述べた。

放射能漏れにつながっている汚染水の問題については、放射線量を放流できるレベルまで落とす浄化設備を今月中に着工。数カ月後をめどに、放射性物質を原子炉建屋内に閉じ込める対策も並行して進めると述べた。周辺自治体に対する避難・屋内退避指示の解除などは、この段階が検討開始の目安になるとみられる。

廃炉への課題として榎本顧問は(1)原子炉建屋が損傷しており、まず放射性物質の拡散を防ぐ対策が必要(2)1~3号機の燃料棒が推定で25~70%損傷しているため、従来の方法では取り出せない、と指摘。燃料の回収装置を新たに開発し、燃料回収を始めるまでに10年はかかると述べた。

 そんな折、政府からの要請で東電から福島原発事故の収束工程表が示されたが、6~9カ月かかって2ステップの工程を完了させるというものだ。具体的には原子炉を安全な「冷温停止状態」とし、原子炉建屋をカバーなどで遮蔽することを当面の目標と位置付けた。
しかし当面「数カ月をめど」とする見通しは最も楽観的なもので、格納容器が壊れていない1、3号機は爆発などが無いかぎりそれもありうるかもしれないが、格納容器の下部が水素爆発で損傷している2号機は格納容器内に水がある限り高放射能汚染水の垂れ流しは終わらない。3つの原子炉に合わせて1日500トンの水を注入し続けているので、数カ月で現在以上の汚染水を抱え込むことは間違いない。2号機の破損部を修復するために格納容器の水を抜くには、内側にある原子炉圧力容器が健全であって冷却系を回復する必要があるが、2号機で原子炉圧力容器の底抜けの可能性が高い場合、それも難しい。

英紙ガーディアン(電子版)によると「福島原発の原子炉を開発した米ゼネラル・エレクトリック(GE)社で福島原発建設時に同型炉の安全性の研究責任者を務めた専門家は、少なくとも溶融した燃料が圧力容器から『溶岩のように』漏れ、格納容器の底にたまっているようだと説明」したと言っている。この認識は当事者の東電より事態を深刻に受け止めている様子がうかがえる。

2号機の状態は毎日、真水を注ぎ込んで溶融した核燃料から高放射性物質を洗い出しているのと同じで、その漏出箇所には人間は近寄れない。、なお原子炉内の高放射性物質の漏出は1割以下でまだ放出量は数%に止まるが、2号機からは最悪の場合、何割もの放射能が環境に出ることも考えなければならない。東電・技術系の考えている「楽観的見通し」が外れる可能性がある現在、何が起きてどう対処するか最悪の場合の対応策も考えておかなければ国民への責任が果たせないし、日本の技術力への失望はさらに世界に広がるであろう。

現在、この福島原発事故の影響で、日本経済において食品の輸入制限から工業製品のすべての放射能検査の強制などを含め、日本製品は世界から疑心暗鬼の風評被害にあっている。
このような状況下で、一国の首相がなぜ世界に向かって日本製品の安全性を声を大にして発信しないのか出来ないのか、国民ははがゆく感じているところだ。

その一方、静岡県御前崎にある中部電力浜岡原発は、来るべき東海地震では活断層の真上に立っている最も危険な原発で、直下型地震によって今後30年以内に福島以上の悪夢が取りざたされているところである。ここも北米プレート、ユーラシアプレート、フィリッピン海プレートが重なった境界線上にある。西風が多い御前崎近辺からは一極集中の首都圏が災害の射程距離に入る。
原発震災」なる言葉を生み出し、当ブログでもご紹介した地震学者の石橋克彦神戸大名誉教授(66)は、月刊誌の最新号で、浜岡震災の帰結についてこう予測している。


 「最悪の場合、(中略)放射能雲が首都圏に流れ、一千万人以上が避難しなければならない。日本は首都を喪失する」「在日米軍の横田・横須賀・厚木・座間などの基地も機能を失い、国際的に大きな軍事的不均衡が生じる……」(「世界」と「中央公論」の各5月号)

今後行政機関の地方分散化も視野に入れた政策を考えないと、日本という国の存亡にかかってくる。今後の国の取り組みを注視していきたい。
●原発技術者菊池洋一氏が訴える浜岡の危険性(動画

2011年3月25日金曜日

悩ましき国


今回の東北関東大震災の津波で破壊された福島原発の被害の大きさから今,原子力発電の危険性が問題になっている。
周知のように日本列島は図のように4つのプレートの境界線上に乗っかった世界でも類を見ない危険地帯に位置している。

唯一大地震の警鐘を鳴らしていた神戸大名誉教授、石橋克彦氏の岩波新書<大地動乱の時代>が今やアマゾンの中古書籍で¥6,000円の高値を付けている。
地震学者の石橋克彦(神戸大学名誉教授)によれば、日本の経済の成長は「地震の地震活動の静穏期に合致していた」と。そして、現在は、「日本列島はほぼ全域で大地震の活動期に入りつつある」と発言されている。

