2013年以降の枠組みに関する日本の立場は終始一貫している。中国などの新興国が求める京都議定書の延長には絶対反対。議定書は新興国が対象外で、米国も批准していない不平等な内容のため、13年以降は、すべての国に削減を義務づける新たな枠組みを作るべきというのが日本の立場である。
2005年に発効した京都議定書は08~12年を「第1約束期間」とし、各国に温室効果ガス排出量削減目標の達成を義務化した。現在は13年以降に「第2約束期間」を設け、削減義務を延長することが議論されている。新興国からは法的拘束力がある議定書の延長を求める声が強いが、批准していない米国や新興国扱いの中国など主要排出国には削減を義務づけられない。
欧州では順調に削減が進み、目標達成の目処が立っている。しかし主要排出国の米国が参加しておらず、また先進国のカナダが目標達成をあきらめたり、日本が削減義務達成に失敗しそうな情勢になっている。途上国の排出量を抑制する道程も定まっていない。
上図のようにCO2排出シェアは、 日本4% 米国19% 中国22% で、全体の73%が削減義務のない国である。温室効果ガス排出量に関して、義務を負う国と負わない国が偏在している。 日本は目標達成の義務を負うが、排出量が2008年世界第1位(シェア22%)の中国は目標達成に義務を負わない。各国の削減目標が、公平な削減目標になっていない上に、義務を負う国にのみ負担が発生する。世界で最も省エネの進んだ日本が、削減目標達成のためには大量のクレジット(排出枠)を海外から購入する必要がある上に、達成できなければ、クレジット(排出枠)の購入もできない上に、より多くの削減目標を設定される。
日本はオイルショック以降、技術開発、省エネ投資等の先行努力を他国よりもしてきたので、日本の限界コスト(中心値)は、他の先進国の1.6~1.9倍と高い。後先も考えずに削減目標を25%と大ボラを吹いた首相もいたが、噴飯物である。
新興国側の主張の根幹には、先進国が歴史的に温室効果ガスを排出して経済成長を遂げたという認識があり、「これから経済成長する新興国には当然、排出の権利がある」とする中国側は、すでに世界2位の経済大国となっているにもかかわらずこの認識を保持しようとしている。これに対し、米国のオバマ大統領は「中国やインドのような新興国の役割は重要。彼らは自らの責任を真剣に理解しなければならない」と指摘。新たな枠組みづくりよりも新興国が足並みをそろえるかどうかに関心を寄せる。しかし議定書の枠組みから抜けた米国がもっともらしいことを言う前に、削減義務を果たさずに中国に意見を言っても効果はない。議定書延長問題への対応も微妙で、賛否の積極的な意見表明もみられない。責任の押し付け合いが際立つ構図だ。
洪水と干ばつ |
「現在、0.6℃/100年という上昇率で、地球温暖化は確かに起きている。しかしそれは、氷河期と間氷河期の繰り返しの中で起きているもの。現在進行中の温暖化の大部分は、地球の自然変動であり、人類活動により放出された炭酸ガスの温室効果によるのは、わずかである可能性が高い。」と言っている学者( 赤祖父 俊一氏)もいる。
対立する両者の論点を見ていると、正直まだ研究途上の温暖化議論で、そう単純に結論の出ないのが現状ではなかろうか?。
いずれにせよ地球全体で地上気温が高くなると、人間生活に重大な影響を及ぼすおそれがあることは間違いない。考えられることは地球温暖化によって生じてくる気候変化が起こすものとして、乾燥・半乾燥地域での砂漠化の進行 、集中的な降水の増加 、海水の熱膨張による海水面の上昇 、積雪域・凍土の縮小などが進行し 、その結果生じてくる現象として、森林の衰退(特に半乾燥地域) 気候帯が数100km極方向に移動 環境の変化に適応しきれなかった種の絶滅 海岸線の変化 などである。
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