顎関節症の部位 |
顎関節症というのは、あごを動かす筋肉に痛みや違和感を感じるもので、首筋や肩の筋肉に連動していて、肩こりもひどくなるのが特徴である。特に若い女性に多い病気らしいが、最近ではこんなおっさんでも増えているらしい。一番つらいのは口を開けるのが痛く、最初は指1本口にやっと入る程度しか入らなかったものが、最近では大口も開けられるようになったので食事も普通にできるようになった。5月半ばごろに情けなかったのは、すし屋で握りを食べる時まともに口が開かないので、ネタを最初に押し込み、シャリを小分けにして口に入れていたら寿司屋の親父に怪訝そうな顔で見られたことだ。痛みで渋い顔をしながらまずそうに食ってる印象だったのだろう。それにしても2か月以上たった今でもまだ完治せず、痛みは残っている厄介な病である。同じ姿勢で長時間仕事をしている人や、歯を食いしばって作業をしているご同輩は要注意。肩の力を抜いてリラックスして根を詰めないことが肝要である。
西洋鉋と西洋鋸 |
わたしの工房には木地づくりのための電動工具が何種類かあるが、これらは木取りと言って材料を切ったり、削ったり、穴をあけたりするのに効率よく楽に作業ができる道具である。しかし最終的な仕上げは、すべて一般的な大工道具を使っての手作業である。代表的な道具である鋸や鉋などはもともとヨーロッパから来たもので、日本のものとは使い方が真逆で押して使う。日本の道具は引いて使うことから西洋よりも緻密な作業が出来て使いやすい。実際に使ってみて鋸にしろ鉋にしろ引くほうが楽である。西洋人の身体構造と日本人の身体構造の違いとも言えるが、感覚的なものもあって、能動的で荒削りな押す文化と受動的で繊細な引く文化とも言えるだろう。
愛用の仕上げ用の鉋と鋸 |
あえて西欧の道具を使う日本人は少ないが、日本の道具を愛用している西洋人は多いと聞く。とにかく力加減の自在性に優れ、細かい仕事ができるのである。刃物も日本には優れたものが多く、日本に来る外人でも知る人は日本の包丁を土産にするらしい。特に和包丁は洋包丁と違って片刃仕上げになっており、洋包丁が肉を叩き切る食文化の上に形作られてきた部分があるのに対し、和包丁は魚を引き切る食文化の上に発達してきた違いがある。西洋料理人がTVで調理をしているのを見ていると包丁さばきも押し切りである。いずれにせよ切れ味を左右するのは、ふだんの道具の手入れと調整であることには変わりがない。
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