以下石橋氏が言及している重要なポイントをご紹介しよう。

「全国各地域にみられる地震空白域やその周辺の地震活動をやや長期的にとらえると、ひずみの蓄積と解放のくりかえしに関係した規則性が浮かび上がっている。
    第1に、地震活動には活動期と静穏期を交互にくりかえすという性質がある。1993年以来北海道から三陸沖は活動期に入ったと考えられる。1923年関東地震(M7.9)から73年が経過した南関東地域や1944年東南海地(M7.9)、1946年南海地震(M8.0)から約50年が経過した西日本も活動期にさしかかったと判断される。

 第2に、広域にわたり地下にひずみが蓄積され、プレートが相互に密接な力をおよぼし合うようになると、各地で地震が連動して発生する。この連動性が高まると、ある地域の地震が引き金となり、隣接する地域で短期間に次々と地震が発生するようになる。地震の活動期にはこの連動性が最もいちじるしくあらわれる。南関東では地震の連動が目立ちはじめている。

 第3に、ひずみの蓄積が増大し地震活動が活動期にさしかかると、それまでM2~3の地震だけが発生していた地域で、M4~5の地震が起き、ついにはM6やM7の地震が起きるということである。とくに南関東では、近年時間の経過とともに、より規模の大きい地震が発生する傾向が見出されている



安政元年11月4日(1854年12月23日)、駿河湾から遠州灘、紀伊半島南東沖一帯を震源とするM8.4という巨大地震が発生した。この地震が発生した年は嘉永7年で、当時の瓦版や記録はすべて嘉永としているが、この地震の32時間後にはM8.4と推定される安政安政南海地震が連
続して発生し、さらに広範囲に被害をもたらせたため、この両地震から元号を嘉永から安政に改めた。年表上は安政となるため後に安政東海地震と呼ばれるようになった。

巨大地震の東海地震は有史以来5回発生しているが、そのうち4回はその直後から2年以内に巨大地震の南海地震も発生するという、東海、東南海、南海の巨大地震の発生メカニズムを証明したのである。この史実は現在のわが国の地震予知学問に重大なキーワードをもたらせることになった。それまでに発生した過去の巨大地震を振り返ると・・・

1、東海東山道地震(1586年・天正13年)発生、その19年後の1605年(慶長9年)に「慶長地震」が発生。

2、元禄地震(1703年・元禄16年)発生、その4年後1707年(宝永4年)に「宝永地震」が発生。

3、安政東海地震(1854年・安政元年)発生、その32時間後(1854年・安政元年)に「安政南海地震」が発生。

4、東南海地震(1944年・昭和19年)発生、その2年後(1946年・昭和21年)に「昭和南海地震」が発生。

以上のように、東海道で巨大地震が発生すると、同時又は短時間後に南海道でも巨大地震が発生するというメカニズムが歴史的に証明されている。
近年東海地震発生の切迫性が伝えられているが、東南海、南海地震と連動して発生する可能性も高く、単独地震発生だけでなく連続巨大地震発生に備えた防災対策が急務である。」と締めくくっている。



一方、ノンフィクション作家の広瀬隆氏は、80年代から原子力発電所の危険性を訴えてきた。昨年出版した『原子炉時限爆弾』では、「原発が地震によって制御不能に陥り、周辺に放射能を撒き散らす“原発震災”が起きる」と予測していた。

 広瀬氏は、火力発電と水力発電で日本の電気使用量はまかなえる、原発を停止した際の電力不足を心配するより、まず今は、原発の危険性をしっかりと考えてほしいと話し、たとえ福島原発の被害を最小限に食い止めることができたとしても、次の大地震で別の原発が事故を起こすと警告する。

 現在、広瀬氏は福島第一原発の状況をどう見ているのか。また、今後どのような事態を想定し、放射線はわれわれにどのような影響を与える可能性があると考えているのか。そして、そもそも日本の原発はどのような危険性をはらんだものであるのか。政府、メディア、御用学者はほとんど事実を話していないと断じる広瀬氏。詳細はビデオニュース、ドットコムのジャーナリスト神保哲生との対談をご覧あれ。


                 < 画像は今回の原発が制御不能に陥った場合(チェルノブイリ並み)の避難区域>

現在世界全体で約440基の商用原子力発電所があるそうで、日本には55基ある。そのうち37基が運転中である。ヨーロッパではその危険性から脱原発の流れが定着しており、原子炉の寿命も40年程度と言われている。
問題はその使用済み核燃料の保管が青森県の六ケ所村に集中しており、そこも満杯の様だ、そのため今回の福島も自分ところのプールで保管している状況で、今回の原発災害の拡大の危険性が続いている。日本の場合、政府が原発推進を維持し、原子力産業の圧力が強大で、立地地域の経済が原発にどっぷりつかっているだけに脱原子力は容易ではない。

広瀬氏が問題にしているのは日本列島の地震が活動期に入ってることから、今後30年以内に、特に危ないのは静岡の駿河湾沖で、4つのプレートが押し合っているところだ。この近くにあるのが浜岡原発であり、巨大地震で修復不可能なまでの原子炉と電気系統の破壊が起きると指摘している。

