2009年11月23日月曜日

国家予算の大掃除


官僚支配に代わる国民主権の統治構造を作るのがこれからの日本政治の課題であるが、歴史上、明治政府が徳川幕藩体制に代わる統治の仕組みを作るまでに22年かかった。政権交代の終わった今回もそのぐらい時間がかかりかねない予兆が、混沌とした旧体制と民主党のせめぎあいの現況にある。


資本主義国家とは言え、社会主義国家のような国日本。社会主義とは「官僚が力を持って計画経済ならびに国政を行う体制である。官僚主導の政治体制を政治家主導の政治体制に置き換えていく困難な作業が今民主党の手で進められている。


国権の最高機関と言われながら官僚機構の手のひらに載せられてきた国会を本物の最高機関にする改革に取り組むことが民主党に求められている。


その第一歩が事業仕分け作業であるが、連日テレビでワイドショーのように公開され、今まで国民が知らなかった財政支出の一部が、白日の下に明らかにされて行き、必殺仕分け人が1案件1時間と言う異例の速さで作業が進んでいく。
国民にとって心地の良いテンポであるが、十分に議論されないまま、仕分け結果の予算への反映が不明確で、どう変容していくかは国民の興味のあるところである。





その流れをみると

.評価作業の判断基準は対象の事業の必要性であるが、それが本当に社会から  求められている事業かどうかを判断し、不要となれば対象から外される段取りになっている。

.その事業の担い手については、国が担うべきものか地方が担うものかを判定する。

.来年度予算に直ちに入れなければならない緊要性の判定。

.内容や手法への評価では、事業の内容・組織・制度等に改革の余地はあるのかどうかを議論し、ここで了となっても、

「改革」として、さらなる改廃、改善が探られる。

.予算規模の検討をして予算の大きさの必要性を評価し、場合によっては縮減をするという選択肢が採られる。



これら事業仕分けは始まったばかりであるが、細部に当たっては賛否両論、喧々諤々の議論が飛び交っているが、振り返ってみてこの時代のそれぞれの選択が正しかったかどうかは、のちの歴史的評価に委ねられるであろうが、これらの作業によって少なくとも不要な多くの天下り法人の整理が期待されている。
とりあえずは一国民として民主党の活動を見守って行くしかないだろう。

2009年11月14日土曜日

第4回鎌倉芸術祭


古都鎌倉で始まった鎌倉芸術祭は、芸術に造詣の深い人々が多く住む鎌倉で、市内の寺社や画廊などで行われる多くのイベントを、まち全体をアート会場として市内外の人に楽しんでもらおうと企画されたもので今年で4回を数えることになる。




音楽や美術、映像など様々なアートイベントを結びつけて秋の鎌倉を盛り上げる「鎌倉芸術祭」であるが、開催期間は10月4日(土)から12月5日(金)まである。
「鎌倉ルネッサンス」をテーマに、今年は鶴岡八幡宮の「ぼんぼり祭」回顧展が行われるほか、建長寺を始め円覚寺などでおこなわれる恒例の宝物風入れの中で、今年は鎌倉彫とかかわりの深い円覚寺において鎌倉彫の業界関係の作家26人展も開かれ、私も参加させていただいた。




この芸術祭の主催は(財)鎌倉市芸術文化振興財団。後援に鎌倉市、市教委、鎌倉商工会議所、市観光協会。寺社や市観光協会などのメンバーからなり、鎌倉芸術祭実行委員会では、「鎌倉ゆかりのアーティストたちのイベントを、秋という季節の中でゆっくりと楽しんでもらおう。」という趣旨の企画である。
これも地域活性化の好例でもあり、今後の定着を望むところである。

2009年11月11日水曜日

アートな話 図案の原点 






画像1
 



 1960年代にフランスの数学者マンデルブローにより導入された幾何学の概念に、部分が全体と相似(自己相似)となるような相似形の図形にフラクタル図形というものがある.
マンデルブロー集合という終わることのない無限に込み入った複雑な模様は、デザインの世界でも多く見られる。人によってはこれを神の原理を発見したものと言っている。そしてマンデルブローは「自然はフラクタルである」、つまり自然の形成原理は「自己相似性にある」と言っている。一度フラクタルの目を持つと自然界の至る所、そして宇宙にもフラクタル図形を見いだす事ができる。良く観察すると、どの一部にも全体の構造が見出せるのである。樹木の分布、神経の樹状突起、、血管分布、大脳の溝、リアス式の海岸線や雲の形、ブロッコリー、玉ねぎ、宇宙の構造・・・などなど・・に見る事ができる。
例えば画像1の図形の全体構図をそれぞれに枝に置き換えてみると図形のようになっていき、更にその小枝に全体の構図をどんどん置き換えてゆくと、図のようなデザインが完成する。
画像2

