2015年5月16日土曜日

鎌倉界隈

左から大正7年植樹した頃の段葛 中央平成26年 右平成27年 5月
 

最近久しぶりに用事があって鎌倉に行った。昨年の10月の入院以来久しぶりに見た鶴岡八幡宮の参道段葛は、桜の木が抜かれ高い工事用の塀が八幡宮に続いていた。月日の移り変わりの速さを感じた次第であるが、鎌倉市では近年、玉石の崩落が相次いだことや約250本に及ぶ桜並木の樹勢が衰えたこともあり、平成22年に鶴岡八幡宮から整備を求める訴えがあったという。
工事主体となる鶴岡八幡宮と国・県・市による総事業費は約5億8千万円。工事期間は1年半程度とみられ、玉石を新たに築き、桜を植樹することで全体をかさ上げすることになった。

期間中は段葛の両側を高さ約3メートルのパネルで遮断して通行止めとする。段葛はメーンストリートである若宮大路の中央部に築かれた高さ約1・2メートルの土塁上に敷設されており、現在は同大路に下りるための出入り口が36カ所設置されているが、歩行者の安全確保のため整備後は大幅に減少する見込みだ。鎌倉彫会館と目と鼻の先にある反対側の鎌倉彫慶には通路が遮断されていて鳥居まで戻り、大回りをして店に行かなければならない。そうでなくても慢性的な混雑ポイントのこの界隈は、工事でさらに混雑することが予想される。来年の初詣も今年同様歩道が人であふれることになるようだ。

報道によると、その改修工事は11月4日から始まった。老朽化の目立つ参道を補強し史跡としての風致・遺構を保全するとともに、参拝者と車両の安全確保、桜並木の回復と育成が主な目的で、期間中は高さ3mの仮囲いで遮蔽され、工事が終わる2016年3月まで通行できない。
改修により左右の堤をコンクリート擁壁の上に石積みする構造として、積石のたるみや崩落を防止するほか、踏み固めで桜の根を傷めないよう、参道の下に貯留槽と基盤材を埋設する。また試掘調査で発見された土層を保護するため、南側に向かって厚くなるように参道路面の「かさ上げ」を行う。東西への横断が可能な「開口部」に関しては、これまでの36カ所より少なくなる見込みだ。
また 現在植えられている桜は、専門家が「育成が期待できる」と鑑定したものを平家池周辺に移植し、そのほかは伐採する。改修後は、種類や樹齢など可能な限り統一した桜を新たに植え、育成に適した樹間を確保するため従来(248本)より少ない180本程度となる予定。つつじ類は全て同宮の境内と、交流のある東日本大震災の被災地に移植する方針だ。

若宮大路の中央部に位置する段葛は、鎌倉時代に源頼朝が政子の懐妊と安産への願いを込めて鶴岡八幡宮から由比ガ浜にかけて、頼朝が築いた。幅4~5メートル、長さ約500メートルの参道で、何も植えられていない段葛に松や梅が植えられたのが明治のことで、桜が植えられたのは1918年(大正7年)頃のことだったと言われている。 その後石垣を。昭和30年代には玉石が積まれ、それを覆うようにツツジが植えられた。思えば親父の年が大正7年生まれで、ほぼ同じの97歳である。
ここの桜はソメイヨシノでこの桜は江戸時代に染井という植木屋が、江戸彼岸桜と大島桜を掛け合わせて作った新種の桜である。 山桜や他の桜と違って成長も早いので、あっという間に全国に広まった。その代わりに寿命は100年といわれており、手入れが行き届いてないと60年とも言われている。老木が朽ち果てる前に新しい見頃の桜を植樹する予定であるが、上の画像は大正7年の段葛と昨年までの老木が咲き誇っている段葛と今年の段葛である。

樹木に限らず生きとし生けるものはいずれ寿命が来る。天命とは言え我が家の老木も100歳を目指して目下奮闘中である。

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