2007年度の国連調査によると、日本は人類史上経験のない程の少子高齢化・人口減少時代に入り、21世紀半ばまでに人口は1億人(マイナス約25百万人、20%減)を切ると言う。逆に米国は、先進国の中で唯一、人口が大幅に増加する国として、今の3億人から4億人になり(30%増)、インド、中国に続き世界で3番目に位置する若い人口大国として君臨し続ける。生産年齢人口は、2050年に日本はマイナス39%、米がプラス28%。人口中央値の年齢は、日本が56.2歳、米国は39.6歳と親子程の年齢差になると言った恐ろしい予測になっている。そのため政府は少子化対策を必死ですすめている。
さらに経済の面ではGDP(国民総生産)において、日本の経済規模は中国に追い抜かれ第3位に転落することが確実視されている。同時にわが国の相対的な位置づけは下がり続ける。また日本は、核を持ったアメリカ、中国、ロシアの大国に囲まれた、変えることのできない地政学的な運命を抱えている現状で、日本は自らの将来像を冷静に見つめ、どんな国を目指すのか、新たな国力の源泉はどうするのか、国際社会の中でどうやって生きてゆくのか、地に足がついた中長期的な国家像を模索し国民に示すべき時に、国会では目糞鼻糞を笑うような政治資金の問答が繰り返し行われ食傷気味である。
金の問題がらみで内閣支持率も50%を切っている現状で、民主党の前途は多難である。
さて米国一国が、世界経済を牽引する構図は既に終焉を迎えており、世界経済の主役は、米国からBRICsなどの新興国に移りつつある。
「早くから内需拡大型の経済政策を進めてきたインドは、今回の世界不況の影響をほとんど受けていない。いち早く立ち直った中国も、09年の経済成長率は8%を維持。上海万博がある今年は、10%以上の成長を見込んでいる。2010年には、個人消費ベースで算出した世界のGDPの約52%が新興国で占められ、初めて先進国と逆転するとみられる。中国の購買層の主軸は45歳から25歳までの中間層であり、その数約4億人である。この大きな市場に先進国の自動車をはじめとする企業がなだれ込んで行き、熾烈な競争が繰り広げられている。
内閣府の試算によると、我が国の昨年度の上半期のデフレギャップは、金額ベースで見ても約40兆円の供給過剰が発生していて、依然、わが国の経済が大きなデフレから抜け出せないでいる。そうした背景には様々な要因があると考えられるが、先ず、景気の悪化に伴って、家計を取り巻く雇用・所得環境が悪化していることがある。足元で、企業は過剰設備・過剰人員を抱えた状態にあるため、今後も雇用や所得の環境が短期間に改善することは考え難い。また国民は、年金や介護、さらには医療などの問題を不安視しているから、どうしても、消費が盛り上り難い状況にあり、モノが売れない。さらに、わが国は、人口減少・少子高齢化という大きな問題に直面していることも、個人消費が伸び難い構造的な要因となっている。
経済主体の成長の決め手は「消費」と「設備投資」である事は言うまでもない。消費と民間の設備投資が伸びなくては経済の再生は有り得ないのである。その二つの需要項目が直ぐに回復を期待できないとなると、現在のデギャップを埋めることは難しい。デフレギャップが埋まらない以上、デフレからの脱却は難しい。
現在のデフレは日米欧の先進国に共通した現象となっており、今起きているのは、先進国の生産設備・土地・労働力・製品などの価値が下がっているということであり。そのことは、先進国が新興国に生産拠点を移したことと深い関係がある。今回大きな問題になった米国トヨタの大量のリコールも、部品の現地調達で、問題の部品の米CTSの供給元である中国の品質管理や技術的な問題から端を発した。
現在先進国のデフレ改善が進む中、依然わが国のデフレは改善が進まないでいる。国会も政治資金問題に多くの時間を費やしている場合ではないだろう。
政治家に金がかかることは、与党も野党も承知のはずで論戦を張っているのだから、国会は紙芝居である。みんな叩けば埃の出る御仁である。清廉潔白な政治家が、権謀術数の渦巻く世界の政治舞台で戦えるのかいささか疑問である。
本日、検察が小沢一郎の証拠が不十分なことから不起訴を決めたようであるが、これで終わったわけではない。次は国税庁や米国を巻き込んで脱税で起訴をする腹積もりでいるらしい。くわしくは評論家副島隆彦のページを参照されたし。
http://snsi-j.jp/boyakif/diary.cgi?start=1&pass=
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