大正時代の関東大震災の震源域は相模湾トラフで、周期的には12年遅れているそうだ。その分相模湾で地震が起きたらエネルギーが蓄積しているので、今回の、岩手、宮城、福島、茨木の様な連動型が予測され、隣の駿河湾まで連動しないとは言い切れない。

2003年の世界エネルギー見通しでIEA(国際エネルギー機関)は既に以下のように述べている。「公衆からの反対運動、核廃棄物の問題、核拡散に対する懸念、原子力の経済性の問題などが原因で、電力生産における原子力のエネルギー使用の割合は、世界の殆どの地域で減少の道をたどると予測される。世界的な発電量における原子力が占める割合は2001年に19%だったのに比べ2025年には12%まで減少するだろう。」2004年版の世界エネルギー見通しでも、「原子力発電はそれが抱える困難な問題のために他の発電技術と競争できない」ので、「減少傾向はずっと続くだろう」と予測している。2002年から2030年までに原子力発電が13%増える(新しく原子力発電に踏み出す国がないという想定で)という、新しい”アルターナティブ(もう一つの)”なシナリオにおいてさえ、2003年の核 エネルギーが世界の一次エネルギー市場で占める割合は5%にすぎない。
ちなみに現在日本で作られている電気の割合は、火力65%、原子力26%、水力8%となっている。

最後に氏は「そもそも日本列島に居る限り、地震と共存する文化というものを確立しなければならない。つまり、従来は自然と対決する文明で、それに対して最新技術でもってバックアップしようという考え方であったけれども、自然の摂理に逆らわない文明というものを我々は作っていかなければな らないと思う。要するに開発の論理、あるいは効率、集積、利便性の論理、それから東京一極集中、都市集中の論理、そういう物をやはり見直して、保全とか小規模、多極分散、安全と落ち着き、地方自立、国土の自然力と農村漁村の回復、といったようなことをキーワードにして、根本的な変革が必要であると、まあその地震災害を考えると、私は強く思います。」と述べている。



人類で最初に原爆被害に遭遇した我ら日本人。そして世界が固唾を飲んで見守っている福島原発事故。今後は見えない核物質との闘いが始まっている。地理上地震の巣の上に存在してる宿命とはいえまさに時限爆弾を抱えた島に我々は住んでいる。と同時に核に対する処し方、今後の大地震に備えた原発の安全管理もしくは縮小など、日本が世界の規範になることだろう。

2011年3月12日土曜日

地震列島日本




巨大地震が起きた。その時間私は大船のカルチャーセンターにいたが、大きな揺れの後店内が停電になり、店内にいた客はみんな外に出たが、揺れの大きさは今まで体験したことが無かった。2~30分は余震が続いていたが、震源が宮城沖と聞いてその場を離れることにした。揺れる地面と車を感じながら教室を出て横浜に向かったが、信号機の点灯していない個所が何箇所かあり、警察官の手信号で交通整理が行われていた。途中携帯電話もつながらず、電車はストップ、JR関内駅は駅の一部が崩れ、磯子の工場地帯の一部では黒煙が上がっているなど、ラジオの情報が乱れ飛ぶ中教室につくと、関内の教室内ではロッカーが倒れ、テーブルもばらばらに散らばり、室内の壁にはあちこち亀裂が入っていた。室内を片付け帰路に就いたが、道路は大渋滞、歩道は帰宅の足を奪われた人々が大勢ぞろぞろ歩いていた。そしていつもの倍以上の時間を要し帰宅したのは9時を過ぎていた。
一夜明けると被害の甚大さがTV画面からひしひしと伝わってくる。特に津波の破壊力はすさまじい。また今朝がたには長野県でも大きな地震があった。
宮城県気仙沼と福島県南相馬市

今回の東北沖大地震は、記録が残る中で国内最大の規模(マグニチュード=M)8.8を記録した。専門家は「死者1000人を出した貞観(じょうがん)地震(869年)の再来の可能性がある」と指摘する。日本がかつて経験したことのないM8.8という規模は、どれほどのインパクトを持っているのだろうか。

地球の表面を覆う岩板(プレート)の境界では、「プレート境界型」と呼ばれる巨大地震が起きやすいが、専門家によると今回の地震もこの仕組みで発生した可能性が高いと言う。大きな被害をもたらした東海地震、東南海地震、南海地震などはいずれも「プレート境界型」だ。古村孝志・東京大地震
研究所教授は「今回の地震もプレート境界型の可能性が高い。日本で起きる最大級の地震が起きた」と話す。


これだけの規模になったのは、プレートのずれの大きさによる。推定では、南北二百数十キロ、東西百数十キロにわたってプレートが十数メートル動いたとみられる。古村教授は、「2005年8月に発生した三陸沖地震(M7.2)のあと、震源域にずれ残った部分があり、そこが地震の震源になっ
た可能性がある」と指摘する。

