2009年10月1日木曜日

終わりと始まり


「自民党をぶっ壊す」と絶叫した小泉元首相、安部、福田と続き、麻生漫画内閣によって、戦後54年続いた自民党崩壊の総仕上げをした麻生太郎元首相は、国民が望んだ政権交代の立役者である。今回の選挙結果は自民党のコバンザメ政党の公明党までぶっ壊したおまけがついている。

民主党は今までの旧政権が残したレガシーコスト(負の遺産)のあと始末を始めているが、これが一筋縄ではいかない。建設中または建設予定のダムは八ッ場ダムを筆頭に140ほどある未建設のダム問題、天下り廃止問題、日航の再建問題、年金問題、どれをとってもマニフェスト通り忠実に実行できるのか、いささか疑問である。硬直したマリフェスト実行よりも柔軟性のあるマニフェストの実行をしてもらいたい。


自民党の再生  

戦後半世紀に渡り日本の政治権力を独占してきた自民党の力の源泉は、農村を権力の基盤としながら、経済成長を図り、その成果としての富を公共事業を通じて農村に還元させる再配分政治にあった。その再配分政治をより上手く回すために綿密に練られた権力構造が、「自民党システム」であった。しかし、その後の経済成長に伴う日本の工業化を進めた結果、自民党は自らの権力基盤である農村を弱体化させていった。 伝統的な農村依存型ではもはや権力の維持が困難であることを悟った自民党は、小泉首相の登場によって、これまで自民党システムを支えてきた農村を切り捨て、都市浮動票を獲得することで一時的に新自由主義政党として党を再生させるという、窮余の一策に打って出るが その結果、小泉政権誕生以降、自民党は急速に農村の支持基盤を失い、人気をベースとする都市無党派層に支えられた都市型政党に変質した。



今回の選挙では自民党が失った農村地盤を、そっくりそのまま小沢民主党が取り込んだ結果が見えてくる。
小泉改革は格差の拡大という深刻な問題を引き起こし、小泉路線を引き継いだ安倍首相以降の自民党は、従来の支持母体を失った上に、都市無党派層にもそっぽを向かれ、その後の福田、麻生の軟弱な体制のまま、方向性を失って迷走を続けることになる。


自民党の再生は過去のしがらみを振り棄て、50年間でため込んだ垢と膿をきれいに払拭し、新生野党自民党としての実績を積み重ね、コバンザメのような信者政党の公明党(かつて20年ちかく公明党の委員長をやってきた竹入氏が、公明党と学会の関係を政教一致と赤裸々に暴露している。)からも解き離されたならば、将来復権も考えられるだろうが、あくまでも民主党が大きな過ちを積み重ねないことが前提になるだろう。

それにもまして既得権益にまみれた自民党の体質が変わらない限り、いくら国民への再分配を謳っても、国民は戻ってこないことを今の自民党若手は痛いほど知っているはずである。いまだ隠然たる影響力をもった党内のご老体には、聞こえてか聞こえずか世代交代の声は日増しに上がっている。

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