福の神 仙台四郎 |
仙台四郎という人物をご存知だろうか?この人物は、明治時代に、仙台市に実在した人物である。取りたてて、何か大きな仕事をした訳でもなんでもない。しかし今、その人の肖像画が、家運上昇、商売繁盛に御利益があるとして、飛ぶように売れ、その人形さえ作られているというから不思議である。そもそも仙台四郎は子供の頃は聡明で有名な子供だったが、 川で溺れ意識不明になったのをきっかけに、知的障害になった人物だったようである。
四郎さんは、いつもニコニコと街中を歩き子供たちと遊び、よく店先に立ち寄った。そして、彼を歓迎した店は商売が繁盛して、毛嫌いした店は落ちぶれたそうな…
最初は、何となく、人のうちに来ては、愛想の良い笑顔を振り撒いて、何となく帰っていく、ただそれだけの人物と思われていた。ところが、不思議なことに四郎さんがやって来た家は、運が次第に向いてきて、良いことばかり起こる。やがてそのことが町中の評判となった。 ある時などは、事業がうまく行かず、死ぬことさえ覚悟した人物の家の前に、ふらっと現れると、四郎さんはこう言い放ったという。「そんな恐い顔しないで、俺みたいに笑ってけさいん」(仙台弁で笑ってください)四郎さんに、そう言われて、ふと鏡で自分の顔を覗いて見ると、そこには鬼のような形相の男がいたのである。
これでは他人相手の商売はできるはずもないと、はっとして目が覚めたというのだ。玄関に戻るとそこには四郎さんがいなかったが、自分がこんなに落ち込んでいるにも関わらず、自分を支えるためにがんばってくれている妻と、若い長男が立っていたのである。そこから一転事業は盛り返したそうな。
私がこの肖像画にお目にかかったのは、以前当ブログで紹介した行きつけの寿司屋に飾ってあったものであったが、カウンターに座るといつも店主と、仙台太郎がこっちを向いていた。その寿司屋も今はない。私の地区ではもう一軒、2番目に行きつけの寿司屋があったが、その店も最近になって看板を降ろしてしまった。時代の流れと言ってしまえばそれまでだが、福の神もデフレ経済下の昨今では勝てず、経済縮小のあおりを食らって客足も伸びずバンザイしたようだ。特に生ものを扱う商売は一度客離れを起こしたら最後あとは廃れていくのを待つしかない。近所の大きなガソリンスタンドもなくなった。5円10円の薄利にハイブリット車の登場によるガソリン需要の低迷などが重なり店を畳んだのだろう。とにかく景気の悪さが目につくこのごろである。
貧乏神 |
そんななか政界も再編の動きが激しくなっている。突然の野田首相の衆議院解散で政局は慌ただしく年末選挙に向けて動き出した。少数政党が集合離散を繰り返し、2大政党も再編の動きがあり政局も予断を許さない。破れかぶれ解散の民主党も貧乏神のような輿石幹事長が選挙戦を取り仕切るようだが、やめたほうがいい。
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