また震源が、宮城県沖で過去に繰り返し起きてきた「宮城県沖地震」の想定震源域にあることから「(今後30年の発生確率が99%と予想されていた)同地震が1978年以来約30年ぶりに起きた」との見方だ。ただ、想定宮城県沖地震の規模は「M7.5~8程度」で、今回のM8.8はその約90倍というとてつもないエネルギーだ。古村教授は「想定の震源域に加え、福島~茨城県沖まで連動して破壊されたため、これほど大きい地震になったのでは」とみる。


世界ではこのように、広域で連動して起きた巨大地震には、チリ地震(1960年)、スマトラ沖地震(2004年)がある。
さらに大規模な破壊が起きた可能性を指摘するのは、岩田知孝・京都大防災研究所教授だ。「岩手県から茨城県までの約500キロにわたって破壊が起きた可能性がある。今回の地震の規模は阪神大震災(M7.3)の100倍以上。もともとの地震の規模が大きいので、余震も大きいのだろう」と話す。

今回の地震との類似性が指摘される貞観地震は、869(貞観11)年7月に発生した。平安時代の歴史書「日本三代実録」には、津波で1000人の水死者が出たとの記録がある。津波の痕跡は現在より約1キロ内陸にあったとみられる当時の海岸線から、さらに3キロ山側に到達。産業技術総合研究所の最近の解析によると、貞観地震の震源域は宮城県沖~福島県南部沖の長さ200キロ、幅100キロ、地震の規模はマグニチュード(M)8.4と推定される。

政府の地震調査委員会の阿部勝征委員長は「今回の地震はすごい地震で言葉も出ない。今回の地震は、この貞観地震の再来かもしれない。過去1000年に1回に起きるかという巨大地震だ。最近は、東海地震や東南海地震、南海地震に注目が集まっていたが、東北地方の地震の見直しをしているところだった。M8を超える地震は、これまで海外の話と思われていたが、それが日本でも起きたということだ」と話す。

さらに古村教授は、「この地震をきっかけに大きな内陸地震が起きる可能性がある」と指摘する。過去には、1944年に東南海地震(M7.9)、1946年に南海地震(M8.0)が続けて起きたが、その間にあたる1945年に内陸で三河地震(M6.8)が起きている。


私の街神奈川県の震度は「5強」とのこと、東北の惨状を見るにつけ、今回の大災害で命を失われた大勢の方々のご冥福をお祈りしたい。と同時にこのような大地震が首都圏を襲う直下型だったらと想像しただけで背筋に寒さが走るのは私だけではないだろう。天災は忘れたころにやってくる。我々は地震列島日本にまぎれもなく住んでいる。

2011年1月22日土曜日

日々雑感



 戦時中、植樹をしないまま森林を伐採したため日本中の山が坊主になり保水力を失ったため、終戦後暫くは各地で大水害が起き死者も多数出たという。そこで植林運動が始まったわけだが、植えたのが成長の早い杉が大部分で檜がちょっと。これらが用材に成長した頃から大問題が2つ起きた。外国材の輸入増大と杉花粉症の大発症である。欧米には無い「国民病」である。
筆者も30年来の花粉症患者であるが、年と共に症状が軽くなってきた。感受性が鈍くなったせいであろうか?


花粉症が報告されてから約40年後の現在、その患者数も増加の一途をたどり患者数は国民の10~20%までに達し、まさに“日本の国民病”と呼ばれるようになった。花粉症患者数は増加の一途をたどり、スギ花粉症だけで1500万人以上、日本の花粉症総人口は2000万人以上、5人に1人は花粉症ともいわれ、私の周りでもカミサンをはじめ、今まで何ともなかった人々がここ数年来急に患者になるケースが増えている。聞くところによるとネコにも花粉症が増えているらしい。今年は昨年の猛暑の影響でひどい年になりそうだ。憂鬱な春がそこまでやってきた。


さてこの杉を含めた材木の話をすると、今や外国材はカナダ、アメリカ、東南アジヤなどから安価で大量に入ってくる。年間木材総需要のうち19.0%が国産材で81.0%が海外からの輸入材である。国産材は人件費の値上がりで極めて高価になっている。わが国の山は急峻で危険が伴うから伐採、搬出の労賃は割り増しになるのは避けられない。ますます外材の輸入が増えてゆく。中小を問わず山林保有者の放置山林は後を絶たず、山は荒れていく。

現在、日本で使われている外国から輸入材を例にとると、家具に多く使用されている「タモ」は中国とロシアから、「ホワイトオーク」「ウォールナット」「米松」「スプルス」はアメリカ・カナダ、「ブナ」「ホワイトシカモア」はヨーロッパ、「チーク」「ラワン」は東南アジア、などだ。日本は多くの木材の供給を外国に頼っている。それもグレードの良い材を選んで買い付けているため、良材が品薄になっているのが実情である。

我々の業界でも、北海道産の桂材の良いものは入手困難になっている。実際木地屋の倉庫には代替えのイチョウが野積みされている状況である。2~3の製材業者は桂材を多数持っているらしいが、業界が焦って買い付けに走ると、足元を見られた高い材料になりかねない様相でもある。需要量を考えるとすぐに枯渇することは無いが、環境保護の進む中で国有林などの伐採などは難しく、
今までの様にグレードの高い木地を選んで買える時代ではないようだ。


