2010年10月30日土曜日

親子三代身を持ち崩す


日本には親子三代身を持ち崩すという言葉があるが、北朝鮮もいよいよ最後のステージに入ったようだ。【ソウル時事】によると韓国大統領の諮問機関、民主平和統一諮問会議の李基沢首席副委員長はベルリンで25日に講演し、北朝鮮の金正日労働党総書記の長男正男氏が北朝鮮の体制崩壊の可能性を念頭に置いているとの話を聞いたことを明らかにした。
李氏は先月マカオを訪問した際、正男氏と親密な関係者から、金総書記から三男正恩氏への権力世襲に対する正男氏の考えを聞いた。
この関係者が「父親の体が悪いのになぜ平壌に行かないのか。バトンタッチしに行く必要があるのでは」と問うと、正男氏は「バトンタッチするのは嫌だ。(北朝鮮は)滅びるのに。長続きすると思うか」と答えたという。 時事通信 10月26日(火)14時20分配信

北朝鮮は今月、平壌で朝鮮労働党創建65周年を記念して軍事パレードを行い、金正日総書記と、後継者に事実上決定した三男の金正恩(キム・ジョンウン)がパレードを観閲した映像が記憶に新しい。
北朝鮮の今回の一連の権力人事は、金正日総書記の後継者として3男の金ジョンウン氏を公式に登場させ、金総書記の妹の金敬姫・張成沢夫妻を権力中枢に配置したことなど、あらためて政権の“家族支配”を世界に見せしめた。
日本の戦国の世にもよくあったことだが、この体制を見れば北朝鮮がいかに内紛の危機にさらされているかが想像できる。

北朝鮮は「金日成誕生100年」と「金正日誕生70年」が重なる12年を「強盛大国の大門を開く年」としてきた。北朝鮮にとって12年は“3代の権力”を祝う一大祝賀イベントの年となる。
12年は韓国、米国、中国、ロシアも大統領選などで政権交代期を迎える。世襲永久独裁の北朝鮮に政権交代はないが、影響力を持つ周辺国の政権や政策には変化があるだろう。


核開発問題、ミサイル発射実験等で国際社会から非難を受けながら、注目を集めている北朝鮮、それにより経済制裁などを受けながら国際社会からますます孤立化して行く北朝鮮、今の北朝鮮は通貨暴落で超インフレ、食糧難と飢餓は極限に達している。正に経済崩壊寸前である。

さらに近年携帯電話の普及とヤミ・ビデオで韓国の実情が広く知れ渡り始め、個人あたりの韓国とのGDP(国内総生産)比は、韓国$28,000.00に対して北朝鮮は$1,900.00、15分の1であることなどから、経済崩壊が刻々と迫る中で、もはや人民としてではなく、動物として自由と食糧を求めて韓国と中国の国境を越えて何十万、何百万がなだれ込む可能性は日一日と高まっている。このことは中国も韓国も一番恐れていることで、少なからず援助の手は差し伸べてきた。そうなるとわが国も対岸の火事では済まなくなる。

そんな中、衝撃的な報告書が、最近発表された。約2400万人の北朝鮮の人々のうち2割、500万人前後が、すでに飢餓によって死亡した可能性がある、というものだ。これは、韓国の仏教系NGOが、昨年10月から4ヶ月かけて、北朝鮮から延辺に逃げてきた難民500人弱に聞き取り調査をした結果である。難民たちに「あなたの家族で、1995年以後に餓死したり、病死したりした人は何人いますか」といった質問をしたところ、対象者の家族のうち、30%近い人々が死んでいたことが分かった。この比率を北朝鮮全体に広げると、500万人という数字が推定できる、としている。


1、デノミの失敗


2009年11月末に北朝鮮国内で行われたデノミ、旧通貨と新通貨の交換比率は100:1で、交換できる上限額は、各世帯の月々の生活水準とほぼ同じ10万ウォンであり、それ以上のお金を保有している場合、紙幣は紙くずとなった。
今回のデノミは、国が物資の流通をより厳格に管理する狙いに加え、金正日総書記の後継体制の構築に向けて、貧富の格差に対する不満解消や、特権層の不正蓄財のあぶり出しなど、政治的な狙いも指摘されている。しかしこのデノミがうまく行かず失敗になったという報道もあり、デノミ実施の責任者である某幹部が銃殺されたという。
デノミの目的としてはインフレ抑制や計画経済への回帰を狙ったとみられるが、逆に物価暴騰や流通の停滞を招いてしまった。



2、年々増えている脱北者



脱北者は、政治的な理由で亡命した者から、生活苦で国外へ逃れた者へと変質している。2004年には韓国に亡命した脱北者が累計6,000人を超え,そして、2007年2月16日に遂に1万人を超えたと韓国統一部当局者が明らかにした。
                                                                                                                 将軍様と2日後に死亡した脱北者
人間飯が食えない状況下では将軍様もクソもない。
現在、韓国と北朝鮮との経済格差はおおよそ12:1と換算されており、民族統一の念願は無理難題であるし、韓国経済そのものが持ちこたえられないだろう。
そんななかで韓国の対北朝鮮支援団体「良い友達」は今月、北朝鮮の朝鮮労働党が住民への食糧配給や企業所 (生産組織)への物質供給を中断すると宣言し、各企業所単位で「自給自足」するよう指示したと明らかにした。

ヤミ市場の取引規制を撤廃し、個人による対中国貿易も認めたという。「食糧や原料・資材不足に伴う当面の措置」としているが、事実ならば政府の市場統制を放棄したともいえる。
「良い友達」によると、現状について「困難な食糧事情により国家はこれ以上どんな措置も取れなくなった」と指摘している。 いよいよどん底に直面してきた。

いずれの場合も崩壊は内部から進んでくる、3代目の北朝鮮崩壊の足音が近付いてくるようだ。

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