2009年9月2日水曜日

祭りの後


衆院選は下馬評を超える民主党の308議席獲得の圧勝で幕を閉じた。失業率が過去最悪を記録し、年金制度の破たん、実体経済の低迷で国民生活はガタガタになった。「小泉・竹中改革」による行き過ぎた規制緩和で社会はあちこちで綻んだ。官僚の言いなりの自民党は、壊れた社会をほとんど修復できなかった。


自民党は、1955年から一党で政権を握っている。たった一度、細川連立政権があったが、これは党内の内ゲバのようなもので、野党が政権を握ったとは言いがたい。先進国を見回してみても政権交代がないというのは不自然で、極めて不健康な状態が続いたわけであるが、このような国は共産主義の国か独裁国家しかないと国民は気付き始めた。


今回の選挙は、いわば国民が自民党政権に対する長年の鬱積した不満と怒りが頂点に達し、自民党に愛想もクソも尽かした現象が今回の民主党の大勝を呼び込んだと言えるだろう。

政治の貧困とは、寄生集団(利益誘導型の政権とそれに群がっている官僚)が国民に渡るべく栄養分を吸い取って、フラフラになっている国民の現状を見ればすべて説明がつく。政権が民主党に移行することが分かった段階で、6つもの駆け込み天下りを許す自民党。前倒しの消費者庁設立に伴う官僚人事、総裁を辞めた党首を総理候補に指名する動きなど、この理解しがたい自民党はまるでゾンビのように醜い姿を世界に曝しているようだ。


今、民主党政権の大義名分となる“脱官僚”を本当に実現できるかに最も注目が注がれている。自民党政権よりも国民の支持を集めたという事実こそが、官僚機構の抵抗を押さえる後ろ盾になっているのだが、優秀で狡猾な官僚を本来のあるべき姿にもどし、国民のために働かせるかが問われているのであって、決して官僚を排斥するものではないことは、賢明な政治家であれば分かっているはずである。長年のうちに培われて曲がった根性を矯正することは困難を伴うであろうが、いかに官僚をコントロールするかが民主党の力量が問われるところである。我々国民は辛抱強く寛大さを持って成果を見守りたいが、望むところは迅速に政策を推し進めていただきたいことである。 

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