話を杉に戻すと、杉は風に弱いから苗は密植しなければならない。しかしそのままにしたのでは成長しないし、細く育って使い物にならない。そこで考えられたのが「間伐」。森林の成長過程で密集化する立木を年々間引くのである。間引かれた杉は太さ10cm~20cm内外であり、建築用途の材料などには殆ど向かない。
林野庁の資料によると2006年度の場合、わが国民有林の間伐の実施は28万2000ヘクタールに及んだが間伐された材のうち、搬出、利用されたものは4-5割程度。間伐した324万立方mの60%が建築材や梱包材、13%が足場丸太など。24%は合板、集成材、チップ、おがくずなど。昔のような割り箸にはなっていない。料亭の箸は杉柾目の割り箸京都の北山杉である。
割り箸については、現在では海外から安い輸入品に押され、日本で使われている割り箸の9割以上は中国からの輸入品である。輸入品の多くは、割箸などを製造するために伐採した材木(ポプラ)を用いている。

元々間伐材は1970年代までは、建築現場の足場材、木柵の材料などに用いられたが、アルミニウム製の単管足場などの普及により需要が低迷した。1990年代になると、割り箸は輸入に全面転換したため間伐材の需要の低迷により価格が下落。採算性の悪化のため放棄される森林が増加した。 2000年代になると、森林整備を支援する一環として、間伐材の消費拡大に向けた動きが本格している。
林野庁は森林の持つ国土の保全や地球温暖化の防止などのためには、間伐等の手入れを適時適切に進めていく必要があるとして2007年度からの6年間で330万haの間伐をめざしている。

2009年7月31日金曜日

自然の脅威


毎年梅雨末期におきる九州、中国地方の土砂災害は多くの被害を出しているが、最近起きた集中豪雨による被害は甚大であった。いわば日本列島の気候の亜熱帯化による、高温多雨の傾向が年々顕著になってきて、エルニーニョ現象が追い打ちをかけいまだ梅雨前線が日本列島がら離れずに停滞していて、まだ予断を許さない状況が続いている。

災害の多くは大雨の土砂災害による家屋倒壊や浸水である。地山の地盤のもろさや樹木伐採などの複合的な原因が考えられるが、改めて水の恐ろしさを感じた。最近起きた北海道大雪山系トムラウシ山での登山者たちの大量遭難事故も記憶に新しい。気象条件の悪化も遠因に考えられているが、夏山特有の気軽さもあって、ツアー気分で多少の登山経験者たちが装備も不十分なまま山に入る無防備さに警鐘を鳴らしている。10人の中高年の犠牲者たちのほとんどが冬山並みの気候の変化に耐え切れず、雨による低体温症での凍死や脳梗塞で犠牲になったことが報じられている。
今回の事故で筆者の頭をよぎるのは、生れてはじめて登山と言うものを体験した大学2年の9月の槍ヶ岳登山であった。当初上高地のお花畑あたりを散策するつもりで、軽装で(着替え下着と雨具)と友人から借りた登山靴をはいて、上高地をうろうろしていたら京都から来た2~3人の学生グループと仲良くなり、目の前にそびえる槍ヶ岳を指差しこれから登るので一緒に行こうと誘われ、最初は躊躇して断ったのだが、だいじょうぶ、だいじょうぶと声をかけられ、怖いもの知らずで後をついていった。一般的には3000m級の登山は十分な訓練と体力の蓄積に立って臨むものであるらしいが、若気の至りで思いつきで無謀なことをやったものである。

ルートは上高地からの槍沢コースで,天候も申し分なかったので槍ヶ岳山荘に晩飯までには着くというので追随した。前半は比較的なだらかな槍沢を歩き途中、雪渓の残るところでウイスキーのポケット瓶を手渡され、雪渓の雪でオンザロックをすすめられ飲んだ味が未だに忘れられない思い出であるが、やがて傾斜がきつくなるにしたがい、歩調も鈍くなり休む回数も増えた。山荘が見えたところから山荘に着くまでが非常にきつく、みんなに励まされながらやっと着いたのは6時頃で、8時間以上登ってきたわけである。山荘での一夜は朝まで眠れず、高山病の1種であることが後日分かった。翌朝頂上まで100m位しかないところの登坂が、急勾配で10m進んでは休むの繰り返しで非常に苦しく、今思えば若かったこともあり、無理が効いたのだと思うが、あの苦しさを味わったため、もう登山はやめようと心に誓った。頂上に立った時は達成感と感動でそんな思いも吹っ飛んでしまったが、筆者にとって以後登山は槍が初めてで槍が最後の山となった。


