2011年12月6日火曜日

アートな話 「コラボレーション」

コラボレーション(英: collaboration)は、共に働く、協力するの意味で、共演、合作、共同 制作などと言われているが、アートの世界では違う要素、素材などの組み合わせなどの意味にも使われる。
ここ2~3年私が作品制作で手がけていることは、違った素材の組み合わせで、漆器を見直してみようという試みである。

言うまでもなく鎌倉彫は素材の木地に彫刻を施し漆を塗って仕上げたものであるが、そこに何か違った素材を組み入れて鎌倉彫を見直してみようという試みである。素材としては、紙、ガラス、陶器、竹など素材ごとに順を追って解説してみよう。

           紙 <スタンド>


木漏れ日

                                           
紙は加工次第で強靭になる。特に照明器具に使われる紙は耐熱性にすぐれ、あらゆる和風照明に使われているが、左は卓上スタンドで紙は硬質の素材でカーブに沿って竹に木ネジで留めてある。彫りはトリマーで荒取りして彫刻刀を使用し、洋風に仕上げた。(13x27x24cm)

いにしえ

           
右は市販されているスタンドの上部紙部分に銀のアクリル絵の具で絵を描き,木枠を組んで積分していく手法で、彫りは丸刀だけで、縄文に思いを馳せながら彫上げ、塗りは暗いところから明るいところまでの階調をグラデーションで表現し和風に仕上がった。微妙な歪みやゆがみを出してみた。来年鎌倉彫教授会創立50周年記念展に出品する作品。(18x18x70cm)








         陶器 銅器 ガラス <花器>

風穴 Ⅰ 40x14x20cm  風穴 Ⅱ 40x18cm

風穴1,2は同じ板から3枚S.字上に引いてもらった木地で、ひとつは卓上、もう一方は壁掛けにした。もともと中にある黒い陶器の花瓶に合わせて作ったものであるが、風のイメージに無機質な穴を両面に6個開けてみた。壁掛けはガラスの一輪挿しを風穴からのぞかせた。塗りは練り込みという手法を使い鎌倉彫の塗りとは異なる焼き物のような質感を表現してみた。

風舞い

風舞いは文字通り風に舞い散った椿の花が水面に浮かんでいるさまを現している。たまたま木地を作った時に出た直経35cmほどの木の輪っかを手に入れ、これを半円に切断し、中央に穴を開け銅の一輪挿しを添えてみた。はめ込み式になっており花の取替は自由にできるようになっている。
 

  サイズ 37x9x20cm(h)


波濤


波濤は半円をくり抜いた木地を2つ並べて波を彫り、土台に取り付け、陶器の一輪挿しを置いてみた。

    サイズ 30x11x15cm(h)



左の屈輪文花器はクリスタルの一輪挿しがあったので、同じく一輪挿しの木地を4等分してそこに屈輪文を彫り込みベースに固定した。
黒とメタリックな錫の塗り分けで、クールな感じを出してみた。


    サイズ 11x11x18cm (h)



           竹 <菓子器 酒器 >

菓子器 柘榴  片口 竹


左は今年の鎌倉市市展に出品したお茶席の菓子器、孟宗竹を利用し、ザクロを彫った受台を作り、竹の中は同じくザクロを彫ったゲス板を敷いてある。右は左党の考えそうな酒器で竹に木の片口をつけ、蓋を木でつくる。用途は、ふぐのひれ酒、骨酒を入れてもてなすものである。一つは行きつけの居酒屋に置いてある。


●お知らせ 工房だよりのブログ<鎌倉彫通信
         はじめました。
                   鎌倉彫喜彫会の新着情報から
         ご覧になれます。


             

0 件のコメント: