2012年2月28日火曜日

日々雑感

建国記念日

2月に入り横浜市から寿(濱ともカード)が送られて来た。これを協賛店に提示するとサービスが受けられるらしい。高齢者という表示には抵抗があるが、改めて65年という年月を考えると「俺も若くはねーんだ」と妙に納得をする。
そういう自分は建国記念日に生まれたわけだが。そもそもこの記念日、古事記や日本書紀に記された初代日本の天皇である神武天皇が即位した皇紀元年(西暦紀元前660年2月11日)を表す。この時代は日本が弥生時代前期であって、神話として解釈する場合も多い。
これによって、2月11日は日本が建国された日として、明治6年(1873年)に祭日(紀元節)と定められた。そして紀元節は昭和23年(1948年)に廃止されたが、昭和42年(1967年)来建国記念の日として祝日とされている。


皇室写真
日本国は世界でも類を見ないほど歴史が長く、平成の元号の今日までこんなに続いている国家は日本以外に存在していない。よく中国(中華人民共和国)が引き合いに出されるが、中国は建国されたのが1949年、まだ63年しか国家としての歴史はない。日本は歴史のある国家で、万世一系で続いている天皇家は2位のデンマークや、かのイギリス王朝よりずっと古く日本の宝でもある。
皇位継承問題も今後の課題としてあるが。
皇室典範は、男系男子が皇位を継承するとしており、このままでは皇統が途絶えるのではないかという、深刻な憂慮がある。国民の間には女性天皇容認論が広まっているが、しかし、わが国は男系継承で一貫してきた伝統があり、神武天皇から125代にわたって、皇族は一つの家系に連綿と受け継がれてきたと我が国では信じられてきた。異論はあるだろうが、いずれその答えは出るだろう。


近頃の世相

半年前に注文していたトヨタのハイブリット車がようやく納車になったが、引渡しの際、妙な念書を書かされたが文面を見ると、今後暴力団との付き合いや、関わりを持ったことが明らかになった時点で、車検を含むサービスや日常の取引が出来ない旨の内容だ。どう見ても堅気の私には腑に落ちないので確認したところ、昨年来の暴力団排除条例が全都道府県で施行されたことを踏まえ、一般市民を含め暴力団壊滅に向け、社会全体で排除活動を推進するよう警察が進めているその流れだという。そのせいか各地で暴力団排除運動が起きている記事を思い出した。

表社会に寄生している裏社会の実情を想像すれば、さぞやヤクザの世界も一般社会以上に厳しい経済状況に追い込まれていることは想像がつく。子分の些細な犯罪で親分がしょっぴかれる時代になり、総会屋も減り、みかじめ料(用心棒代)も減り、賭場の上がりも減り、暴力団の関連した企業も締め付けが厳しくなっており経済ヤクザも大変らしい。、一番のシノギ(生計)の上がりは覚せい剤という調査もある。今後取締が強化されていくと、彼らはアンダーグラウンドのマフィアに変貌していくという評論家もいるほどだ。どうやら昔のように肩で風をきっていた羽振りのいい時代は終わったようだ。暴力団予備軍の血の気の多い若い連中もしょぼくれたヤクザを見て暴力団に入る物好きも少なくなり、オレオレ詐欺のようなケチな稼業に手を染めているヤクザ風の連中が増えていると、ノンフィクション作家の溝口敦氏が著書「暴力団」で述べている。

2012年2月11日土曜日

中国経済のからくり

出稼ぎの農民工
高度経済成長の国ではインフレが起きやすいことは、戦後日本の高度成長期に起きた現象をみればわかりやすい。すなわちニクソンショック以前、為替は1ドル360円の固定相場が続き、国内は常にインフレで、実質為替レートは上昇し続けた。ところが一旦変動相場制になると、その後は円高一辺倒で、ついに1995年に80円を割るまで高進した。この間、日本における非貿易財価は内外価格差(日本国内の価格が高すぎる)問題を生んだ。
ところが中国では不動産バブルを除けば一般消費財は過度のインフレにはなっていない。中国から輸入されるそれらも、値上がりはしていない。今わが国で隆盛を極めている100円ショップも健在である。

