2008年10月19日日曜日

アメリカの原理




プラグマティズムとは実用主義とも言われ、イギリス経験論の流れを汲む哲学である。抽象的な思弁を排し,実験などの科学的方法や思考を日常生活に応用しようとするプラグマティズムの影響を濃く受けた日本人として、夏目漱石、柳宗悦などがいる。

アメリカではおよそありとあらゆものが、このプラグマティズムの考え方を基に動いている。行動の基準を「現実に役に立つか、立たないか」で判断し、全てはケースバイケースである。より現実的で、相対的な考え方をする。合衆国には自由主義、民主主義、人道主義、資本主義といったいろいろな顔があるが、その全てに優先しているのが、プラグマティズムであり、昨今世界中からご都合主義と陰口をたたかれているものである。

何より大事なはずの個人の自由が制限されたり、人命が軽視されることがあるのも、プラグマティズムによって説明がつく。われわれ日本人が違和感を感じるような政策や決定も、このことを理解していれば分かり易くなる。

ただ、理念とか一貫性に乏しいために、場当たり的な欠点があり、かつてソ連に打撃を与えるためにアフガン人に武器を与えたり、、イランによるイスラム革命の広がりを防ぐためにイラクを援助した.
またビンラディンやタリバン、アルカイダなどは、もともとCIAが支援していた軍事ネットワークであったものが、巡り巡って自分の首を締めることになった。

イラク戦争などでブッシュの利権(ブッシュと深い関係のある石油企業)が、アメリカが戦った跡地のイラク、アフガンで確実に利権を獲得している事実や、軍需産業と結び付いているネオコンのチェイニー副大統領などの懐を肥やしている事実などに気付き始めたアメリカ国民に対して、ニューズウイーク誌が行った最新世論調査では、ブッシュ大統領の支持率は26%と過去最低を記録し、逆に不支持率は過去最高の65%に達した。


この史上最悪の強欲大統領のもと、足りたるを知らない米国民は借金(カード、ローン)でモノを買いまくり、2000年代の世界経済の高成長を支えた。ブッシュ一族をはじめFRBのバーナンキもロックフェラーもユダヤの血が流れている。恐るべしユダヤ人。
世界的なカネ余りに伴う低金利で世界中のカネがアメリカに集まり、特に日本はフェイクマネー(贋札)に化けていく源泉のカネを貸し付け、借金でモノを買いまくるアメリカ人に我が国の製品を輸出することで潤ってきた。それ以上に中国の対米輸出の伸びはすざまじい。今回の金融システムの破綻によって借金漬けのヤンキーズの退場は世界経済に大きな打撃をもたらすだろう。2004年には二桁増となった世界の貿易量の伸びも今後は5%以下に落ちる見通しだ。

この混迷の世界経済の中で、日本の経済界には日本のモノづくりやイノベーションが再評価される時代になるといった声が聞こえている。虚業から実体経済の復活を望む声である 。

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