2013年3月3日日曜日

錬金術は止まらない

瀬戸際の米国経済
記者会見するオバマ大統領

米国経済もいよいよケツに火がついてきた様相である。
米国は3月1日、連邦政府の全分野における一律的な歳出削減を開始した。与野党の歳出削減目標分野をめぐって、社会保障費か防衛費かで大きく対立し、その対立が解消されないまま、けんか両成敗として、オバマ大統領は一律強制削減を発令した。
最近報道されている財政の崖とは、財政再建を進めるための「実質増税」と「歳出削減」が、年末年始に集中するために景気が失速しかねなかった事態のことだ。
アメリカは、国債発行に歯止めがきかなくなることを回避するため、国債の発行に上限を設けている。米国は債務上限を規定している世界で唯一の国である。上限引き上げのために採決をしなくてはならないのは、野放図に借金をしないためのチェック機能であり、債務上限を引き上げるには政府の歳出を減らさなくてはいけないという法律があり、現在の債務上限額は、2011年8月に引き上げられ、16兆3940億ドル(1ドル90円換算で約1、475兆円)となっている。それも限度額越えを目前にして、米上院は連邦債務の上限を5月19日まで暫定的に引き上げる法案を可決しており、そのためには今回のような強制的な歳出削減を実施する必要があるわけだ。いずれにしても問題は先送りされ絶対返済不能な額である。また今回の強制削減発動による影響も景気、雇用、防衛、安全、福祉の機能低下など取りざたされている。リーマンショック以降、すでに財政破綻は州政府カリフォルニア州から始まっている。米財務省は、5月19日までに連邦債務の法定上限問題が解決していなければ、再び緊急措置を講じる可能性があるとの考えを示した。
 米政府の財政赤字は2001年の911以後、テロ戦争を口実にしたブッシュ政権の財政の大盤振る舞いによって増え続け、08年のリーマン危機後に公的資金で景気テコ入れ策をやったため、赤字増に拍車がかかった。当時、オバマ大統領と米議会は赤字削減の必要性で合意したものの、どの分野の歳出を削るかで対立を解消できないまま交渉期限の11年夏がすぎ、11年8月にS&Pが米国債を格下げした。

米国議会の政策や財政に影響を及ぼす勢力にロビイストが存在する。政府や有力議員たちを動かすロビイスト勢力には大きく分けて2つあり、一つは民間の金融界や産業界で金儲けに走るグループである。もう一つは 濡れ手に粟で軍事費から膨大な利潤を得ようとしている軍産複合体グループである。最近準備されている「新ドル発行とデノミ」戦略は前者の目論見で、後者はそうした戦略の実行は後回しにして、目先にぶら下がった戦争による利益獲得を優先する目論見が垣間見れる。その戦争の第一候補は言うまでもなく、イスラエル対イラク、イスラエル対パレスティナである。どちらも表面は平穏を保っているように見えるが、シリア情勢の進み方次第ではいつどうなってもおかしくない状況にある。


新ドル紙幣
紙幣発行権を持つ中央銀行(FRB)は同時に世界の基軸通貨ドルを意のままに発行している特別な銀行だ。。FRBはニューヨーク連邦準備銀行が支配しており、ユダヤ系の民間銀行の面々が6割以上の株式を保有している。ドル紙幣は正式には連邦準備券と呼ばれ、それはFRBに対する債務を意味する。財政赤字の解消にねずみ講のように国債を発行してはドルを乱発している。政権内部も金融界も全人口の2%に過ぎないユダヤ人が牛耳っている。それらを動かしているのはイギリスやフランスにいるロスチャイルドの支配者であるから根は深い。歴史を遡れば、世界の金融システムを発明したユダヤ人の高利貸しから出発したロスチャイルドは闇の支配者と呼ばれる所以である。彼らからすればオバマも一使用人に過ぎない。

A.アロマティコ(錬金術)
錬金術

血の一滴は、金の一滴で知られるシェークスピアの「ベニスの商人」に出てくる悪役のユダヤ人シャイロックに象徴されるように、中世ヨーロッパでは多くのユダヤ人が高利貸しを生業としていた。他人に貸した金から利子をとることはキリスト教が禁止していたため、それに手を染めるユダヤ人は欲深い罪人というイメージを持たれていた。しかし、ユダヤ教は例外として異教徒(外国人)から利子をとることは許していた。
「聖地争奪戦:一神教の近親憎悪 」によると、そのため11世紀に、バチカンのキリスト教会がユダヤ人をほとんどの職業から追放した後、ユダヤ人にとって数少ない収入源として残ったのが、高利貸し(質屋)や金塊の保管人、両替商(貿易決済業)など、利子を取り扱うことが多い金融業であった。教会という中世ヨーロッパの支配者が、ユダヤ人をそのような立場に追い込んだ理由は、社会の共通の敵を設定することで、自らの権力を安定させるためだったと思われる。とはいえ、すべてのユダヤ人が金融業者だったわけではない。中世から近代にかけて、ユダヤ人は東欧に多かったが、彼らのほとんどは職人か行商人、もしくは貧しい農民だった。

