新車販売 世界で急減速。(日本経済新聞 2008年10月3日朝刊)米国発の金融危機が世界の自動車産業を揺さぶっている。震源地の米国の新車販売台数は九月、前年同期比26.6%減となり17年ぶりの低水準に縮小。。世界経済の牽引役となってきた自動車産業の不振は金融危機が実体経済に波及し始めたことを象徴している。
また日本の8月の貿易赤字は 3240億円。ここにきて新興国市場も減速感が強まっており、日本はとうとう輸出では稼げなくなってしまった。 資源価格の高騰、さらには食品原材料などの価格上昇で、輸入金額が増加している。半面、輸出は円高の影響や米国経済の減速などから伸び悩んでおり、貿易収支の悪化に拍車をかけている。
今まで【自動車】に頼ってきた日本経済が大きな転換期に差し掛かっている。日本経済好調の背景には自動車があり。今や日本は加工貿易では稼げなく投資収益で稼ぐ国になっている。アメリカの後を追っているが、投資収益ほど危うい収益はないのは今の世界的金融混乱を見ればわかるはずである。
アメリカの金融危機が世界中に増殖しているが、一番厄介なのは6000兆円以上のCDS(債権破綻保険)の存在である。実にアメリカのGDPの4倍の金額である。米国の有名な投資家ウォーレン・バフェットは、すでに2002年の時点で、CDSが持つ連鎖拡大的な危険性を指摘し「金融の大量破壊兵器」と呼んだ。当時はまだ、優良金融機関が破綻して債券のCDS保険金支払いが必要になるなどということは「あり得ないこと」と考えられていたが、これが今や大爆発を起こしている。
物価が高騰しているのは日本だけではない。世界的にインフレがひどくなっている理由は様々考えられるが、主因は世界の主要商品の価格を形成している米ドルの供給量が急増し、ドル安が進行したためだと考えられている。通貨供給増はインフレに直結する。単純に言えば通貨供給が2倍になったら、物価も2倍になると考えられる。 基軸通貨であるドルの下落 は、各国の経済にも多大な影響を与えるが、各国は自国通貨量の供給増、もしくは「ドル買い」の方法で、ドル暴落を支えているのが現状だ。しかし、これは延命措置に過ぎない。というのも、いずれも最終的には「世界的インフレ」か「ドルに対する各国通貨の切上げ」という現象に繋がるためだ。基軸通貨の崩壊という必然的メカニズムから、ドル崩壊→米国の覇権衰退は明らかだ。にも関わらずこのドルの延命措置を外貨準備高の多い中国、日本、サウジをはじめ各国はいつまで続けるのだろうか?
私が20代で輸出業務をやっていたころの悪夢が今蘇る。1971年ニューヨーク滞在中のホテルで朝刊にニクソンの大きな顔が一面に出た。ドルと通貨の交換停止、と為替の変動相場制への移行が伝えられた。ここから1ドル360円の崩壊とともに円高が始り、日本の輸出産業はダメージを受けた歴史がある。いわゆるニクソンショックである。そして2009年を迎えるアメリカ経済にブッシュショックが静かに潜行している。
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