ここ2~3年私が作品制作で手がけていることは、違った素材の組み合わせで、漆器を見直してみようという試みである。
言うまでもなく鎌倉彫は素材の木地に彫刻を施し漆を塗って仕上げたものであるが、そこに何か違った素材を組み入れて鎌倉彫を見直してみようという試みである。素材としては、紙、ガラス、陶器、竹など素材ごとに順を追って解説してみよう。
紙 <スタンド>
木漏れ日 |
紙は加工次第で強靭になる。特に照明器具に使われる紙は耐熱性にすぐれ、あらゆる和風照明に使われているが、左は卓上スタンドで紙は硬質の素材でカーブに沿って竹に木ネジで留めてある。彫りはトリマーで荒取りして彫刻刀を使用し、洋風に仕上げた。(13x27x24cm)
いにしえ |
右は市販されているスタンドの上部紙部分に銀のアクリル絵の具で絵を描き,木枠を組んで積分していく手法で、彫りは丸刀だけで、縄文に思いを馳せながら彫上げ、塗りは暗いところから明るいところまでの階調をグラデーションで表現し和風に仕上がった。微妙な歪みやゆがみを出してみた。来年鎌倉彫教授会創立50周年記念展に出品する作品。(18x18x70cm)
陶器 銅器 ガラス <花器>
風穴1,2は同じ板から3枚S.字上に引いてもらった木地で、ひとつは卓上、もう一方は壁掛けにした。もともと中にある黒い陶器の花瓶に合わせて作ったものであるが、風のイメージに無機質な穴を両面に6個開けてみた。壁掛けはガラスの一輪挿しを風穴からのぞかせた。塗りは練り込みという手法を使い鎌倉彫の塗りとは異なる焼き物のような質感を表現してみた。
風穴 Ⅰ 40x14x20cm 風穴 Ⅱ 40x18cm |
風穴1,2は同じ板から3枚S.字上に引いてもらった木地で、ひとつは卓上、もう一方は壁掛けにした。もともと中にある黒い陶器の花瓶に合わせて作ったものであるが、風のイメージに無機質な穴を両面に6個開けてみた。壁掛けはガラスの一輪挿しを風穴からのぞかせた。塗りは練り込みという手法を使い鎌倉彫の塗りとは異なる焼き物のような質感を表現してみた。
風舞い |
風舞いは文字通り風に舞い散った椿の花が水面に浮かんでいるさまを現している。たまたま木地を作った時に出た直経35cmほどの木の輪っかを手に入れ、これを半円に切断し、中央に穴を開け銅の一輪挿しを添えてみた。はめ込み式になっており花の取替は自由にできるようになっている。
サイズ 37x9x20cm(h)
サイズ 37x9x20cm(h)
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