最近読んだ「通貨燃ゆ」の著者谷口智彦氏が中国のインフレ抑制のカラクリを(2章人民元をあえて経済から見ない)から指摘している。その仕組みとは、
中国では2種類の人間がいる。都市戸籍を持つものと、農村戸籍しか持たない者との2極分化が顕在化しており、前者が一等市民なら後者は2等市民である。出身によって明確な差別があることは、農村戸籍のものが都市へ出た場合に生じる次のような差別実態が証明している。これは中国の成長の裏に隠された影の部分でもあり、世界最大の人事部と言われる所以である。
◎農村戸籍しか持たないものは
1.最低賃金制の適用対象にならない。
2.企業の採用面接を受けられない。
3.子供を公立学校へ通わせる際、高い学費を払わされる。

一般的に経済が伸びると、農村人口は都市へ移動し人口比が変化するものだが、中国はこの農村戸籍制度によって農民を農地に閉じ込めることによって都市化率が極めて低く農村の貧困率も高い。農村出身者は、地元政府機関の斡旋で集団として都市に入り、多くは機関監視の下で一定期間下層労働に従事する。その数約1億4千万人。期間が終わると次の農村出身者が新たに入り、そして賃金は再び最低線からのスタートとなる。この労働循環のためコストインフレを回避している。このため実質為替レートが上がらないため、人民元に対する上昇圧力が顕在化しないのである。
一方で都市戸籍を与えることを餌に数々のインフラ建設で強引な立ち退きを迫り、道路であれ空港であれ、あっという間に安いコストで作ってしまう。もちろん供給過剰の高級住宅も例外ではない。都市部を中心に入居者の埋まらないまま値下がりにさらされている物件は山ほどある。不動産バブルもいよいよ本格化してきた様相を見せている。(谷口)
中国の年中行事 暴動

毎年実質 GDP は 10%前後成長しているのに対して、出稼ぎ労働者の賃金はほとんど上がっていない。それは輸出企業が価格競争力を強化するために、人件費を不当に抑制しているからである。このことが長く続くと、深刻な社会問題に発展する可能性があると中国の経済学者は警告している。


中国の通貨 人民元
      ◎通貨戦争
近年、中国経済の高成長を背景に、国際社会では、とりわけアメリカ、EUを中心に人民元為替レートの切り上げを求める動きが盛んになっている。それに対し、中国政府首脳は「外国の圧力に屈して人民元の切り上げは実施しない」と繰り返して強調し、強気の姿勢を崩していない。
これは中国政府のなかで、人民元の為替調整について 3 つ原則があるといわれている。すなわち、「自主性」と「可控性」と「漸進性」である。自主性というのは外国政府の圧力に屈せず、自主的に為替調整を実施する。また可控性とは完全に自由化せず、コントロールを続けていく。最後に、漸進性は短期的に大幅な切り上げを実施せず、緩やかに調整していくということのようだ。要するに、為替調整による中国経済へのショックを最小限に抑えるということのようだ。
少なくとも中国はかつて日本がプラザ合意で大幅な円の切り上げを経て,失われた20年に至った経過をつぶさに見てきたことが教訓になっているからだろう。そのためドルからの圧力緩衝と、固定相場制を維持するため元高にならないようにドル買いを進め、それが米国債の保有額の増加につながっている。外圧でやがて元が変動相場制に移行したら、中国は日本と同じ道をたどるだろう。
最近、円高を食い止めるために、わが国の日銀が為替介入(円売りドル買い)で捨てた金が昨年末で約9兆円。これが米国債に変わり、喜んでいるのはアメリカだけだ。アメリカがドル安を志向している限り、円高は止まらない。
日本の自動車メーカーでは1円の円高で、トヨタは400億の損出が生じると言われていたが、今も過酷な円高による国内の輸出産業は大幅な赤字決算に見舞われ大打撃を被って雇用を喪失している。こうしたことも元の為替相場が低い水準になっている事の影響も少なからずある。唯一円だけが返り討ちにあって深刻な状況にさらされているなかで、国は小手先の為替介入をいつまで続けるのだろうか?産業の空洞化はヒタヒタと進行している。

