2011年6月14日火曜日

アートな話「モナリザ」

Art is long,Life is short.芸術は長く人生は短し.(ピポクラテス)

レオナルドダビンチの傑作モナリザは時を経た今でも永遠に微笑み続けている。未完の名画とも言われている.フランスルーブル博物館所蔵の門外不出のこの絵画は過去に3度博物館から移動している。最初はルーブル美術館に出入りしていたガラス職人による盗難。二番目は米国への貸し出し。3番目は日本への貸し出しである。

最近NHKのBS歴史館 「モナリザはなぜ海を渡ったのか?」というテーマの番組を見た。

時は東西冷戦の真っただ中の、キューバ危機で米国が旧ソ連とにらみ合っていた時期である。米ソ2大国の冷戦が緊張の度合いを増す中、当時フランス大統領ドゴールは、第2次大戦でドイツに占領された苦い経験から、戦後の国家体制は核を保有することで大国と同じテーブルで外交交渉に、対等に望めるとして核の保有に全力を注いだ。米国、ソ連、英国、に次いで核実験を行うが米国の抵抗にあう。そしてフランスの核実験の4年後には中国も核実験を始めた。

核拡散を防ぎたいアメリカと核武装をして発言権を得たいフランスのせめぎ合いの中で、フランスがアルジェリアのサハラ砂漠で核実験をした翌年1961年、ケネディーが夫人を伴い訪仏。この時ドゴールは、腹心の文化相アンドレ・マルローにジャクリーヌ夫人をルーブル美術館に招聘し、この世界的に有名なマルローに取り入らせた。

亭主を落とすには女房から懐柔するといった古典的な手法で、夫人を取り込んだ訳である。ジャクリーヌ夫人はフランスの知性マルローをいたく気に入り、作戦は見事成功した。

翌年ドゴールは、フランス国民の反対を押し切り、初めて海を渡ったアメリカ国立美術館でのモナリザ公開を実現させた。当時米国では2か月間で170万人の観客が押し寄せたそうだ。そのようないきさつで、米国もフランスの核保有を黙認する形となったのである。まさに名画を政治の切り札に使ったモナリザ外交である。

この公開の最中のドゴール大統領は次のように大見得を切った。

『今やアメリカの核戦力は世界平和を保障するものになっている。しかし、この核戦力がヨーロッパやフランスの危機に必ずしも迅速に使われる保証はない。それゆえに、フランスは独自の核戦力を持つことをここに宣言する。』

実行力のある政治家の言葉は重い。どこかの国の口先3寸の出来もしないことを軽く発言する首相の面々とは違う。この言葉の端には米ソに負けない大国になろうとするフランスの思惑が感じられる。そして翌年我々はニュース報道で歴史の大きな転換を知る。ケネディーの暗殺である。その裏に隠されたマリリンモンローとの逸話がMr.presidentに花を添える。

左はIMF専務理事ストロカーン

さて余談になるが、現代のフランスにおいては、次期大統領の呼び声が高い 国際通貨基金(IMF)の専務理事、ストロスカーン氏。現サルコジ大統領とはりあっているが、強姦未遂で次期大統領選を棒に振った女好きを自認するこのおっさん。写真は2009年にピッツバーグで開催されたG20サミットの場面で、スケベったらしい顔でミッシェル婦人に近づこうとする所を旦那のオバマに手を払われている。

歴代のフランス大統領は女で浮名を流しているが、今回のスキャンダル、何もホテルの客室従業員に手をつけることはなかろうに、いつの世も男の業は尽きることはない。「歴史の裏に女あり」とはよく言ったものである。

2011年6月10日金曜日

脱原発


地球生誕から46億年が経ち、今から200万年前に人類(ホモハビルス)が誕生し石器を造った。やがて人類の遠大な歴史の中ではごく最近に当たる200年前にイギリスで産業革命が起き、それを支えるエネルギーを化石燃料から手に入れた人類は、やがて産業の発達とともに、石炭から石油、石油から原子力という究極のエネルギーを手に入れた。

ところが2011年に北半球に位置する小さな島国で、人類が未だ経験したことのない大惨事が起きた。巨大地震による衝撃的な揺れと津波で、原子力発電所が破壊された。その名は日本(福島)、今や世界中の目がこの福島に集中してしている。現在廃炉に向かって作業中であるが、その道程は長く険しい。


原子力エネルギー政策は、好むと好まざるをにかかわらず、歴史的使命を終えたのではないか。今後、稼働中の原子力発電の耐用年数(40年)が過ぎた順番で運転を停止し、危険極まりない地震列島に位置する原子炉は徐々に廃炉にしていき、原子力に代わるエネルギー政策に変換する必要があるだろう。

