安芸の宮島 |
初日は昼ごろに広島に着き、フェリーでで平家の守り神でもある厳島神社を見学し、荘厳な佇まいの中で900年の月日を重ねた建造物に思いを馳せ、時の流れの無常感を味わった。島では土産物屋が多くあったが、中でも仏像彫刻が所狭しと大きな店内にぎっしりと陳列していた島一番の規模の店舗では、仏師が制作した彫刻を直近で見ることができ仏師の刀の冴えに感銘を受けた。
その日の夜はお決まりの居酒屋廻りで、広島焼きなるモノを食べたが、具が多い割に粉が少ないので、一般的なお好み焼きより量の割にはもたれもなくすんなり入った。どの居酒屋も混んでいて瀬戸内の魚介類の豊曉な味を楽しんだ。
千光寺公園展望台眺望 |
その後、山陽自動車道を東に進み尾道に向かった。湊町尾道のシンボルになっている「千光寺公園」からしまなみ海道を望む瀬戸内海は大小の島々が眼下に広がり、展望台からの絶景を堪能した。尾道は寺の多い町で時間的に見る時間がなかったので、尾道ラーメンを食べ、隣の福山のバラ園を見て広島に戻ったのが6時走行距離240km、旅の疲れも手伝ってその日の居酒屋めぐりは2軒で終了。
3日目、広島は川の多い街である。昼からの美術館当番まで時間があったので早朝散歩をし、原爆ドーム、平和記念公園を廻った。爆心地に当たるここに残ったドームは周りの建物が全て吹き飛ばされた中で唯一残った建物で3階建ての産業奨励館だった。この辺は川に囲まれた地で、原爆投下後には川のいたるところで2~3倍に紫色に膨れた死体が無数に漂っていたことが記されていた。展示資料を見ると、今更ながら原爆の恐ろしさと、現在我が国が抱えている時限爆弾(使用済み核燃料廃棄物)が広島の原爆の数万倍もの威力を保持したまま眠っていることのへの恐怖を改めて感じた。因みに広島型原爆のウラン235の量は約60kgであり、福島第一原子力発電所の二酸化ウラン量 は2466tがある。
まさにこの原爆ドームは世界に発信する反核のシンボルであり、原爆でなくなられた20数万の霊にたいしても、また世界の平和をねがう人々にたいしても、存在し続けるべき歴史的建造物でもある。
会場 風景 |
お昼まで隣接する縮景園を散策し、美術館に入った。おりからNHK大河ドラマ50年 特別展「平清盛」が開催されており、900年前の貴族政治が衰退して混迷を深めた平安末期に登場した平清盛が瀬戸内の海賊を束ねて武家(平氏)の棟梁となり、平氏隆盛の足跡を辿るとともに、関連の資料の展示などの特別展が行われていた。
さて今回の鎌倉彫地方巡回展は、過去に国内展、や海外展など多くの巡回展を催してきた教授会の西日本でははじめての広島展であり、会場は広く現代鎌倉彫の多くの作品が展示されていた。NHKの取材も入り会場は大勢の人々が終日訪れ、広島市内のみならず近隣の県からも来場者があり、工芸作品に対する関心の深さが伺えた。また会場では体験教室やDVDの放映もあり盛況であった。
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