東京医科歯科大学附属病院 |
こちらの様子を見てようやく二回目のレントゲンを撮ったところ、様相が変わったと、くだんのヘボ医者が顔色を変え、翌日CTを撮ったところ、癌が進行しているとの診断で、急遽市内の専門病院を紹介されたが、それを蹴って日本で一番実績のある東京医科歯科大学病院の口腔外科の原田教授に直接メールでコンタクトを取り、」手術入院の運びとなった。
まさか顎の骨に癌が出来る事など想像だにしてなかったので、漫然と経過観察をしていた総合病院の口腔外科のバツの悪そうなヘボ医者の顔が眼にやきつく。癌のステージを正したところ、口ごもり2と言ったが、明らかにこの医者は嘘を言ってると直感した。
下顎の骨から発生した癌は、症例も少なく珍しいがんの種類に入るそうだが、ステージは4と言われたが幸いにしてリンパ節には転移してなかったのがせめてもの救いであった。顎関節の再構築の手術は17時間の長きに及んだが、術後は切断した顎に自前の肩甲骨の一部と付随した肉を下顎に移植したため、入院生活は非常に辛いものがあった。最後に25回の放射線(50グレイ)を当てた影響で、口内炎がひどくKOされたボクサーのように唇も舌も腫れ上がり、食事は流動食しか取れず、入院は3ヶ月を超え、体重も約八キロ落ちつらい日々だったが、カミさんにも私以上の苦労を掛けてしまった。その間会員の皆様を始め関係各位並びに多くの方々のご厚情を頂き、この紙面を借りて厚く御礼を申し上げます。
今思うと医療に関してはセカンドオピニオンは不可欠ということを実感した次第であるが、現在コンビニの数(全国で27000)より多い歯科医院は、玉石混交で需要と供給の経済原則から、地域人口の減少にともなう供給過多で、腕の悪い医者は消えて行き歯医者の経営も大変らしい。ただ地域の総合病院の口腔外科で設備が揃っているにもかかわらず、ガン発見まで五ヶ月を要したことは、こまめなレントゲン診断を怠ったこともさることながら、担当医師の感度の悪さを思わざるを得ない。
そのことに関連して昨年の四月から五ヶ月の間、ひどい肩こりに悩まされていたが、どうやら漢方では、「病膏こうにいたる(入る)」といって、病気がその位置にくると治りにくいと言われており、そのツボは肩甲骨と背骨の間を、上から指一本分下がったところにあり、私が集中的にマッサージ機でもんだところと左右一致する。文献では肺がんなどもここに頑固なコリがが出るらしいから要注意だ。術後は嘘みたいにコリが消えたが、五ヶ月間同じところを揉んだので、今でもその場所にアザが残っている。今回のことで漢方もバカにできないことが分かった。
医療の崩壊 (貧困大国アメリカの第三弾)
国民皆保険を目指したアメリカのオバマケアーは、海の向こうでは大変なことになっている。「がん治療薬は自己負担、安楽死薬なら保険適用,高齢者は高額手術を避け痛み止めでOK。一粒10万円の薬。自殺率一位は医師で、手厚く治療すると罰金、やらずに死ねば遺族から訴訟。こんなことが1%の超富裕層(国を操るものたち)の手で進行している。その仕上げが、人類の生存と幸福に直結する「 医療」の分野だった。前にご紹介したアメリカに関する堤未果の最新のレポート第三弾「沈みゆく大国アメリカ」。現在TPPを交渉中の日本にとって、これはフィクションではなく明日の日本の姿になるかもしれない。と言及している。
現在医療費削減のため我が国は医療機関に対して、無駄な薬は出さないよう指導しているようで、実際医者にかかつていると医者は患者が要求しても必要以上の薬は出し渋っている。いわゆる高齢化社会に伴う医療財政の逼迫によって国からのお達しがあったのだろう。日本の近未来は様相は違うものの、やがてアメリカのような市場原理に医療現場が押し潰されて行く危機感とその可能性に、本書は警鐘を鳴らしている。
