ダリ 内乱の予感 1936 |
鳩山,菅、野田と3代続いた民主党政権も黄昏が近づいてきたようだ。前田国土交通相と 田中防衛相に対するの問責決議案可決は民主党政権で3度目になり、小沢グループの造反や国民新党の内紛も加わり民主党政権の足元が揺らいでいる。
八方美人の野田首相は「党の利益よりも国益が優先される」を繰り返し言っているが、やっていることは真逆で、民主党政権の癒しがたい言行不一致にふりまわされ、、政治は混迷を極めている。そんな折も折、国の不甲斐なさに業を煮やした東京都石原知事が外交音痴で国益を毀損している野田内閣の領土問題に一石を投じた。
歴史の転換期には時の政府の統治能力が劣化し紛争を解決する能力を失った時、政治権力を分有してきた各党派間の権力闘争が激化する。まさに徳川幕藩体制末期から明治維新の時代の様相が重なる。我が国の近代史上、中央政府における権力闘争が全国的規模の内戦に発展したのは倒幕戦争であった。幕末、薩長同盟軍(地方政府軍)は幕府軍(中央政府軍)や佐幕派の欧州列藩同盟軍を撃破した。弱体化した中央政府は台頭する地方政府によって権力を侵奪される。
大阪維新の会、明治維新を彷彿とさせる命名は言えて妙だが(橋下・松井)は、坂本龍馬を意識してか船中八策なるものをぶちあげた。荒唐無稽な夢物語と思われていた「大阪都構想」もわずか数年で実現する見通しである。大阪維新の会は、民主・自民・公明・みんなの党などの既成政党の弱点をついて恫喝し、各党を競わせ、法案提出寸前にこぎつけている。原発再稼働についても民主党の手法を批判し徹底抗戦の構えを崩さない。
報道では13日、大阪維新の会橋下徹代表は「次の衆院選のときに民主党政権には代わってもらう。もう国の統治を民主党に任せることはできない。大阪維新の会松井一郎幹事長は緊急幹部会を招集し、「今のままでは(民主党政権と)全面対決となるであろうが仕方がない」と全員異議なしで橋下徹代表の倒閣宣言を追認する旨の機関決定を行った。いわば地方による中央への下剋上でもある。
一方で東京都石原知事は「尖閣諸島を所有する地権者との間で、尖閣諸島を買い取る合意ができた。売買契約の時期は国の賃貸借契約が切れる来年4月」という。石原都知事は 「尖閣諸島の実効支配を狙って漁船や巡視船を派遣して実効支配の実績を積み重ねている中国の侵略行為に対し、見て見ぬふりに終始する民主党政権(外務省)には任せておけない。東京都が国に代わって領土を保全する捨て石になる。地権者の意思を尊重して、まず東京都が買取り、然る後、国が国有化の意思を固め、実効支配に資する必要な施策をとったならば、所有権を国に移転してもよい」と語った。それに乗じて野田首相も国が買ってもいいと言い出した。だったら最初から言い出すぐらいの覚悟と根回しをしろよと言いたくもなる。
奇しくも二人のポピュリストが起爆剤となり、3代続いた民主党の自己崩壊が進んでいく。次回の衆院選は「民主党対自民・公明両党」という旧来の政権交代の図式にはならないだろう。民主党、自民党、みんなの党、立ち上がれ日本、国民新党等の既成政党の枠組みを超えて政界再編がなされ、現国会議員や元国会議員のみならず、雨後の筍の如く芽生えている全国各地の政治塾の動きも気になるところだ。次回衆院選と来年夏の参院選は我が国の政治を一新する転換点となる予感がするのだが、果たしてどうなることやら。
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