山の天候は変わりやすいのはよく言われているが、海の天候も侮れない。特に低気圧の動向には職漁船、遊漁船とも神経を使っている。特に釣船は船長の判断で船が出ないことも多いし、場合によっては釣り場から早々と引き返すこともよくある。特に小型のプレジャーボートは危ない。板子一枚下は地獄の世界である。数年前の今頃の季節に、筆者が魚の彫刻を教えていた弟子が所有している4人乗りのモーターボートで、何回か東京湾で釣りをしたことがあるが、身の危険を感じたことが1度あってから、小型船舶には乗らないことにしている。仲間がいると気が大きくなり多少の波はもろともせず内房に向けて出たのはいいが、東京湾の中の瀬あたりで風が強くなり波が船にかぶってびしょびしょになり戦意喪失のまま、波の比較的穏やかな根岸湾にもどった。それもヨットハーバーのぎりぎり出船O.Kの指示で出港したわけであるが。海難事故の死亡の多くは季節を問わず、救命道具をつけていても今回の事故と同じように溺死より低体温症による死因が多い。
遠征釣りなどの船の場合サンダル履きの乗船は保険が適用されないので、マリンブーツが義務付けられている。今回の山の遭難事故も海における船長の役目と同じような登山ガイドに負うところが多い。荒天の山を経験の浅いガイドの判断ミスで起こった今回の事故は、夏山を甘く見た事例であるが、あの時自分もたまたま運が良かっただけと思わずにはいられない。自然を甘く見るととんでもないことになるものである。

2009年3月22日日曜日

地球環境を救うもの


人類が20世紀にやったことの一つに地球環境の破壊があり、その結果自然現象が大気汚染、酸性雨、異常気象、オゾン層破壊、森林破壊、土壌枯渇、生物種の絶滅(一日に100種類)として現れている。地球温暖化、ダイオキシン・環境ホルモンなど有害物質の発生等々、地球環境の破壊が進行している。特に、大気中のCO2濃度の上昇が地球温暖化に大きく関わっていると言われて久しい。石油を地下から取り出しエネルギーとして使うと、CO2と水ができる。現在石油の燃焼で年間約60億トン、森林の伐採と燃焼で約10億トン、合計70億トンのCO2が放出されている。大気中に自然に存在する炭素量(CO2)は約7000億トンであるから、年に1%も量を増やしているわけで、このままで行くと、100年で二倍になる。CO2濃度が二倍になると、平均気温が約2・5度上昇し、海水面が60cm上昇することが言われている。




そのようなことが叫ばれている時に、エネルギー効率の良い我が国が議長国となって始まった京都議定書は2005年に発効し、全世界の二酸化炭素の排出量削減の目標を掲げてきたが、最大の排出国であるアメリカが自国のご都合とご利益のため離脱している。日本の場合は1990年に省エネはほぼ完成しており、さらに6%削減するのは相当困難だと言われている。(最近の実績では+7.8%となっている) それにしてもこの議定書で決めた各国の削減量が達成された時に、温暖化は本当にストップするのであろうか疑問が残る。日本の場合何兆円という大金を払い排出権を他国から買うことに何の意味があるのか、温室効果ガスを減らすのに本当に役立つのか誠に疑わしい。地球温暖化は温室効果ガスによるもので、このガスを減らせば温暖化の危機は回避できるという考えが大衆の頭に刷り込まれているのが現状である。




1997年、日本が音頭をとりCO2ガスを低減し地球温暖化を回避しようという京都議定書 なるものが世界に提案されたがその後の経緯を見ると、その理想とかけ離れた各国の国益をかけた駆け引きが目に付き、さらにこれをビジネスに利用しようという投機筋の動きが活発になっていることに気がつく。実体のない排出権をめぐって排出権の転売、証券化、その証券の更なる証券化と金融商品の複雑化が進み、サブプライム・ローンにおける債務保証債権と同じように、バブルへの道を進みついには買った排出権が紙くずになるという懸念もある。

 
もうひとつ人類がやったことは有限の地球で、石油経済のもと経済の基盤を大量生産・大量消費の成長志向に置き、成長神話にとりつかれ、大量生産・大量消費・大量廃棄のシステムで、史上かつてない豊かさを手にすることができた。
20世紀の初頭、16億人だった世界人口は現在60億人にふくれあがり、農業の生産量は約7倍、鉄鋼は約20倍、アルミニウムは約4000倍という。有限の資源は使えば使うほど減少し、かつて存在した森林の40%、利用可能な石油資源の50%を消費してしまった。現在のままのやり方を続けていれば、間違いなくエネルギーは枯渇し、地球は廃棄物とゴミで埋まってしまうだろう。(現存する人工物のほとんどは、21世紀中に寿命を迎えるという。)




あと100年持たない石油資源に見切りをつけ代替えエネルギーとして注目されているのものが2つある。ひとつは太陽エネルギーもう一つは核融合である。太陽エネルギーは太陽光発電、風力発電、電気自動車などに使え、これを大々的にやり、21世紀のニューディール政策を画策するオバマ大統領の太陽経済の幕開けは日本にとって大きなチャンスである。太陽光パネル、風力発電、水力発電、電池、超伝導など、日本の技術は世界の先端を行っているので、いよいよ日本の出番が来ることは間違いない。