2012年2月6日月曜日

不気味な海洋汚染


「NHKスペシャル 知られざる放射能汚染~海からの緊急報告~」によれば、東京湾の海底の放射能汚染が進行しているようだ。東京湾の魚はこれから食えるのかという釣り人の不安を煽る放送であった。
想像を超えた調査結果が示している現状では、江戸川の川底は、河口から8キロの地点で1キロあたり1623ベクレルのセシウム汚染。河口では872ベクレルが計測されている。東京湾の河口は原発至近の海と変わらない汚染の様相を見せている。これらの堆積したセシウムは時間をかけて東京湾に侵食していき、汚染がピークに達するのは2年2か月後。この汚染は10年以上続く見込みだ。これは関東平野に降り積もった放射性物質が河川を流れ、東京湾に注ぎ込まれる地形によるものだ。今更ながらこの調査結果には戦慄を覚える。さらに相模湾にかけても今後の調査を望むところである。

当初福島の海で計測されたヒラメやメバルなどの底魚はヒラメの最高4500ベクレル/kgのセシウムが検出され、基準値500ベクレル/kgを大きく上回った。汚染状況は沿岸流の影響で放射性物質は茨城から千葉へと,沿岸流によって南下し拡散は始まっている。映像で見た地上で話題になっているホットスポットも海底の土や泥にも存在している様子が垣間見れる。網にかかったヒラメやメバル、カサゴを見てつぶやいたやるせない漁師の言葉「これもゴミか。」が印象に残った。そもそもこの暫定基準値自体国際的には甘い基準値で、有識者からの指摘で厚労省も重い腰を上げ、この四月から魚を含む一般食品の基準値を100ベクレルにするようだ。漁民にとってはますます厳しい事態になるが、我々一般消費者の食の安全を考えた場合やむをえないことだ。逆に言えば魚も含めてあらゆる食品がこの基準値をくぐり抜けるための産地偽装に走らないことを願うばかりである。
 
一方汚染スポットに定住している底魚とは違う生態の回遊魚に関しては、流通・加工業者らでつくる「北海道サンマ産地流通協議会」は昨年、福島第1原発の北100キロに当たる宮城県金華山より南の海域で取れたサンマを扱わないよう求める要望書を、根室市など道東の地元4港の市場に提出した。
また、「全国さんま棒受網漁業協同組合」が東京で理事会を開き、福島第1原発から半径100キロ以内の海域を「操業自粛区域」から「禁止区域」へ規制強化したのだ。月を追うごとにサンマの群れが岩手県沖まで南下してきたことが理由という。

カツオの南洋での遠洋漁業は1年を通して行われ、日本では静岡県および鹿児島県が漁獲高の大半を占める。冷凍されて日本で水揚げされ、主にかつお節の原料になる。一方、近海物のカツオは、鹿児島県から静岡県遠州灘にかけては春、伊豆より北では初夏に漁期がやってくる。
これらの地域では『もどりカツオ』も漁獲でき、秋に漁期が来るが、このときの放射性物質に注意が必要らしい。太平洋沿岸を回遊する鯖は、伊豆半島沖で春ごろ産卵し、餌を食べながら北上し、9~10月ごろ南下を始める。鯖によく似た生態系を持つ出世魚ブリも同じような行動パターンで、大型になればなるほど食物連鎖の頂点に近づき、体内に凝縮され蓄積していく。



「放射能を防ぐ知恵」の著者でNPO法人「食品と暮らしの安全基金」代表の小若順一氏が次のように言及している。
「魚から放射性物質が検出されても、基準の1キロあたり500ベクレルを超えない限りは操業を自粛しません。事故前の魚の平均値は0・086ベクレルでしたから、放射能汚染魚が出回ります。基準を超えると、国は取ってはいけない海域を決めるが周辺海域での漁は続きます。すべての人と言いませんが、特にこれから子どもをつくる若い世代は要注意です」
ヒラメ、カレイ、スズキに関しては、福島周辺の各県で非常に高い値が検出されているにもかかわらず、岩手以北、神奈川県以西のデータがほとんどありません。基準の500ベクレルを見直さない限り、関東や東北の太平洋側で取れた魚を安心して食べることはできません」(小若氏)

