クリス.ヘッジズ 著 |
世界における国の基盤の3本柱は、経済 外交 軍事であり、これらを統治するのが政治であることは言うまでもない。
戦争から目をそむけてはならない、それを怖れなければならない。2002年度ピューリッツァ賞を受賞した『ニューヨーク・タイムズ』の記者が書いた本「本当の戦争」は、15年間戦場特派員として体験した、戦場のすさまじい姿を伝えるQ&A集。 「人類の歴史は、おおよそ3400年余であるが、その間、世界が平和であったのは300年足らずだと言われている、世界のどこかで戦争が繰り広げられ、わずかな期間が平和であったことになる。」いわば人類の宿命のような戦争の話が淡々と書かれている。
第二次世界大戦で死んだ、世界の軍人、民間人の総数は概算で5000万人とも言われており、実数は不明である。大東亜戦争では、日本軍は将兵だけで150万7000名が殺されたそうだ。オランダの法学者で、「国際法の父」、と呼ばれるグロティウスも、その主著『戦争と平和の法』において「平和とは単に戦争の前ないし後を意味するに過ぎない」と述べている。世界の歴史が勝者によって作られてきたことも事実であり、日本は戦争に負けたことも厳然たる事実である。
国後島訪問のメド、尖閣上陸の中国活動家、政権末期の李 明博の最後っ屁 |
我が国の尖閣諸島に対する中国の行動は、既成事実化の行動を積み重ねる第2段階に入っており、まもなく漁民などによる上陸の第3段階にエスカレートするだろうが、かろうじてアメリカのリップサービスで「尖閣諸島問題は日米安全保障条約第5条が適用される」と改めてキャンベル米国務次官補が言明したことから、中国は過激な行動には出ていないが、日米同盟の隙を見て虎視眈々と狙っていることには変わりがない。
過去の局面で明らかなように威圧的経済報復は中国の常套手段である。例えばレアーアースの対日輸出停止、南沙諸島がらみのフィリピンバナナの輸入削減、、はたまたノーベル平和賞に絡んでのノルウエー鮭の輸入削減など。直近ではASEAN会議の共同声明破棄に至る経済圧力をカンボジアにかけたことなどの政治的制裁を、経済環境を利用して行っている中国に対して、我が国は、60年余にわたる戦後体制の継続とその拘束によって、21世紀の激動・激変する内外情勢にまともに適応できない閉塞状況に陥っている。
アメリカに押し付けられた現行憲法がある以上、平和主義も、経済至上主義も、「自分の国は自分の力で守る」最低限の防衛努力を怠避する日米安保中心主義も、元を正せば、現行憲法を中心とする我が国の戦後体制によって歪められてきた日本人の精神性に係わる問題にたどり着く。
その根本的解決には、何よりも、時代にそぐわない、とっくに消費期限切れになった現行憲法を一から見直す必要があり、国防力の増強は最大の課題で、時の政府は憲法改定のための環境作りを持続させる努力が必要であるだろう。