今までに蓄積されてきた原子力に伴う核廃棄物の処理も一筋縄ではない。これらに伴う管理コストは安い生産コストを圧倒的に押しやることが分かり、結局高くて危険なエネルギーであることが分かった。
特に核廃棄物の処理において、大量の低レベル放射性廃棄物と、高レベル放射性廃棄物の発生に伴い、特に高レベルのものはガラス固化するものの、半減期数万年のウラン235やプルトニウム、マイナーアクチニド (MA) と高発熱量核分裂生成物 FP が混入しているため、冷却しながら30年、その後数万年という気の遠くなるような時間をかけて保管が必要になる。


太陽光(熱)発電、地熱発電、風力発電、波浪発電等の地域分散型発電など人畜無害の自然エネルギー政策への転換も取りざたされているが、太陽光発電では原子炉1基分の100万kWの電力をつくろうとすると、山手線の内側と同じくらいの面積にソーラーパネルを敷き詰めるという話で、地理的に問題があるし、地熱発電も国定公園内がそのエリアにあるため規制がかかる。風力発電も局地的で大規模な発電には至らない。また波浪発電も自然まかせで安定した電力が得られない。もっぱらの頼りは従来の火力発電水力発電だが、、、。

少子高齢化による人口減少、省エネ社会の日本で電気の使用量が下降線をたどると言われている中、福島原発事故後のエネルギー事情は変換を余儀なくされるだろう。全国の原子力発電所54基のうち、35基が停止している現状で、現在運転中の19基も来年夏までには定期検査の時期を迎え再稼働しなければ全部が停止する。いったん止まった原発の再稼働は地元の了解を得なければ困難な状況下で、今後原子力発電に代わるエネルギーをどこに求めるべきか?

ここに脱原発後のエネルギー資源について各方面から興味深い提案が発信されているので3つほど抜粋してご紹介しよう。

東京湾にあるLNG火力発電所

提言1

 作家広瀬隆氏は最もクリーンで世界の発電のエースであるLNG火力を増設するべき と言っている。電力会社としては、LNG(液化天然ガス)火力発電所を増やすことを勧めている。
LNG火力というのは、現在、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた「ガス・コンバインドサイクル」として完成している。この発電設備は、火力のなかで最もエネルギー効率が高い。じつは原発のエネルギー効率は驚くほど低く、わずか30%だ。電気にならなかった残りの70%は、温排水として海を加熱して、自然破壊を進めている。一方、従来型火力は45%まで、そしてガス・コンバインドの熱効率は実績で60%まで高まっているという。

しかも、この方式ではタービンでLNGを燃焼させた後に、何度も排熱を回収してエネルギーを発電機に送るため、熱効率は原発の2倍なのに、排熱量は2分の1に抑えられる。ほかにも、天然ガスはクリーンで地球環境に最もやさしい、小型なので設置に場所をとらない、電源を入れてから1時間で起動できるので消費量の変化に追随できる、という数々のメリットがある。

 原発がなければ経済成長できないと考えるのは大きな誤りで、これがいま世界の趨勢なのである。日本の電力消費は、家庭用が3割弱で、残りの7割以上を産業用と業務用が占めている。しかも、日中は家庭にあまり人がいないので、ピーク電力の問題はほとんどが産業用・業務用の問題だと氏は提言している。

提言2    

資源エネルギーを他国からの輸入に頼っている国家、日本。ところが、ある資源によって日本が資源小国から資源大国になれる可能性がある。
平成13年7月に発表された「我が国におけるメタンハイドレート開発計画」を実現するため、平成13年度、官民学共同のメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(通称:MH21)が組織された。

メタンハイドレートは天然ガスの原料となるメタンを水の分子が取り囲んだ状態の固体結晶。永久凍土地帯や大陸縁辺部の海域に高圧低温の条件下で生成され、火をつけると燃えるため「燃える氷」といわれる。燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量は石炭や石油に比べると半分程度で、地球温暖化対策にも効果的な新たなエネルギー源として注目されている。

日本近海の東部南海トラフだけで日本の天然ガス年間消費量の13・5年分に相当する約1兆1400億立方メートルの存在が確認されており、現在のガス田の埋蔵量ランキングにあてはめると世界20位程度に位置する。(上の写真は日本近海のメタンハイドレート分布図と下はその物。画面上赤い個所が埋蔵量の多いところである。)
しかし採掘コストが高いことなどから、太平洋側南海トラフよりも日本海側の佐渡近海がメタンハイドレートの結晶が固まっていることが分かっているので注目されている。
また近年問題の竹島近海でも発見されているので韓国が領有権を主張している。そして東シナ海にも存在するため中国が狙い漁っている。


