2014年8月23日土曜日

政治の劣化


公費乱用で説明責任を果たせず、韓国の泣き女も顔負けの号泣議員から始まり、各地で取りざたされている地方議員(痴呆議員)の公費乱用の発覚が広がっている。年間195回のカラ出張は異常としても、大なり小なり甘い汁を吸っている議員が多いことは最近の報道で見て取れる。政調費と称してまともな政務もせずにお手盛りの公費乱用は目に余るものがある。

国会議員が衆参合わせて720人余りなのに対して、地方議員は全国に35000人余りもいる有様だ。議員総数がけた違いに多い地方議会には、少数だと信じたいが、玉石混交なかにはおかしな人物も紛れ込んでいるのだろう。不祥事を起こす不心得者がいても不思議ではない。今でも全国41都道府県議選挙が実施された際、2011年度では無投票当選者は410人に達した、投票率が低下の一途をたどる背景には組織票の比重が高まり、特定の組織や団体の後ろ盾を持った連中だけが当選する傾向が強まっている。この時も総定数から換算した無効票当選率は17.6%と伝えられている。なんと県議のほぼ5人に1人が選挙なしの当選確実組である。無意味で下品ななヤジ、公費乱用、LINEに絡んだ幼稚な議員、薬物使用、銃刀法違反など数え上げればきりがないが、政治は足元から劣化している様相を呈している。

社会学者宮台真司が問題にしている感情の劣化について、氏はこう述べている。
「昔、日本人の多くが持っていた心の働きが劣化してしまったので、その一方で政治の劣化をもたらし、性愛の劣化をもたらし、一方で犯罪の劣化をもたらしています。犯罪がどんどんずさん化している。それは社会の劣化も示している。」
「人々は鬱屈する。鬱屈した人々は、感情的に劣化しているので、感情の釣りで炎上させれば、社会を手当てしなくとも、政治は回る。ポピュリズムは回る。そして感情の劣化現象に適応した政治的メッセージを発しないと当選できなくなる」


政治は言葉だというが、自分の意図や、主義主張を発信する手立てはコミニケーションであるが、感情に偏重しすぎると、言葉の論理的な整合性が損なわれる。なおかつ民主主義を感情統治でコントロールし、国民のコンセンサスを得ようとするならばそこには不協和音が聞こえてくる。
民主党に失望し再び自民党に回帰した国民の多くは今何を思うのだろうか?

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