もう一つの核融合による発電の考案は、科学者たちの間で「夢のエネルギー」だと大変な盛り上がりをみせた。それは、核融合には人類の救世主たるだけの素質が存分にあったからだ。以下に示すと、
○核融合は海水中の物質を材料として使うため資源の枯渇という心配がない。
○発電によって二酸化炭素などの有害危険性のある物質が出ない。
○核融合反応の起こりにくさという点から原子力発電のように核爆発の危険性がない    夢のエネルギーである。
 また、現在エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っており、日本のエネルギー自給率はわずか5%ぐらい、すなわち残りの95%を海外からの輸入に頼っているというお寒い状態なのである。この状態では海外の情勢が変われば日本のエネルギー事情は大きく影響を受けてしまう。ガソリンの料金が高騰したのも記憶に新しいところである。


核融合で材料として使うものはすべて海水中にある。日本は四方を海に囲まれた島国であるから、材料はすべて自前で調達できる。このことは非常に大きい。現在核融合は急速に発展を続けている研究の一つだ。今後核融合の研究が進めば、人類はエネルギーの心配をする必要がなくなり、人類の繁栄は100年どころか1万年すら見えてくる。このように、核融合の研究は人類の存続をかけた、道程は長いが我々にとって現在最も重要な研究と言える。

2009年2月13日金曜日

免疫の話


毎年2月に入ると花粉症の季節になる。20代後半からの長い付き合いであるが、年とともに感受性が鈍くなって、昔のような激しい発作は無いが、それでも薬は欠かせない。花芽吹く季節で好きな季節ではあるがこいつのために心が晴れないのである。進化する人間の宿命である花粉症やぜんそくなどのアレルギーは20世紀後半、先進国で激増。花粉症だけで3800万人もの日本人が患う国民病となった。急増の原因は花粉・ダニの増加、大気汚染と考えられてきたが、「病の起源」によると意外な原因があることがわかってきた。    

アレルギーを引き起こす原因として、花粉・ダニの増加、大気汚染だけでは、説明できないデータとして、日本では昭和30年以降に生まれた世代に、急激に花粉症・ぜんそくが増えている事が上げられていた。その原因は、何と牛や馬などの家畜の糞から発する成分である「エンドトキシン」という細菌に触れていない事がその要因の一つとしてあげられるそうだ。人類の起源である、ほ乳類がもつ免疫細胞IgEによって細菌やウイルスから体を守ってきた。そして、その免疫を正常に働かせるには、生後1年ぐらいまでに、「エンドトキシン」に触れる必要がある事が最近、わかってきたとの事である。つまり、清潔な社会で人が育つと、「エンドトキシン」に触れないため、免疫システムが花粉などを細菌と誤って判断して、過剰に反応し、アレルギーが起きるという訳である。急激に発達した文明に、皮肉にも、免疫システムは、ついていけず、人類は病を起こす宿命にあると言うのだ。


最近見た NHKスペシャルでは~2億年目の免疫異変~としてこのことが報じられていた。 ヒトの免疫システムが完成したのは2億年前。ほ乳類にはは虫類のようなウロコや固い皮膚がなく、外敵の攻撃を受けやすかった。しかし新しい免疫システムを獲得したほ乳類は、IgEと呼ばれる免疫物質によって外敵を撃退できるようになっていた。細菌やウイルスなどに対する強力な武器、免疫システム。今何故ヒトに襲いかかるようになったのか、ほ哺乳類誕生時に起源をさかのぼり、アレルギー急増の謎に迫る。免疫学専門の韓啓司先生によるとアオカビからペニシリンが発見されて以来、人類は飛躍的に寿命を延ばしたが、抗生物質は身体に入ってきた異物(ウィルス)を殺すものであって、病気を治すものではない。病原菌を抗生物質が殺し、病原菌の悪い作用が無くなった後、人体を正常に戻すのはその人の力。つまり、免疫力なのだそうな。自分以外の異種物質や細胞などに対して戦うわけである。

ガン細胞はすべての動物に平等に一日に三千個程度発生する。ガン細胞とはDNAのコピー異常で、間違ったコピーはNK細胞と言う免疫細胞と溶け合い排除される。免疫が正常な人のNK細胞は一億以上あるので、十分に異常コピーをすべて退治できるのだが、何らかの理由で免疫力が落ちていると対応できずに、それが育ち、ガンとなって発症する。ガン細胞はとても強い細胞で、他の人体を構成する正常細胞よりも強い。抗癌剤はその生命力の強いガン細胞をも殺すような薬なので、正常細胞などひとたまりも無くやっつけられてしまう。ガン治療をしている人が死ぬのは、ガンそのものと言うよりも、正常な細胞が薬のせいで持たなくなって死を迎えると言う場合が多い。
ガン治療に限らず、現代医学は対症療法。これは、痛ければ痛み止め、痒ければ痒み止め、咳が出れば咳止め、などといったように症状を緩和させるだけの働きしかない代替療法。真に病を治すのは、自分の免疫力と再生力であると締めくくる。

人類は長い間飢餓に苦しんでいた。その間に出来上がった倹約遺伝子が、今の飽食の時代に適応できないために発病するのが糖尿病。そして私もその予備軍にいる。ゆめゆめ食い過ぎないように務める日々である。