渡邉教授
提言3       


 筑波大学大学院、渡邉信(まこと)教授の進めているバイオエネルギー藻類が日本の救世主になると教授は力説している。

世界にも注目される、大量の石油を生む特別な「藻」の大発見!これまで海外で、いくつか石油を生む藻の発見はあったし、現に米国もクリーンエネルギーとして1000億円以上の事業投資をしている。米国では藻類を原料にしたバイオ燃料を開発するベンチャー企業が続々と登場。研究室レベルのものから、大規模な培養を試みるものまで様々あるが、実用化は5~10年後といわれる。すぐにビジネスになるような話ではないが、産業界の藻類への関心は並々ならぬものだ。
左からボトリオコッカスとオーランチオトリウム


しかし、藻のスペシャリストの教授が発見したのは、これまで発見された藻をはるかに上回る量の石油を生み出すという関係者しか知らない極秘の藻(オーランチオトリウム)は、従来の藻(ボトリオコッカス)と違い光合成を必要とない藻で、原油(炭化水素)を効率的に作ることが出来き、生産能力はボトリオコッカスの10倍以上になる。日本が年間使用している原油量2億トンを生産するのに2万ヘクタールの土地があれば生産できるらしい。研究チームの試算では、深さ1メートルのプールで培養すれば面積1ヘクタールあたり年間約1万トン作り出せるためこの試算になる。
もともと原油は藻類が長い年月を経て堆積したもので、原料は同じことになる。ただ生産コストがかかるので、生産ベースに乗せるプロジェクトを国内企業50社が藻類産業創成コンソーシアムという組織を立ち上げて10年後をめどに実現をめざしているところだ。

地球が何億年もかけて作った石油を、科学の力により短時間で効率よく生産する革新的なプロセス、その上、付随した石油製品の数々も生産できる石油の代替品である。
成功すれば日本は産油国になり250兆円以上の市場が待っているという遠大で夢の多いプロジェクトである。世界のパワーバランスさえ変えてしまう新しいエネルギー循環に期待したい。

  ■渡邉教授が熱く語っている動画

2011年6月7日火曜日

魑魅魍魎の政界

やっと国民の手で政権交代を実現したと思っていたら、内部の主導権争いの果てに菅・仙谷グループが、不毛な小沢切りに暴走した事から民主党はおかしくなった。今回の大震災後の無為無策と情報操作により、国民からも民主党内部と野党からも内閣不信任をたたきつけられた管内閣。いまや民主党は政権奪取からわずか2年で崩壊の憂き目にあっている。


すでに衆院議員16人が会派からの離脱を表明し、1人が正式に離党を宣言しており、統一地方選を控えた県議、市議は雪崩を打って公認を返上しはじめている事は周知の事実である。民主党は参院選、衆院補欠選に続いて地方選でも連戦連敗。地方首長選では候補者を擁立できず不戦敗が増えた。

誰もが菅内閣に見切りをつけ、民主党の崩壊を覚悟しはじめている状況である。小沢という柱を失ったら、民主党が機能不全に陥ることは最初から分かっていたことだが、結局、不毛な「小沢排除」は党内に亀裂を走らせ、弱体化させただけで、自民党や霞が関、財界といった旧勢力を喜ばせただけである。

民主党政権が短期間で危機に陥った背景は、鳩山の巨談症的錯雑の失政と金権腐敗の小沢の驕り、そして彼らの政治的・道義的責任を隠蔽する民主党の体質に対する国民の嫌悪感、外交音痴の無謀な政権運営によって国益が大きく毀損されたことや、「予算の裏づけがない美辞麗句を連ねただけのマニュフェスト詐欺」の化けの皮がはがれたことである。


今回の反主流派から出された内閣不信任案も、大勢は可決の方向に向いていたが、間際になって支持母体の連合の古賀会長からの要請で、民主党をつぶすなとの一声で、鳩山が管に猫の鈴をつける役に回ったことが知られている。
その結果、鳩山は「菅首相から辞任の約束を取り付けた」と言って、急遽不信任案に反対する側に回ったため、不信任案が否決されることになった。