中世には、弾圧を受けたユダヤ人の移住が何回も起きた。11世紀には、十字軍やイスラム帝国分裂の影響で弾圧された中東のユダヤ人が、ベネチア(ベニス)などに移住した。15世紀には、スペインでキリスト教王国がイスラム王国を倒したことにともなってイスラム王国に協力したユダヤ人への弾圧が強まり、ユダヤ人は全員がキリスト教徒に改宗するか追放されるかの選択を迫られ、多くが北アフリカやトルコ、ベネチアなど地中海沿岸の商業都市に移住した。
このような移住は、たとえば以前にスペインの金融業界に属していたユダヤ人金融家が、トルコやベネチアに信頼できる同業者がいるという状況を生んだ。彼らはこの離散状態を生かし、遠い町との貿易決済業にたずさわるようになり、為替技術を発達させた。さらに彼らは、貿易商人から毎月いくらかの積立金を徴収し、船が海賊や遭難の被害にあったときの損失を肩代わりするという保険業や、事業のリスクを多人数で分散する株式や債券の考え方を生み出した。

 一方、中世にはユダヤ人だと分かっただけで財産を没収されることがあったので、ユダヤ人にとって自らの名前を書かねばならない記名型の証券は安全ではなかった。そのためユダヤ人の金融業者たちは、無記名の証券(銀行券)を発行・流通させる銀行をヨーロッパ各地で運営していた。この技術は、やがてヨーロッパ諸国が中央銀行を作り、紙幣を発行する際に応用された。
 ヨーロッパ各国政府のなかで、最もユダヤ人に寛容なのはイギリスであった。イギリスは政教分離や国家の近代化、産業革命が大陸諸国よりも早く、ユダヤ人を重用することの利益が明確だったからだろう。
この時代に民間資本家として、イギリスの国家運営に最も影響を及ぼしたユダヤ人は、ロスチャイルド家の人々であった。この一族は、もともとドイツ・フランクフルトのゲットーにいた高利貸しだったが、1793年に始まったナポレオン戦争の後、ヨーロッパで多発するようになった国家間戦争のための資金調達をあちこちの政府から引き受けることで、急速に力をつけた。 一族のうちの一人は1797年、産業革命が始まっていたイギリスに進出し、綿花産業への資本提供やドイツなどへの販路拡大を引き受けて大成功し、イギリス政府に食い込んで資金調達を手伝うようになった。

 ロスチャイルド家がたどった歴史の詳細は、よく分かっていない。彼らは他のユダヤ人資本家と同様、自分たちに関する情報が広がって反ユダヤ弾圧に使われることを恐れ、亡くなった家族の日記や手紙、メモなど一切の記録を焼いてしまうような情報管理を行っていたためである。実態が分からないので、仕方なく反ユダヤの人々は「陰謀家」のレッテルを一族に貼り、マイナスのイメージを語り継ぐようになった。 ロスチャイルドは、稼いだ金をふんだんに使って慈善事業を展開することでも知られていた。その事業の一つに、19世紀末に帝政ロシア政府が国内のユダヤ人に対する激しい弾圧を展開し、多くのユダヤ人がロシアを逃げ出したとき、彼らを後に「イスラエル」となるパレスチナに移民させ、資金を出して集団農業を作ったことがある。この事業こそ、イスラエルの建国とパレスチナ問題の発生につながる最初の起源であった。

13世紀からのベネチア=東方貿易での重商主義  : 国際貿易では、金のみが信用できるマネーだった。金匠は金への交換要求が10%しかないことに気がついた時から10%の準備率の概念が発生した。 金の預かりを証明する証券  預かった金の9倍を、追加の金証券として、金が不足する貴族・商人に貸し付け金利(10%の金準備率)をとった。
これが、金証券が、つぎの金証券を生む紙幣(元は、金の保有証書)の、発生の始まりだった。この紙幣発行の構造を、現代の中央銀行システム(=準備銀行)が引き継いでいる。 この無から生じた信用で全欧の富を集めたメディチ家やデル・バンコ銀行家になっていた金匠達は、20世紀は、世界の中央銀行の株主(BOEやFRBなど)になった。米国では、ロックフェラーとロスチャイルド :欧州ではロスチャイルドやデルバンコ である。しかし金の兌換券(紙幣)の金交換を放棄したのは、ほかならぬアメリカ(1971年のニクソンショック)だった。     
                                  (ロスチャイルドの歴史)

  無形の信用を背景にした紙幣発行は合法的な偽札でもある。

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