2009年4月6日月曜日

独裁国家の末路



瀬戸際外交と呼ばれるギリギリの戦略を次々と出しては、世界を翻弄させ、北朝鮮という国家体制を維持しようとしている金生日。その海千、山千、北朝鮮の戦略のもとまたまた虎の子のテポドン2号が打ち上げられた。アメリカと同じ土俵に立つために声高に力んで自画自賛の放送を世界に向けて発信する朝鮮中央放送のお馴染みのアナウンサーは、ドンキホーテを来る日も来る日も賞賛して止まない。北朝鮮は日頃から、大げさな身振り手振りで相手を恫喝する手口を多用するから周辺諸国から「また、いつもの手か」と馬鹿にされている。にもかかわらず我が国は早期警戒・情報伝達システムが2度にわたって「発射された」との誤報を流すというチョンボをしでかし、国民をやきもきさせた。
独裁国家北朝鮮は人工衛星は成功したと宣伝しているが、アメリカは軌道に乗っておらず失敗であると言っており、そもそも人工衛星を打ち上げる技術と打ち上げ後の技術環境が出来ていないことから、明らかに大陸間弾道弾であることは疑いの余地は無い。


北朝鮮は「権威も権力」もすべて金正日が独占している。北朝鮮は金正日への個人崇拝と権力の集中で維持されている国家である。誰もこれに代わることができないシステムであるが、権威を継承すべき後継者は育っていない。
北朝鮮が核兵器を保有し続ける限り、日本と韓国は米国の核の傘に依存せざるをえない状況が、日本と韓国を米国の属国にとどめおくことができる楔であることを米国は計算している。さらに、北朝鮮の核は中国の喉に刺さった棘でもある。北朝鮮は2006年10月、核実験に成功した。小型の核爆弾だったと言われるが、核爆発が起きたことは確かであり、これで故金日成主席の遺言通りに北朝鮮は核兵器国になったのである。
このことから米国は北朝鮮の核を、中国、日本、韓国を管理する手段と考えているふしがある。だから、金正日体制が崩壊しないよう100万トンの重油支援を取り決め、米国単独で「人道支援」という名目で、たびたび食糧50万トンを無償で提供していた。一方、日本は、拉致事件の解決までは経済援助せず、という原則に基づいて、事態を静観している
北朝鮮は、中国やベトナムとも、統一前の東ドイツとも違う。中国の場合身近に存在しない米国や日本の高い生活水準と比較しずらいが、北は隣が韓国である。統一前の東西ドイツの経済格差は約2倍だったが、南北間には17倍の格差があると言う。従って北は、この事実を国民に隠して、韓国は「地上の地獄」だと宣伝し続けるしかない。韓国は統一によって自国経済が壊滅的打撃を受けることを恐れている。2007年の韓国議会の推定では、0.8 - 1.3兆ドルという巨額の統一コストによっても、北の生活水準を韓国の半分まで引き上げるだけである。よって韓国は経済援助で徐々に北の経済を底上げさせようとしている。



今回のテポドン打ち上げも、脳梗塞を起こし健康の不安を抱えた将軍様率いる北朝鮮に、崩壊の足音が忍び寄ってきた現在。金正日が最後の賭けに出た様相である。ポスト将軍様の北朝鮮の権力が「暫定的集団指導部」に移行したとすると「扇の要」を失った北朝鮮は各党派に分裂し内紛を起こし、やがて武力衝突が起こるかもしれない。中国、ロシアそして米国が北朝鮮の各勢力を支援して火に油を注ぎ権力闘争がますます激化し朝鮮半島は新たな火種となるだろう。

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