「事故前の魚の放射性セシウムの平均値は0.086ベクレルだから、今は事故前の約2万7000~1万6000倍ということになります。米国がビキニ環礁で行った水爆実験では、魚介類に影響が出始めたのが半年後。福島原発で汚染水が流出、投棄されたのは3月下旬~4月上旬だったから、だいたい当てはまります。高濃度汚染の魚介類はさらに増えるだろうし、汚染域は太平洋沖にさらに拡大していく。影響は5年ほど続くとみています」

一方で群馬県や栃木県の山間部の湖沼などにもセシウム汚染が深刻化しており、淡水魚の汚染もワカサギなどに広がっている。狭い陸封型の湖沼は海洋よりもやっかいだ。

2012年2月5日日曜日

政局探訪

最新の時事通信社の行なった野田内閣の支持率は28%に下落し、消費増税反対は53%と不支持率は同6.5ポイント増の48.3%。支持率は政権発足から4カ月余りで「危険水域」とされる3割を初めて割った。消費増税に反対する民主党の一部議員が離党したことや、小沢、鳩山などが消費税反対を打ち出していることなどから、迷走は続き来年夏の任期満了を待たずして、解散総選挙の風も吹きそうだ。それも党内最大派閥の小沢一郎の動向次第では政局が変わる可能性もあるだろう。

民主党の迷走の根幹はマニフェスト違反によるものだ。野田政権が進めている消費税増税は、マニフェストに一切書かれていないどころか、「現行税率を維持する」「議論すらしない」などと公約していた。ところが財務官僚の口車に乗って増税路線に舵を切った。その他、普天間基地問題で「最低でも県外へ移設する」としたものが引っ込めざるを得なくなったり、マニフェストの目玉の一つであった「子ども手当」は実質的に廃止されたり。八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設再開など、同じくマニフェストの目玉の一つであった国家公務員の総人件費2割削減は実現困難な情勢である。

「官僚丸投げの政治から、政治家主導の政治へ」とうたっていたが、消費税増税に見るようにほとんど官僚の振り付けで運営している状況である。これだけのマニフェスト違反を続けている政党は既に政党の存在理由がないわけで、退場を待つだけである。

ここで我が国の政治課題は数多くあるが主たるものを洗い出してみると、
(1)輸出型産業の競争力低下、(2)内需の低迷とデフレ対策、(3)GDP比200%を越える巨額の財政赤字、(4)史上空前の円高、(5)更に加速する少子高齢化、(6)大震災後の原発と環境問題などが挙げられる。政治がしっかりしたリーダーシップを示せない国の経済が、大きく発展することは考えにくい。軒並み赤字決算を出している上場製造業を見ると、消費税を上げている場合ではないだろうと思う。
これら難題を抱えた国の運営を持て余して、決められない政治を続ける民主党や、自民党の体たらくを見ても今の既成政党に望みを託す国民は少ない。両党とも選挙になったら過半数割れがちらついている。


そんな中で一人気勢を上げているのが大阪維新の会橋下大阪市長だ、国政に出て打つ勢いは止まらない。これから出てくる新党との合流も視野に入った昨今、ロートル新党たちあがれ日本の石原慎太郎の亀井静香を巻き込んだ連携の動きをみて、セガレの自民党幹事長の伸晃がオヤジに新党が政界に躍り出たら俺は自民党の総裁になれないと泣きついたせいで、親バカの慎太郎の新党結成の動きが鈍っているらしい。
橋下に相乗りするのか、小沢、亀井、石原、渡辺?いみじくも石原がつぶやいたように政治は一寸先は闇ということで、ますます今後の政局は混沌としてきた。