2008年9月3日水曜日

どうなる日本丸


福田康夫首相は1日午後9時半、首相官邸で緊急に記者会見し、辞任 の意向を表明した。
 辞任の事由を説明したあげく「先を見通す私の目には。自公政権が順調にいかない可能性が見えている。」こう言って辞任した首相、これが一国のリーダーの言うことか?なんて軽い首相の座だろうか!
公明党との亀裂やテロ特措法の成立の見通しが不透明になったり、次の国会で未解決の諸問題に対処できないなど、どん詰まりの状況で安倍に続いてまたもや首相の政権放棄、自民党内の2~3世議員の脆弱さと淡白さが目立つ。
各国の政治家において世襲で議員をやっている議員の数は日本が飛びぬけて多い。声の上がっている麻生幹事長もその一人である。また政界の渡り鳥などの声も上がってるようだが、雌鶏が鳴かないことを望みたい。
この期に及んでは早々の解散総選挙が、我々国民にとって分かりやすい帰結である。

 さて現在の我が国の経済情勢を菊池英博・日本金融財政研究所所長は月刊紙『BAN』2008年6月号で述べている事を要約すると次の通りである。
公共投資の削減、地方交付税交付金の削減、財政赤字の原因である社会保障費、特に医療費を削減等々小泉構造改革は7年経過した現在、すべてが失敗であり、日本は惨憺たる経済社会情勢である。 国民にとってよくなった経済指標は何一つない。
(小泉・竹中)構造改革が始まる前の指標と比較してみると、①1人当たりの名目GDPは00年には世界で2番目だったのが06年には18位まで凋落(35年前の1971年並み)、②世界のGDPに占める日本の比率は15パーセントから10パーセントに低下、③われわれの平均給与は9年間続落、④可処分所得(手取り給与)は00年から毎年減り、貯蓄率は7.6パーセントから3.2パーセントまで続落、⑤過去10年間で、正規雇用は460万人減少、逆に非正規雇用は600万人も増加、生活保護世帯が100万世帯を突破、経済的理由での自殺者の激増(毎年3000人から8000人への増加)、所得格差の拡大、
06年6月に強行採決された「医療制度改革」によって医療費予算が大幅に削減されたために、赤字の病院が増加し、救急病院が激減し、もはや世界に冠たる日本の国民皆(保険)制度が崩壊しているのである。また税収は00年度に51兆円あったのに03年度には42兆円まで落ち込み、若干戻っても06年度には49兆円しかなく、「構造改革」は日本の経済社会構造を破壊し、税収が増えない弱体化した経済にしてしまった。

これら難題を抱えたまま、日本丸の船長は逃亡し荒波の中を、我々国民を乗せて船長のいないこの船はどこまで漂流するのだろうか?

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