その時小沢は鳩山に口約束だけで担保は取ったかと質したら、代議士会で確認をとると言い、その場で役者が一枚上の管の辞任表明を聞かされ気持ちが萎えてしまい、どんでん返しが起きてしまった。その約束は以下の通り

、(1)民主党を壊さない(2)自民党政権に逆戻りさせない(3)復興基本法案の成立と2次補正の早期編成のめどをつける。

菅と鳩山が取り交わした誓約書においては「原発事故と震災復興に目処が立ったとき」という抽象的表現であるから、解釈をめぐって言った言わないの押し問答の揚句に、希代のペテン師(オバマをしてトラストミーと大見栄を切ってペテン師と呟いたそうな)にペテン師と呼ばれている漫画の様な光景が広がり、我々は唖然として見ているだけだった。
菅直人と鳩山由紀夫が誓約書以外にいかなる口頭約束したのかは不明であるが、勝手読みと妄想癖が顕著な鳩山であるから、本人の陳述要旨が事実か否かは不明である。しかし、鳩山由紀夫が小沢軍団の謀反を抑えこみ、「菅総理が夏のはるか前に総辞職する」と公表したことは万人が知っている。

いっぽう奇妙なセレモニーも報道を通じて流れている。ここ3年ほど仇敵関係にあった小沢一郎と渡部恒三が「合同誕生会」で手を握り合って両者薄笑いを浮かべている。誕生会を企画したのは、これまで反小沢の筆頭で凌雲会会長前原誠司前外相と小沢組若頭山岡賢次民主党副代表である。誕生会に参加したのは鳩山由紀夫ら民主党国会議員160人。

誕生会に出席したのは小沢軍団や鳩山派・羽田派らの保守だけでなく中間派も多数いたという。今回、前原誠司は「渡部・小沢合同誕生会」を企画・立案し成功させた。反小沢の旗を投げ捨て「菅内閣打倒の軍旗」の下にはせ参じたのである

仙石由人代表代行(官房副長官)は自民党副総裁と連携して「菅降ろし」を画策しているとみられている。彼らの一致した見解は「菅政権は持たない」ということであるが、目下、菅内閣総辞職後の主導権をどちらが握るかという点が最大の争点となっている。

主流派も反主流派も相互に雪崩打ってゴジャゴジャのちゃんこ鍋状態だ。さりとて管直人はしぶとくいつまでも鍋に残る灰汁のようにつまみだせない。

去り際を潔く幕を引くのが高潔な政治家の美学であろうに、品性は顔に出る。

2011年5月20日金曜日

国が乱れる兆候




「立てば国難、座れば人災、歩く姿は風評被害」 詠み人知らず。




評論家伊藤肇のベストセラー「現代の帝王学」の中に、中国漢代の学者荀悦の著述《申鑑》を引用している箇所がある。古代中国を知ることは日本を知ることと、私は思っているので、この部分を現在の政治状況と照らし合わせてご紹介してみよう。

説明を追加

後漢末の「申鑑」の中に「国に重い病気が4つある。」として、「四患」を論じている。

第一に「偽」。

 国家、国政に嘘が多くなる。

選挙などはその例であろう。小沢幹事長が政府に文句をいったように、公約が簡単に反故にされる事態。尖閣諸島問題、大震災後の原発事故後の正確な情報を国民に流さないことなど。嘘とわかるようなウソをつくところに管首相の器量が分かるというものだ。

今、福島原発の1号機が初期の段階でメルトダウン(炉心溶解)を起こしていることが判明したが、2号3号機もすでに同じ状態が続いていることが懸念されている。メルトダウンの事実を東電も首相も当初から知っていたのではないかと疑いをもたれている。みんなの党の渡辺代表は「今度の大震災の菅首相の危機管理の対応について危機を過小評価しすぎたため、それを正当化するため不都合な事実が起こるたびに情報を隠蔽し、国際的な風評被害を生んだのは万死に値する。」と述べている。
第二に「私」。

 国家、社会という公を忘れ、皆が私利私欲に走り出す。政治の悪性は政治家とその取り巻きが私利私欲に走ることである。

5月2日に成立した1次補正は4兆円規模にすぎず、本格的な復旧・復興費用は復興の根幹である2次補正に計上することになっていた。
だが、菅直人首相は16日の衆院予算委員会で「拙速にすぎるのは復興事業にとって気をつけないといけない」と答弁し、2次補正の提出は8月のお盆休み以降に臨時国会を開いて先送りする考えを示した。相変わらずの内閣延命作戦だ。この期に及んで被災者・被災地対応を放置することは断じて許されないだろう。それよりも内閣改造での政権浮揚を考えることで頭の中がいっぱいらしい。
西岡参議院議長