2008年8月1日金曜日

悲しきわが地球








水の惑星地球、そのうち97.5%までが海水であり、残りの淡水も2.5%は極部の氷河。その氷河も地球の温暖化による縮小が進んでいる。人間がすぐに生活用水として利用できる水は、全体のわずか0.01%で、地球上で偏在している。一方、人為的な森林伐採すなわち農地や牧場への転換、商業伐採、薪炭採取、焼畑などで地球の砂漠化は年々進み、水資源の枯渇に拍車をかけている。
これら砂漠化の要因の9割は人間の仕業で1割は自然の仕業であると、UNEP
は警告している。





2008年時点での人口が66億人。この数字は、2025年には80億人にまで増えるであろうといわれている。その中で8億5千万人が飢餓に苦しんでいるという。その多くが発展途上国である。日本は世界一の食糧輸入国であるが、小麦1キロの生産につき1トンの水が必要とされる。牛肉1キロの生産につき7キロの小麦が必要とされているため、我々は肉1キロを食べるために、海外から7トンもの水を輸入しているということになっている。






いまエネルギー、食糧、水といった3大資源が、それぞれ難局に向かっている。
水の濫用が日本人に、そして地球全体にどのような影響を及ぼすのであろうか? その豊かな流れで4000年ものあいだ穀倉地帯を潤してきた黄河も、15年ほど前か ら海まで河の水が届かなくなってしまう「断流」という異常事態に直面している。
日本が輸入穀物の8割以上を依存しているアメリカも、実際は農業用水の深刻な不 足に頭を痛めている。供給元の地下水の保水量が何十年か先の枯渇に左右される状況だ。日本も食糧需給率を上げるため、空洞化した農地をどんどん活性化し、農業復活に政策転換していかないと、ヤバイことになりそうだ。
TVでは大食いを賞賛するようなものや、グルメ番組がやたらと多いが、他力本願の飽食の時代に浮かれていると、その先に待っているのは飢餓地獄である。やがて人類の未来図はエネルギー、食糧、水の奪い合いになるであろう。

今先物投資の対象になっている資源は価格暴騰の潜在性を露呈している、原油や穀物の相場が、行き場を失ったオイルマネーやヘッジファンドの投機マネーによって先物相場を吊り上げており、その先に待っているのは水の先物であろう。まさに水相場だ。


そんな中、世界各国で原油値上げによる窮状を訴える運動が漁民や運送業者の間でわき上がっている。まさに世界中が悲鳴を上げている。
市場経済のもと実勢経済から解離したマネー経済がまたもやバブルを膨らませているが、バブルは必ずはじける運命にあり、後に来るのは相場の暴落である。アメリカのサブプライムローン破綻に端を発した金融危機は、やがて未曾有の世界大恐慌へとステージを変えていくのだろうか?それもアメリカの金融政策の舵取りにかかっており、舵取りを間違えると、ドルに支えられていた世界経済の基軸の崩壊が始まり、アメリカ中心の政治経済の脱却からやがて世界の多極化が進んで行くだろう。

その時アメリカどべったりの日本の経済に与える影響は計り知れない。

2008年7月10日木曜日

動物愛護の狭間で





我が家にはラッキーというミニチュアダックスフンドがいる。メスの3歳である。
もともとあまり犬の好きな女房ではなかったが、子供たちが独立してからは、心にぽっかり空いた風穴を埋めるために飼うようになった。
この犬も家族の一員であるが、その仕草は人間並みで、あくびはするは、ため息はつくは、 屁はするは、ゲップやくしゃみは日常茶飯事で表情も豊かである。

 昨今、国際捕鯨委員会での捕鯨国と反捕鯨国との溝は深まるばかりだ。クジラを食べる国とそうでない国とのしのぎあいで、沿岸捕鯨をやっているアラスカなどの先住民は捕鯨を認めて、日本のような商業捕鯨の形態の国は、歴史の長い小型鯨の沿岸捕鯨さえ認められない現状がある。鯨類捕獲調査は国際捕鯨取締条約に基づき実施しているが、調査捕鯨反対の急先鋒のオーストラリアなどは自国のカンガルーを殺して食べている国だ。反対国の多くが牛などを屠殺場に送り込んでいる。それを食っている人間たちがクジラを捕る国を批判するのは偽善的にも見える。
もちろん乱獲は生態系を脅かすが、それ以上に海洋上の種の偏在は生態系に影響を及ぼす。
海洋食物連鎖の頂点にいるのは、クジラ、シャチなのだから。

欧米から入ってきたゲームフィッシングというものがある。一番ポピュラーなのがバスフィッシングである。当初芦ノ湖に食用として放たれたこの魚は、今や釣っては放す、キャッチアンドリリースのターゲットになっており、全国の湖沼にその繁殖力の旺盛さから数が増え続け、在来種の魚を食いつくすため漁業に深刻な影響を与えている。
今では各地で関係者が駆除をはじめているが、料理法によっては食べてまずくはない魚である。魚の命を半殺しのようにもてあそび、放つのはどうかと思う。釣って成仏、食べて功徳の釣りの世界であろう。