周知のようにアメリカ経済は市場原理で動いている、それはすなわち弱者切り捨ての原理でもある。その結果国内の製造業の衰退と失業者の増加と中産階級の貧困層への転落を経て、サービス業(金融、IT,コンサルティング)がアメリカ経済のファーストランナーになってきたわけだが、昨今の金融システムの崩壊で、金融機関はおろか自動車産業も虫の息である。昨今の多業種の大量の解雇の記事は毎日紙面を賑わしているが、今のアメリカの状況をみて日本の近未来に想像を馳せるのは私だけではないと思う。
つい最近アメリカで起きた病院の看護師一家が病院から解雇を言い渡され、拳銃で一家心中した事件は、最近読んだアメリカ在住のジャーナリスト堤未果氏の著書「ルポ貧困大国アメリカ」で言及していることが現実になった。事件を起こした一家はヒスパニック[アメリカの人口の約13%]で彼らもまたサブプライムローン(いわゆる低所得者をターゲットにした住宅ローンで、今回の金融危機の引き金になった代物)の債務者たちであり、あらゆる業種で人員削減のターゲットになりうる人種である。
この本によると訴訟国家アメリカの病院は高額な医療損害保険を払えずに廃業していく病院も多く、その上、市場原理導入の末に医療保険が低リスク者用の低額保険と病人用高額保険に二分され、被保険者も非常に多く、盲腸の手術で日本円で200万前後、出産費用も三日間の入院で同じくらいかかるから日帰り出産が増えていると言う。世界一高額な医療費で破産する中間層もさることながら、それ以下の貧困層は病院にも行けず、スーパーでサプリメントを飲んでしのいでいる。
つい最近アメリカで起きた病院の看護師一家が病院から解雇を言い渡され、拳銃で一家心中した事件は、最近読んだアメリカ在住のジャーナリスト堤未果氏の著書「ルポ貧困大国アメリカ」で言及していることが現実になった。事件を起こした一家はヒスパニック[アメリカの人口の約13%]で彼らもまたサブプライムローン(いわゆる低所得者をターゲットにした住宅ローンで、今回の金融危機の引き金になった代物)の債務者たちであり、あらゆる業種で人員削減のターゲットになりうる人種である。
この本によると訴訟国家アメリカの病院は高額な医療損害保険を払えずに廃業していく病院も多く、その上、市場原理導入の末に医療保険が低リスク者用の低額保険と病人用高額保険に二分され、被保険者も非常に多く、盲腸の手術で日本円で200万前後、出産費用も三日間の入院で同じくらいかかるから日帰り出産が増えていると言う。世界一高額な医療費で破産する中間層もさることながら、それ以下の貧困層は病院にも行けず、スーパーでサプリメントを飲んでしのいでいる。
国の介入のない医療制度によって医療費は増大し続け、国が守らなければならない国民の命をないがしろにしていく。アメリカ合衆国全体で医療サービスへ支払われる金額は年間一兆七千億ドルで、アメリカ国内総生産の15%以上を占めている。医療費の金額も世界一であるがWHO発表の世界医療ランキングではアメリカの医療サービスレベルは37位と非常に低い。日本は10位であるが日本の医療体制は、既に崩壊を始めている。
またブッシュの時代に落ちこぼれ0法と言う名の裏口徴兵政策を実施し、貧困層の高校生をターゲットに好条件で軍隊への勧誘を行い戦場に送りだしたり、あるは不法移民さえも市民権を与えるという条件で戦場に送りだしたり、あるいは民間の戦争請負会社が世界中の生活困窮者を派遣と称してイラクなどに送り込んでいる。その会社の下請けを入れると世界中に500以上あると言われている。これらはチェーニー副大統領がCEOを務める会社でもある。まさにアメリカの公共事業が戦争という現実である。2007年時点でアメリカ国内で350万人のホームレスがいて、現在ではもっと増えているはずであるが、その3人に一人は帰還兵である。アメリカ社会で1回の入院で貧困層に転落し、ワーキングプアーから抜け出せないために軍隊に入ったものの、帰還しても貧困層から抜け出せない状況のもと、グローバル市場に置いて最も効率よく利益を生み出すものが、こうした弱者を食い物にする貧困ビジネスがある。その国家レベルのものが戦争である。
我が国も民営化、自己責任などと言う流れの中で、中間層にいた人々は過労死やリストラの犠牲となり、ワーキングプアー、ネットカフェ難民、医療制度崩壊、派遣社員、教育格差などの言葉がメディアにあふれるようになった。
日本も小泉、安部内閣のもとで民営化が進められた。役所がひどいから民営化という安易な考えが危険であることを、取材した多くのアメリカ人から警告されたと、この本は締めくくっている。それは安易に民営化したために決して手をつけてはならない医療や暮らし、子供たちの未来にかかわる教育が市場原理に引きずりこまれることにブレーキをかけなければならないことを意味している。
またブッシュの時代に落ちこぼれ0法と言う名の裏口徴兵政策を実施し、貧困層の高校生をターゲットに好条件で軍隊への勧誘を行い戦場に送りだしたり、あるは不法移民さえも市民権を与えるという条件で戦場に送りだしたり、あるいは民間の戦争請負会社が世界中の生活困窮者を派遣と称してイラクなどに送り込んでいる。その会社の下請けを入れると世界中に500以上あると言われている。これらはチェーニー副大統領がCEOを務める会社でもある。まさにアメリカの公共事業が戦争という現実である。2007年時点でアメリカ国内で350万人のホームレスがいて、現在ではもっと増えているはずであるが、その3人に一人は帰還兵である。アメリカ社会で1回の入院で貧困層に転落し、ワーキングプアーから抜け出せないために軍隊に入ったものの、帰還しても貧困層から抜け出せない状況のもと、グローバル市場に置いて最も効率よく利益を生み出すものが、こうした弱者を食い物にする貧困ビジネスがある。その国家レベルのものが戦争である。
我が国も民営化、自己責任などと言う流れの中で、中間層にいた人々は過労死やリストラの犠牲となり、ワーキングプアー、ネットカフェ難民、医療制度崩壊、派遣社員、教育格差などの言葉がメディアにあふれるようになった。
日本も小泉、安部内閣のもとで民営化が進められた。役所がひどいから民営化という安易な考えが危険であることを、取材した多くのアメリカ人から警告されたと、この本は締めくくっている。それは安易に民営化したために決して手をつけてはならない医療や暮らし、子供たちの未来にかかわる教育が市場原理に引きずりこまれることにブレーキをかけなければならないことを意味している。
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