すべて大事な事案を先送りする管内閣に業を煮やした西岡参議院議長も立場も考えずに止むに止まれず首相の退陣を求めて19日付の読売新聞に寄稿している。
特に西岡氏は、震災発生以来の首相の対応について、首相としての責務を放棄し続けて来たと批判し、必死さも、決意も、術もなく、今おやめにならなければ原発事故がもたらす重大な課題も解決できないと強調している。


自民党の谷垣総裁は、東日本大震災復興に向けた 2011年度第2次補正予算案を提出せず、今国会を6月22日の会期末に閉じる場合には 内閣不信任案を提出する意向を表明した。与党内にも小沢をはじめとする反管グループもその動きを見せている。
自公民との復興の連携を図ったがそれも自らの人徳のなさで頓挫してしまった。すべて自己保身の目論見が透けて見え、大連立を延命の道具に使う意図を見抜かれてしまったからだ。


第三に「放」。


法律を無視した「放埓」が幅を利かす。

鳩山に続き普天間の解決策を潰し、問題を先送りにしていることはこのことに当るだろう。理解もしないで解決策を否定することは、それまでの努力を無に帰することになる。重大緊急事態に対処する重要事項を審議する安全保障会議も開かずに、10万人の自衛隊員の出動を命じたり、浜岡原発の緊急記者会見や、その他重要案件を法制化せずに思いつきで発令したり、これといった災害対策法案も出せないまま独断先行の采配をふるっている。誰が言ったか知らないが、鳩山は最低の首相、管は最悪の首相とは言い得て妙である.これほどやめろコールが鳴りやまない人望の無い首相も珍しい。先に外国人の献金で辞任した前原外相に続いて同じ案件が発覚し、辞任に追い込まれるところを運よく大震災の発生で難を逃れた管はこれで2年は続けられるとつぶやいたとも言われている。



第四に「奢」。


実力もないのに贅沢だけを覚える。

日本人はいったん走り出すと不幸なことが起こるまで彼らは止まらない。国策とはいえ原発推進の御旗のもと政官民一体となり、脆弱な地震列島の上に54基の原発を作り、全電力の35%の供給を原子力に委ね、利便性を享受している我々国民。電力コストを考えれば原子力だが、コストは安全性に変えられない。浜岡の2次堤防が出来るまでの2年間の停止要請など気休めに過ぎない。直下型の活断層の激震が来れば施設はズタズタになることは専門家の間で多く言われていることだ。

以上この4つの病気で国は衰退していく。


被災地の産業の復旧では、農業なら耕作時期、漁業なら漁期などに間に合うよう地域ごとに迅速に対応する必要があり、中央での多くの会議の結論待ちでは復興の機会を失ってしまうだろう。ひたすら、復旧・復興のスピードアップを図るべき時にお盆休みを過ぎて2次補正を出すとは被災者をないがしろにするものだ。

ポスト管が見当たらない今、裸の王様は益々権勢を振る。まことに民主党政権の責任は重い。いつの間にか我々は問題を先送りする内閣は、政権能力がないことに気づかされた。

2011年5月12日木曜日

アートな話「平塚美術館」



■画家たちの20歳の原点


池田満寿夫「橋のある風景」

先日平塚市にある平塚美術館に行った。明治・大正・昭和から現代まで様々な新旧の54人の画家たちの約120点の20歳
前後の絵を集めている「画家たちの二十歳の原点」という企画展で、併設で北大路魯山人展もやっていた。

全国の美術館から集めた作品の中には、今回の震災で持ち込めなかった東北の美術館所蔵の作品が写真で展示していた。「二十歳の原点」の企画展は、青木繁、坂本繁二郎、など明治の大御所から始まり、大正から昭和へと、それぞれの時代の空気を投影しながら、どれも「若々しい」真摯な姿勢が感じられる作品が出品されていた。それぞれの思いを込め20歳前後の多感な時期に漠然とした未来に対する不安と希望の入り混じった青春時代がそこに繰り広がっていた。後に明るい色調になる何人かの作家たちは、一様にその色調は暗く重かった。中には池田満寿夫の作品とともに両親にあてた、切々とした手紙が印象に残った。

草間弥生「flower」 靉嘔「クレーンと人」

草間弥生の「Flower」(1953)は、初期のころからもうすでに水玉模様。粘着質の作風が際立つ。対称的なのはレインボウカラーの夭折作家靉嘔 の無機的な作品「クレーンと人」が彼の作品とはだれも想像できない過去のモニュメントだ。




