2009年3月22日日曜日

地球環境を救うもの


人類が20世紀にやったことの一つに地球環境の破壊があり、その結果自然現象が大気汚染、酸性雨、異常気象、オゾン層破壊、森林破壊、土壌枯渇、生物種の絶滅(一日に100種類)として現れている。地球温暖化、ダイオキシン・環境ホルモンなど有害物質の発生等々、地球環境の破壊が進行している。特に、大気中のCO2濃度の上昇が地球温暖化に大きく関わっていると言われて久しい。石油を地下から取り出しエネルギーとして使うと、CO2と水ができる。現在石油の燃焼で年間約60億トン、森林の伐採と燃焼で約10億トン、合計70億トンのCO2が放出されている。大気中に自然に存在する炭素量(CO2)は約7000億トンであるから、年に1%も量を増やしているわけで、このままで行くと、100年で二倍になる。CO2濃度が二倍になると、平均気温が約2・5度上昇し、海水面が60cm上昇することが言われている。




そのようなことが叫ばれている時に、エネルギー効率の良い我が国が議長国となって始まった京都議定書は2005年に発効し、全世界の二酸化炭素の排出量削減の目標を掲げてきたが、最大の排出国であるアメリカが自国のご都合とご利益のため離脱している。日本の場合は1990年に省エネはほぼ完成しており、さらに6%削減するのは相当困難だと言われている。(最近の実績では+7.8%となっている) それにしてもこの議定書で決めた各国の削減量が達成された時に、温暖化は本当にストップするのであろうか疑問が残る。日本の場合何兆円という大金を払い排出権を他国から買うことに何の意味があるのか、温室効果ガスを減らすのに本当に役立つのか誠に疑わしい。地球温暖化は温室効果ガスによるもので、このガスを減らせば温暖化の危機は回避できるという考えが大衆の頭に刷り込まれているのが現状である。




1997年、日本が音頭をとりCO2ガスを低減し地球温暖化を回避しようという京都議定書 なるものが世界に提案されたがその後の経緯を見ると、その理想とかけ離れた各国の国益をかけた駆け引きが目に付き、さらにこれをビジネスに利用しようという投機筋の動きが活発になっていることに気がつく。実体のない排出権をめぐって排出権の転売、証券化、その証券の更なる証券化と金融商品の複雑化が進み、サブプライム・ローンにおける債務保証債権と同じように、バブルへの道を進みついには買った排出権が紙くずになるという懸念もある。

 
もうひとつ人類がやったことは有限の地球で、石油経済のもと経済の基盤を大量生産・大量消費の成長志向に置き、成長神話にとりつかれ、大量生産・大量消費・大量廃棄のシステムで、史上かつてない豊かさを手にすることができた。
20世紀の初頭、16億人だった世界人口は現在60億人にふくれあがり、農業の生産量は約7倍、鉄鋼は約20倍、アルミニウムは約4000倍という。有限の資源は使えば使うほど減少し、かつて存在した森林の40%、利用可能な石油資源の50%を消費してしまった。現在のままのやり方を続けていれば、間違いなくエネルギーは枯渇し、地球は廃棄物とゴミで埋まってしまうだろう。(現存する人工物のほとんどは、21世紀中に寿命を迎えるという。)




あと100年持たない石油資源に見切りをつけ代替えエネルギーとして注目されているのものが2つある。ひとつは太陽エネルギーもう一つは核融合である。太陽エネルギーは太陽光発電、風力発電、電気自動車などに使え、これを大々的にやり、21世紀のニューディール政策を画策するオバマ大統領の太陽経済の幕開けは日本にとって大きなチャンスである。太陽光パネル、風力発電、水力発電、電池、超伝導など、日本の技術は世界の先端を行っているので、いよいよ日本の出番が来ることは間違いない。


もう一つの核融合による発電の考案は、科学者たちの間で「夢のエネルギー」だと大変な盛り上がりをみせた。それは、核融合には人類の救世主たるだけの素質が存分にあったからだ。以下に示すと、
○核融合は海水中の物質を材料として使うため資源の枯渇という心配がない。
○発電によって二酸化炭素などの有害危険性のある物質が出ない。
○核融合反応の起こりにくさという点から原子力発電のように核爆発の危険性がない    夢のエネルギーである。
 また、現在エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っており、日本のエネルギー自給率はわずか5%ぐらい、すなわち残りの95%を海外からの輸入に頼っているというお寒い状態なのである。この状態では海外の情勢が変われば日本のエネルギー事情は大きく影響を受けてしまう。ガソリンの料金が高騰したのも記憶に新しいところである。


核融合で材料として使うものはすべて海水中にある。日本は四方を海に囲まれた島国であるから、材料はすべて自前で調達できる。このことは非常に大きい。現在核融合は急速に発展を続けている研究の一つだ。今後核融合の研究が進めば、人類はエネルギーの心配をする必要がなくなり、人類の繁栄は100年どころか1万年すら見えてくる。このように、核融合の研究は人類の存続をかけた、道程は長いが我々にとって現在最も重要な研究と言える。

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