2010年4月11日日曜日

滅びゆく美

                              三ッ池公園




桜を愛でる季節が来た。 私は桜は満開から散り際のこぼれ桜が好きである。どういうわけか水際に多く植えられた木であるが、水面に散った花びらが吹き寄せられて流れていく様子は、花筏(はないかだ)とも言われ。移ろいゆく季節をよく現わしている。

今年は太平洋岸の親潮が例年より南下しており、水温が低いことも影響して北東の寒気がいつまでも居座り、4月になっても花冷えのするうすら寒い日が多いが、今年はまだ行ったことのない神奈川の桜の名所巡りをやってみた。

最初は三ッ池公園、ここは横浜市鶴見区にある三つの池がある総合公園で設備も整っており、車いすの貸し出しもやっている。園内には35品種1000本を超える桜が植えられており、日本さくら名所100選の一つに選ばれている。園内には韓国庭園もあり、ちょっとした異空間が味わえる。
http://www.kanagawaparks.com/mitsuike/

                                                                                            引地川



次に大和高座渋谷にある引地川沿いの千本桜、引地川は相模原台地の終末部の谷戸に端を発して相模湾の鵠沼海岸に注ぐ、実際には、650本の桜が1.3キロに渡り高座渋谷から桜ケ丘に続く、引地川の両側には、大木の桜が続く。意外と川の水はきれいで鯉が泳いでいる。川に枝垂れるように下がって咲く桜は川を白く染め、散り始めた桜が、川に踊る。川の両側に植えられている桜並木は、時には4列となり、厚く川を覆う。ちょうど中頃の橋では、屋台も出て、人で賑わっている。近く田中八幡宮の境内ではフリーマーケットがひらかれていた。
http://www.odakyu.jp/walk/13/6.html

                          大岡川

           

3つ目は横浜大岡川の夜桜である。弘明寺から蒔田までしか歩かなかったが、屋台の多さは随一で、どこも行く先々は酒と人波で喧騒に包まれていた。

酒なくて何のおのれが桜かな。そこで花明りの中で一献カミさんとかたむける。行く川の流れに目をやると、諸行無常の風情あり。周りの人々は春の宵に浮世の憂さを晴らしているようだった。そんな人間たちを見下ろすように、寿命近くになる桜が老木に鞭打って今年も健気に花を咲かせている。さながら川面桜の放浪記とでも言おうか、日本人の原風景がここにある。花は桜木 人は武士 柱は檜 魚は鯛 小袖はもみじ 花はみよしの。

http://blog.narioka.com/

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