石田徹也「燃料補給のような食事」
そして、石田徹也の「燃料補給のような食事」。31歳の若さで交通事故で亡くなった石井徹也の絵はシュールリアリズムに通じるインパクトをはらんでいる。現代社会が生み出す精神的な抑圧感や日常の中に潜んでいる怖さ危うさなどの負のイメージを鏡のように鮮やかに浮き上がらせる。この作家の作品には石田自身の自画像と思わせる人物が必ず登場するのが特徴だ。石田徹也のような典型的な夭折の画家はもとより、長い活動に生きた芸術家たちもまた、この時期の作品に創作の核となる初々しくも痛切な感性のほとばしりに満ちていた展覧会であった

●会期は6月12日まで


■北大路魯山人展

食に対するたぐいまれな美意識と料理を盛りつける器までを自ら手がけた北大路魯山人。展示された作品はほとんど食器であり、それ以外の器は好んで作ろうとしない。食通でもある彼は最後に肝臓ジストマという寄生虫による肝硬変でこの世を去った。食通らしい最期である。
芸術家は短命か長生きかの2様が多いが、彼の場合77歳で死去したのであるから長命の方で味道を追求した揚句の最期で、魯山人らしい生き様死に様であろうか。

魯山人は京都府生まれ。16歳から書や篆刻(てんこく)で名を知られた。美術骨董(こっとう)店「大雅堂美術店」を経営し、38歳で同店2階に高級料理店「美食倶楽部」を開設した。自作の器で料理を振る舞いたいと考えた魯山人は、40歳を過ぎて本格的な作陶活動を始め、古陶磁の研究を基にした織部焼や志野焼の新たな創造など独自のセンスで世に作品を発表してきた。いずれもそのルーツは桃山時代に端を発した瀬戸と美濃窯である。個人的には織部のグリーンの色調はあまり好きではないが、しっとりとした志野焼きの絵付けの作品がしっくりくるし、料理の邪魔をしないと感じた。
  ●会期は6月19日まで

2011年5月9日月曜日

見えない敵




人類の歴史は未知の脅威に怯え続けてきた歴史でもある。そしてそれら脅威に対する戦いは今もやむことはない。善と悪があるように、見えない敵は無くなることは無い。細菌、ウィルス、テロリスト、そして放射能.... ゆえに共存していくしかないのが定めである。

病原体

細菌もウイルスも病原体で人間に悪さをするものだが、細菌は分類上は植物に属する単細胞生物で、人間や他に生物に入り込み細胞分裂で増殖する。つい最近起きた焼き肉チェーン店の大腸菌O111で4人の死者が出たのもこれで、おまけに交配を重ねた雑配種の福島産の和牛である。
病原菌の場合は抗生物質などを使う必要があり、大きさは1~5ミクロン程度と極小、それ以下もあり、今までに確認されている細菌はコレラ菌などを含めてナント1000種類を超え、実は、「バクテリア」と呼ばれているものもはギリシア語からきた日本で言う「細菌」のことである。 これとは別に我々がお世話になっている細菌もある。日本酒、そしてパンを造るのに働いてくれる酵母は真菌(しんきん、カビとも言っている)



さらにそれより怖いのが超極小のウイルスで、大きく違う点は自らが細胞体


ではないこと、DNAと、それを包む殻だけからなる超極小の微粒子で電子顕微鏡でしか目視できない代物だ。こいつはおなじみのインフルエンザや、昨今増加が著しいエイズなど、生物の細胞に寄生し生きた細胞内でのみ増殖するというから恐ろしい。誰もがこいつにお世話になりたいとは思っていない。 (写真はインフルエンザウイルス)

テロリスト
つい最近9.11の同時多発テロの首謀者、オサマビンラディンが米軍の特殊部隊によって殺害され、アメリカ人の多くは浮かれているが、彼らテロリストは航空機の次は列車転覆を計画していたことが分かった。アルカイーダの分子は世界中に拡散しており、アメリカと関係の深い日本も例外ではないだろう。
いやアメリカの原子力発電所を標的にされたらえらいことになるという関係者もいる。アメリカのテロとの戦いは終わるどころか、果てしなく続くだろう。 別の情報では、9.11の首謀者がアメリカの陰謀で、彼を殺したのはアメリカにとって都合の悪いことを喋られなように、口封じをしたとも言っているが、事実は依然闇の中である。分からぬように水葬にしたのも解せないが、なぜかネットでは彼の死に顔が流出している。

