開催決定に歓喜する安倍首相 |
2013年9月8日(日)午前5時28分(日本時間)にアルゼンチンのブエノスアイレスのIOC総会会場で、IOC会長ロゲ氏によって、2020年のオリンピックとパラリンピックの開催都市が東京に決まったことが発表された。 東京、マドリード、イスタンプールの中で、マドリードが落選し、最後の投票で東京が60票、イスタンプールが28票という大差で、東京に決定した。
昭和のオリンピック |
日本でのオリンピック開催は、1964年以来56年ぶりの大会の開催であるが、奇しくも1964年の総理は安倍首相の祖父岸信介であった。高度経済成長が始まった当時、小学生だった私も東京オリンピックを白黒テレビで見た覚えがある。このオリンピックを契機に国内のインフラが新幹線や高速道路の整備、さらに東京タワーの建設などで大幅に拡大し、経済発展に大いに寄与した。終戦後からわずか20年で我が国が奇跡の復興を遂げたのも、東京オリンピックが起爆剤になったことは否めない。
今回の2020年東京オリンピックの経済効果は直接的なもので3兆円、波及効果は100兆円とも言われる。しかし経済成長期につぎ込んだ投資と低成長期につぎ込む投資では意味が違ってくる。経済効果は大いに期待したいところだが、1000兆円以上ある国の借金を増やしてどこまでやれるのか?100兆円の経済波及効果が捕らぬ狸の皮算用に終わらないことを願うばかりだ。
一方で猪瀬東京都知事は「4000億円の予備費がある」と言っていたが、国からも相当な資金をつぎ込む話である。今回のオリンピック開催決定は、バブルの時のような高揚感を産み、国の借金(資産)は7年後のお祭り騒ぎに向かって否応なしに膨らんでいくだろう。多くの賢明な国民は借金のつけがやがて自分たちに回ってくることを知っている。
時代は変わって、招致に成功した2013年の今回の招致活動は、2016年開催のオリンピックをブラジルのリオデジャネイロに奪われると言う苦渋を飲まされた苦い体験を踏まえ、いつになく招致活動は活発に行われた。しかし開催候補都市決定寸前になって、福島原発事故による放射能汚染問題が、外国メデイアなどによって厳しく追求されたが、安倍首相は舌先三寸でこれを切り抜けた。
これまで、原発事故や地震、政治不信や隣国との関係、そして長期的な不況などで日本は一年先の見通しも立たない状態だったが、7年後の東京オリンピック開催決定により、7年後に照準をあわせて政治経済全てが動き始めるだろう。オリンピックで景気の回復と雇用の促進が進み、巷では雇用効果は15万人に及ぶとも言われているが、オリンピックが昭和の時のように日本復活の礎になることを望みたいが,そのためにはいみじくも安部首相が世界に向けて大見得を切った福島の放射線汚染問題を完全に克服する必要がある。この未曾有の原発カタストロフィを解決できれば、日本は世界中から賞賛を受け尊敬される偉大な国家として、その存在感を増すことだろう。
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