宇宙の構造を密教では曼荼羅(まんだら)というフラクタルな図形で表現している。マンダラとは古代インドのサンスクリットが原語で「本質を表示(表現)せるもの」と言う意味で、どちらも中心に座すのは「大日如来」と言う宇宙最高仏となる。 マンダラの原理は「中心の原理」と言う常に変わらない原理の中にある。
宇宙と人間(小宇宙)と言う概念を密教では「私達人間それぞれに大宇宙が含み込まれており、この自分が宇宙そのものであり、宇宙そのものが自分自身である」と教えており、これは正にフラクタルの概念である。



同じことを仏教では「三界(現世)は唯心の所現」と表現している。これは、この世の一切の現象は自分の心が作り出した仮想の世界で、自分の想念を変える事で世の中(仮想の世界)はいくらでも変える事が出来ると言っている。数千年の歴史を有している仏教(近代科学はたかだか百数十年であるが)の仏典とも言える「般若心経」はキリスト教の聖書に当るものだと言える。般若心経の中では「色即是空・空即是色(しきそくぜくう・くうそくぜしき)」と教えている。ここで言う「色」とは宇宙の森羅万象、あらゆる物質存在を指しており、「空」とは宇宙(空間・真空)の事で、 つまり「この世のあらゆる物質存在(色)を生じさせている究極物質こそ空間(空)であり、万物(色)はまた空間(空)に還ってゆく」と言及している。




画像3

さて、我々になじみの深い画像3の唐草模様であるが、紀元前から世界各地で存在しており、これもフラクタルな要素を秘めている。唐草は古代エジプト時代に始まるといわれている。自然界の渦や蔓草などから発生した古代の唐草文様はシャーマニズム(呪術的、霊的な思考形態)から発し、古代エジプトからは睡蓮の唐草、神秘の蔓はペルシャ、インド、中国を経て日本にたどりつく。悠久の歴史のなかで一方ではロマネスク、他方ではアラベスクへと変容していく唐草は人々の目を魅了する力をもった文様でもある。19世紀末に文様史研究の口火を切ったオーストリアの美術史家アーロイス.リーグルは、唐草創造の長いプロセスを要約しながら、唐草は古代エジプトにおいてロータス(水連)から出発したのではないかと指摘する。そして、紀元前2000~1400年ごろの石碑や食器に側面系のロータスの花が文様として使用されていることなどから、そのロータスの側面系の萼とロゼットの正面系の花冠が融合しエジプト様式のパルメット唐草が完成してゆくという仮説を立てた。上の画像の最後にに唐草文のバリエーションを載せてみたので見ていただきたい。

2009年11月7日土曜日

女の処方箋


 このところ女性が男性をだます結婚詐欺のニュースが目に付くようになった。周辺で次々男性が不審な死を遂げた東京都の無職の女(34)や鳥取県の元ホステス(35)の手口の似たような事件だ。これまで結婚詐欺師といえば男が殆どというイメージがあるが、女の結婚詐欺師はインターネットの普及と共に急増し、ネットの結婚紹介所や出会い系サイトと称する所などを通じて被害が拡大している。いわばこれらのウエブサイトは犯罪の温床地帯でもある。


総額1億円の結婚詐欺容疑で逮捕された34歳の女は、インターネットで自分を「学生」「介護ヘルパー」などと自己紹介。ハンドルネームを使い分け、一度に複数の男性と交際。「学費が未納で卒業できない。卒業したらあなたに尽くします」などと結婚話を持ち掛けたという。金が口座に振り込まれた後は別れ話を切り出した。相手は40代から70代と幅広く、70代の男性は7400万円も渡していたとされている。いずれの男性とも独身で、女性との交際や結婚を真剣に考えていた人ばかり、だった。そして交際した数人が不審死を遂げている。ある弁護士によると女の結婚詐欺師は「街頭の売春婦」と同じであると言っている。


練炭による一酸化炭素中毒、睡眠薬。数々の疑惑点が殺人の線にどう結び付けられるか警察が調べを進めているが、事実とすれば怖い話だ。女の写真が一部新聞や雑誌に出ているのを見たが、今は亡き横綱によく似た顔をしており、だれが見ても食指の動くようなご面相ではない。
30代40代の男女未婚者は世間では年々増えてはいるが、女の30代は我々男から見ると一番脂の乗った女性の旬の年代でもある。知ってか知らずかこの女も自慢の料理による“極上サービス”と男心を手玉に取る「ウソ」で男から金を巻き上げて、用済みの男たちをまるでパソコン上の削除のように消していく。とくに独り者の中年男性はターゲットになりやすい。人当たりがよく、口のうまい女 は要注意!「くわばら、くわばら」
不審死を「自殺」から「殺人」へと見方を改めて捜査を進める警察当局は、少ない物証の中、現在取調室での女との攻防が続いている。

古今東西、女が犯した殺人事件は相手が苦しんで死ぬ所を見ずに殺せる、放火や睡眠薬など古典的な手法が多いところだが、相手の死を見ないで犯す犯罪は罪悪感が希薄になることで、次の犯罪を誘発するようだ。