2015年6月12日金曜日

厄病御三家

マーズウイルス

最近またまた<ズ>の付く怪しい感染症が韓国から発生し、距離的に近い隣国の疫病に我が国も騒然となっている。この病はマーズ(中東呼吸器症候群)と呼ばれ、、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症で、原因となるウイルスは、MERSコロナウイルスと呼ばれており、主に中東地域で患者が報告されている。致死率は、これまでの報告では35%の致死率で、先に中国で起きたサーズ(重症急性呼吸器症候群)の致死率15%の倍以上である。中東発のラクダからの感染症が一人の中東訪問の韓国人から発症し、国の安全性に不感症のアホなお国柄のため、初期対応のまずさから患者が増え、野放しにされた患者がまた患者を生み現在3次感染まで含めると122人で死者が9人となった。今後患者の数はネズミ算式に増えて地域拡散の様相を見せているから不気味である。朴クネ大統領もアメリカ訪問どころではなくなり、国民からの突き上げを恐れてバイオハザードさながらのマーズ対策に重い腰を上げたところだ。


サーズウイルス

さて韓国の宗主国であるお隣の中国は、先にサーズ(重症急性呼吸器症候群)で先鞭をつけた。2002~03年に中国広東省に端を発し世界的流行になったこの疫病は、、香港経由で世界各地に拡大し、世界を震撼させた。次々と感染者が増え、多くの中国人が死亡した。 野生動物を多く食していた広東省では、中でもハクビシンによるコロナウイルスから人間に波及したとみられる。そのためはハクビシンの養殖所を閉鎖したりしたが、一向に収まらず2003年時点で世界中で★感染者:8,456人 ★死亡者:809人 となった。
いずれにしてもマーズにしろサーズにしろ、その該当動物が保有するウイルスが、突然変異を起こし人に感染する新型のコロナウイルスとなり、そして高温多湿、過密な人口密集地域、野生動物を好んで食べる習慣などとあわせて衛生状態の悪いお国柄と相まって、ウイルスの好む環境と深く関係することは疑いの余地はない。いずれもこの二つの病のおもな症状は、38度以上の発熱、せき、呼吸困難などを起こし、重篤な肺炎に至る。

エイズウイルスと侵された白血球

さて最後に登場する<ズ>はよく知られた厄介な厄病エイズ(後天性免疫不全症候群)である。ウイッキペディアによると、現在全世界でのヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者は5千万人に達すると言われている。その拡大のほとんどがアジア、アフリカ地域の開発途上国において見られる。サハラ以南のアフリカには全世界の60%近くのエイズ患者がいると言われ増加傾向にある。また一部の開発途上国では上昇していた平均寿命が低下しているという現状がある。近年では中国(エイズ村)、インド、インドネシアにおいて急速に感染の拡大が生じて社会問題化している。エイズの流行が始まって以来およそ7500万人がHIVに感染し3600万人がエイズ関連の疾病で死亡したと考えられる。世界中で感染者が3500万人を超え、年間230万人の新規感染者と160万人のAIDSによる死亡者が発生している事実から考えると、いまだ人類が直面する最も深刻な感染症の一つとして恐れられている。
もっとも、劣悪な輸血や、やばい性交渉、注射器の回し打ちなどをしない限りは縁のない厄病であるが、油断は禁物である。現に上記の2つの<ズ>は幸い日本人の感染者は今のところいないがエイズは別だ。 日本でもHIV感染者数・エイズ患者数は増加しており、統計によると新たに報告される感染者数・患者数は年間1,500人を上回っている。また、HIVに感染していたことを知らずに、エイズを発症して初めて気づいたというケースが、約3割を超える高い水準で推移しているようだ。先進国の中では唯一若年層を中心に患者数が増えている我が国の現状は気にかかる。


この病、起源は中部アフリカ、カメルーンのチンパンジーという説が有力であり 、そこから人に感染して世界中に広まっていったと考えられている。1981年にアメリカのロサンゼルスに住む同性愛男性(ゲイ)に初めて発見され症例報告された。ただし、これはエイズと正式に認定できる初めての例で、疑わしき症例は1950年代から報告されており、「やせ病」という疾患群が中部アフリカ各地で報告されていた。1981年の症例報告後、わずか10年程度で感染者は世界中に100万人にまで広がっていった。元々はサルなどが持っていたウイルスだったものが突然変異を起こし今の形態になったので、ここでも野生動物が起源とされている。
このろくでもない<ズ>のつく厄病が今後とも新たに出ないことを願うばかりだ。

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