2008年9月15日月曜日

相撲の美学


         相撲絵 歌川国貞
昨今の相撲界の箍のはずれた状況の中で起きた一連の不祥事で、北の湖理事長が渋々辞任した。
国技として日本人に親しまれた相撲、もともと力比べからはじまった相撲は古代からあった。古くは神事として、行事として行われていたが、源頼朝や織田信長は相撲を奨励し、度々上覧相撲を催し、行司が生まれたのもこの上覧相撲からと言われている。現在の大相撲は江戸時代の勧進相撲から始まり、今の日本相撲協曾の前身にあたる江戸時代相撲会所が整備され、次第に組織も充実し大相撲と呼ばれるようになった。

江戸の昔より相撲は「興行」であり現在も変わりない。日本人の強い横綱を筆頭に魅力ある力士たちが居たのは昔のことで、今や外国から弟子を集めないと興行が打てない状況である。年若くして古い体質の世界に入り、相撲道を教育する間もなく駆け足で出世するものだから、相撲の美学や人間としての美学を身につけないまま、社会の規範を外し問題を起こしていく。
このことは外人に限らず問題の親方や力士にも言える。強いだけが美学であれば相撲の伝統は成り立たないであろう。そこにあるのは男のいさぎよさであり、品格である。立ち会いの待ったが多いことも見苦しいものだ。


この際私論であるが、いっそ相撲部屋を世界中から集め、たとえばモンゴル部屋、ロシア部屋 と言うように、日本以外は1国1部屋の外人部屋を作り、部屋には相撲関係者と日本の文化教養としきたりを教育する係を置いて、各部屋同士で戦わせたら面白くなるのではないかと思う。

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