2009年2月4日水曜日

死神


落語の名作に三遊亭円生の噺「死神」がある。金に縁が無く首をくくる寸前の八五郎の前に現れたヒョロッとした爺さん。これが死神で、八五郎に医者になり金儲けのやり方を教える。
話によると、病人に必ず付いている死神さえ見えればその病人の生き死にがすぐにわかるので、死神が見えるまじないをかけてやったから医者を始めろと勧められた。
コツは死神の座っている位置を見極めればわかると言う。病人の枕もとにいたらもう駄目だが、足元にいたらまじないをして手を2つ叩けば死神が消えると教え、その後評判が評判を呼び,今にも死にそうな金持ちの使いが八五郎の家にやってきては、大金を置いていく。
やがて根が怠け者の男はカネを使い果たし、最後の大金持ちの旦那(これが死神が枕元にいた)の使いの者になおらないと断れば断るほど値を上げて、カネの誘惑に負けて、その死神の位置を枕元から足元へと布団を反転させ死神を追い払いその病人はあっという間に全快し、八五郎はふたたびすごい大金を手に入れた。
その後、彼の前に現れたのはあの死神で、「恩をあだで返しやがった。」と男をあなぐらに連れて行き、消えかかった蝋燭の炎を指さしあれがお前の寿命だと諭すが、男は命乞いをして消えかかった蝋燭をつなごうとするが手が震えてうまくいかず、蝋燭の灯は消えてしまった。 という噺である。
国民の支持率が10%代の麻生総理も短命内閣であることは誰の目にも明らかであるのだが、取り巻き連中は大五郎のように総理の布団の位置を何回も変え続けている。ダボスで開かれた世界経済フォーラムでの1兆5千億のODA援助のぶち上げや、国内では公明党などの後押しもあって国家公務員の天下りの繰り返し(わたり)斡旋の年内廃止など、あの手この手で延命を図っているが年内解散が濃厚なこの内閣にどれほどの実行力があるのか疑問である。死神は待ってはくれない。
さらに追い打ちをかけて国会劇場では田中真紀子議員の面白いワンマンショーが、見る者を飽きさせない。まさに国会は予断を許さない状況である。

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