放射能



巷では何ミリシーベルトうんぬんと騒いでいるが、これは外部被曝のことで、放射線を1時間あるいは1日当たりいくら浴びているかの話で、実際の脅威は放射性物質を体内にどのくらい取り込んだかという問題になる。

肥田俊太郎/鎌仲ひとみ、共著『内部被曝の脅威』(ちくま新書)で詳細が書かれているので、一部を抜粋するとすると以下の通りである。
細胞の約6兆分の1の気の遠くなるような微粒子(α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線)を人体に浴びた場合、極度にミクロの世界のことでそれらが細胞を破壊するメカニズムは十分解明されていない。(写真は浜岡原発、放射性廃棄物)

人間の新陳代謝活動は、酸素や水素、窒素などの分子が行う化学反応によって維持される。その時のエネルギーの単位は「電子ボルト」である。これに対して放射線分子の持つエネルギーは、なんとその100万倍にあたる「メガ電子ボルト」という単位で表される。体内・細胞内に侵入した異端分子である放射線分子は、体に必要な分子の100万倍のエネルギーで暴れまわる。この暴れん坊将軍が新陳代謝の中に割り込んで掻きまわすことで、体に重大な障害をもたらすのだ。体内で放出される放射線量がどんなに微量であっても、この膨大なエネルギーの力で細胞は傷つき、破壊されることになる。大本営が「“ただちに”健康への影響はない」と発表しているが、「絶対に健康への影響はない」と断言しないのはこのためである。

しかし内部被曝のメカニズムでもっと恐ろしいことは、長時間に渡って低線量放射線を浴びる方が、高線量放射線を瞬間的に浴びるよりも、たやすく細胞膜が破壊される、ということである。つまり、少量の内部被曝は、外部被曝や中量の内部被曝よりも危険な場合があるということだ。
体内に取り込まれた放射性物質は放射線を放ち続け、細胞を破壊し傷つける。

話題に上るヨウ素131は甲状腺へ濃縮され、許容範囲の数百倍、数千倍に膨れ上がる。セシウム137は骨、肝臓、腎臓、肺、筋肉に濃縮される。ストロンチウム90は主に骨に濃縮される。こうして生みの親である人類に容赦なく襲い掛かる。

 核兵器の開発、原発の建設、劣化ウラン弾の拡散は、人類を確実にヒバクシャへと誘う。そのほとんどが内部被曝によるものである。すでに、全世界において、内部被曝による被曝者の数は1000万人に達するといわれている。それは、チェルノブイリの被曝者であり、湾岸戦争、イラク戦争において劣化ウラン弾で被曝したイラクやアフガニスタンの人々であり、そこへ参戦した帰還米兵であり、世界に広がる原発から漏洩する微小線量で被曝した地域住民であり、ウランを採掘し処理する人々であり、ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ、における被曝者たちである。福島原発の事故によって首都圏で観察された“微量”の放射線量を考えるならば、被爆者の数は増えることはあっても減ることはない。

2011年4月20日水曜日

原発の不条理

ギリシャ神話に登場するシジフォスは神々に尖った山の頂に岩をころがして上げるよう刑罰に課せられ、上げても上げても岩は下に転げ落ちる。ひとたび山頂にまで達すると、 岩はそれ自体の重さでいつもころがり落ちてしまうのであった。 無益で希望のない労働ほど怖しい懲罰はないと神々が考えたのは、 もっともなことであった。
これが人間が置かれた現実でもある。理性的に考えれば無意味なことを、シジフォスと同じように人間は生きるために必死でやらなければならないのだ。人間が生きているこの世界は実は、こうした不条理なものに満ちている.フランスの作家アルベールカミュの著書「シジフォスの神話」のくだりである。現在の福島原発で起きている事態、放水しては溜まった汚染水を安全な場所に運ばなければならない作業が果てしなく続く不条理。

榎本聡明顧問

東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発について、東電の榎本聡明(としあき)顧問が毎日新聞のインタビューに答え、「原子炉を冷却し、廃炉に不可欠な核燃料の取り出しに着手するまでに約10年かかるとの見通しを明らかにする一方、放射性物質を残したまま埋めてしまうことはない。チェルノブイリ原発のように燃料ごとコンクリートで埋める「石棺方式」は取らないことを強調した。」