さて本書によると、周知のようにアメリカはクレジット社会で、国は国民に借金を奨励している。クレジットに占める医療費負担の割合が大きいのは、国が高額な医療費や製薬会社の法外な薬価(一粒10万円のすごい薬も出ているようだ)一部独占的な保険業者の高額な保険料などで、無保険者を含め低所得者のみならず、中産階級までが自己破産に向かって悲鳴をあげている。
そんな中でオバマ大統領が打ち出したオバマケアー(患者保護並びに医療費負担適正化法案)は国民皆保険制度を目指して立ち上げたものの,一部抵抗勢力(1%の富裕層、国を操るものたち)によって骨抜きにされている。
特にぼろ儲けの製薬会社に対しては、彼らの既得権である薬価の交渉権を政府は奪取できない状態だ。その内情は今後10年で見積もられる処方薬の総額360兆円のわずか2%(8兆円)の値下げとの引き換えに、
オバマが薬価交渉権という選挙公約を放棄する取引を業界との間で交わしていた事にある。
またオバマケアーは保険業界が既往歴や病気を理由にした保険の加入拒否を違法にしたが、業界は代わりに薬を値段ごとに7つのグループに分け、患者の自己負担率を定額制から一定率負担制に切り替えたから、患者負担は恐ろしく跳ね上がる結果となった
中産階級の没落と共に借金漬けで、7秒に一軒の家が差し押さえられ、労働人口の三人に一人が職につけず、六人に一人が貧困ライン以下の生活をする中、年間150万人の国民が自己破産者となって行く国アメリカ。市場原理が働く社会で、医療や保険の縛りで医師も看護師も過重労働をしいられ、医療という聖域に市場原理を推し進める業界の犠牲者である。
アメリカには65歳以上の高齢者と障害者、末期患者のための( メディケアー)と最低所得層のための( メディケイド)という二つの公的医療保険があるが、メディケイドは国からの治療費支払い率が、民間保険の六割と非常に低く、メディケアーは8割と高いため、メディケイド患者を見れば見るほど医師や病院は 赤字に追い込まれるため、これらの患者を見る医者が激減した。その裏には保険業界が牛耳る医療機関に対し、オバマケアー保険加入者を見る指定医療機関リストを大幅に縮小したり保険の支払い率を下げた業界の操作があった。
一方でがんじがらめの保険会社に提出する診療報酬のための膨大な書類提出作業と、高額な訴訟保険の備えで、ワーキンプアーになる医者も多いという。そして驚いたことにこの国の専門職の中で自殺率がトップの職業が医師という本書の報告である。
またこのオバマケアーは皆保険制度を機能させるために様々なことを義務化する。その一番のハードルが(社員50人以上の全企業は、従業員へオバマケアー条件を満たす健康保険を提供すること。) これが従来の格安の企業保険からオバマケアー保険に送られ、企業側は保険の要件を満たさないと罰金まで食らうことになる。そのため企業側は人件費削減のため
労働者の非正規化を進めることになり、聖職である大学教授も非常勤講師に落とされ、今では全米の大学短大で非常勤講師の占める割合が、7割以上を占めている。国力の基盤である教育が資本の原理で崩壊してゆくことは、国家にとって由々しき問題であろう。
アメリカの医療はビジネスという理念で成り立っている皆保険制度に対して、日本のそれは、憲法25条生存権に元ずく社会保障の一環として成り立っており、そこには歴然とした隔たりがある。問題のTPPもさることながら、今後外資企業が日本の経営不振の医療法人を買収する可能性は十分あるが、命の沙汰も金次第と言ったドライな営利主義に凝り固まった強欲な銭ゲバ連中の動向には注意する必要がある。
今回入院で病院のお世話になって見て、高額医療の場で日本の国民皆保険制度の有難さが分かり、日本に生まれて良かったと実感する次第である。今や高齢化が進む我が国の医療財政が曲がり角にきており、その危機的状況も想像できるが、ここは国政を預かる政治家や官僚が知恵を絞って難局を乗り切ってもらいたい。
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