一方で東電の勝俣恒久会長は1~4号機を廃炉にする方針を明らかにしているが、通常の廃炉までの必要年数は20~30年かかるとされている。

 また榎本顧問は1~3号機で続いている原子炉への注水作業について「水を注入するほかない。燃料がこれ以上溶解するのを食い止めたい」と説明。本来の冷却システム「残留熱除去系」の復旧には少なくとも1カ月かかるとの見通しを示した。予備の冷却システム増設も併せて進め、原子炉内が「冷温停止」と呼ばれる安定な状態になるまでには数カ月かかると述べた。

放射能漏れにつながっている汚染水の問題については、放射線量を放流できるレベルまで落とす浄化設備を今月中に着工。数カ月後をめどに、放射性物質を原子炉建屋内に閉じ込める対策も並行して進めると述べた。周辺自治体に対する避難・屋内退避指示の解除などは、この段階が検討開始の目安になるとみられる。

廃炉への課題として榎本顧問は(1)原子炉建屋が損傷しており、まず放射性物質の拡散を防ぐ対策が必要(2)1~3号機の燃料棒が推定で25~70%損傷しているため、従来の方法では取り出せない、と指摘。燃料の回収装置を新たに開発し、燃料回収を始めるまでに10年はかかると述べた。

 そんな折、政府からの要請で東電から福島原発事故の収束工程表が示されたが、6~9カ月かかって2ステップの工程を完了させるというものだ。具体的には原子炉を安全な「冷温停止状態」とし、原子炉建屋をカバーなどで遮蔽することを当面の目標と位置付けた。
しかし当面「数カ月をめど」とする見通しは最も楽観的なもので、格納容器が壊れていない1、3号機は爆発などが無いかぎりそれもありうるかもしれないが、格納容器の下部が水素爆発で損傷している2号機は格納容器内に水がある限り高放射能汚染水の垂れ流しは終わらない。3つの原子炉に合わせて1日500トンの水を注入し続けているので、数カ月で現在以上の汚染水を抱え込むことは間違いない。2号機の破損部を修復するために格納容器の水を抜くには、内側にある原子炉圧力容器が健全であって冷却系を回復する必要があるが、2号機で原子炉圧力容器の底抜けの可能性が高い場合、それも難しい。

英紙ガーディアン(電子版)によると「福島原発の原子炉を開発した米ゼネラル・エレクトリック(GE)社で福島原発建設時に同型炉の安全性の研究責任者を務めた専門家は、少なくとも溶融した燃料が圧力容器から『溶岩のように』漏れ、格納容器の底にたまっているようだと説明」したと言っている。この認識は当事者の東電より事態を深刻に受け止めている様子がうかがえる。

2号機の状態は毎日、真水を注ぎ込んで溶融した核燃料から高放射性物質を洗い出しているのと同じで、その漏出箇所には人間は近寄れない。、なお原子炉内の高放射性物質の漏出は1割以下でまだ放出量は数%に止まるが、2号機からは最悪の場合、何割もの放射能が環境に出ることも考えなければならない。東電・技術系の考えている「楽観的見通し」が外れる可能性がある現在、何が起きてどう対処するか最悪の場合の対応策も考えておかなければ国民への責任が果たせないし、日本の技術力への失望はさらに世界に広がるであろう。

現在、この福島原発事故の影響で、日本経済において食品の輸入制限から工業製品のすべての放射能検査の強制などを含め、日本製品は世界から疑心暗鬼の風評被害にあっている。
このような状況下で、一国の首相がなぜ世界に向かって日本製品の安全性を声を大にして発信しないのか出来ないのか、国民ははがゆく感じているところだ。

その一方、静岡県御前崎にある中部電力浜岡原発は、来るべき東海地震では活断層の真上に立っている最も危険な原発で、直下型地震によって今後30年以内に福島以上の悪夢が取りざたされているところである。ここも北米プレート、ユーラシアプレート、フィリッピン海プレートが重なった境界線上にある。西風が多い御前崎近辺からは一極集中の首都圏が災害の射程距離に入る。
原発震災」なる言葉を生み出し、当ブログでもご紹介した地震学者の石橋克彦神戸大名誉教授(66)は、月刊誌の最新号で、浜岡震災の帰結についてこう予測している。


 「最悪の場合、(中略)放射能雲が首都圏に流れ、一千万人以上が避難しなければならない。日本は首都を喪失する」「在日米軍の横田・横須賀・厚木・座間などの基地も機能を失い、国際的に大きな軍事的不均衡が生じる……」(「世界」と「中央公論」の各5月号)

今後行政機関の地方分散化も視野に入れた政策を考えないと、日本という国の存亡にかかってくる。今後の国の取り組みを注視していきたい。
●原発技術者菊池洋一氏が訴える浜岡の危険性(動画)