2014年10月10日金曜日

技術立国日本

2014 ノーベル物理学賞受賞者

今年も日本からノーベル物理学賞が3名選ばれた。いずれも製作が困難とされていた青色発光ダイオード(LED)の発明に貢献した研究者たちである。青色ダイオードは色の三原色赤、緑が1960年代に開発され、続いて1989年に受賞者の中の名城大学の赤﨑教授が最後の色である青色を世界で初めて開発したことで白色化やフルカラーが可能となった。そして結果が出るまで、絶対にあきらめない研究者天野浩教授は、3000回実験に失敗した後成功。さらに大量に長時間発光させる技術や量産化技術が成功するまで、絶対にあきらめない製品開発者中村修二教授は、会社の評価の低さから訴訟を起こした当事者でもあり、三者三様の個性を持っていてすばらしいチームワークで今回の受賞となった。基礎科学に比重が高かったノーベル賞が、実用科学にも光を当て始めたことは、今後ともこの分野で日本人が活躍する舞台が開かれたことになるだろう。


LED 青色の光は他の色と混ざることで白色の光になれる特性があり、我が家でも使っているLED電球は交換時期が長く、割高ではあるが明るく効率的な製品としてすでに市場に出回っている。身近なところでは車のヘッドライト、携帯やPCのバックライト、TVディスプレイ、信号機や提示版、イルミネーション等々、我々が日常見慣れたものが多くある。LEDは長寿命、省エネ、小型、衝撃に強い、低温での発光に優れている特性からあらゆるものへ応用範囲が広く日本の先端技術のバックグラウンドを担っている。

技術立国日本を下支えしている人々は、こうした研究者のみならず、技術者、あるいは世界シェアーNO1を誇る精密部品を作る多くの町工場の職人達、はたまた伝統産業を絶え間ない革新によって伝承していく多くの職人達である。これら日本の技は時代を経て培われ、蓄積されてきたノウハウをよりどころにして、磨かれてきた技と閃きに裏打ちされた創意工夫と試行錯誤がなければ、世界を凌ぐ今日の技術レベルの高さは維持できなかった筈である。

発光ダイオードの父 ニック・ホロニアック
ただ日本の場合は、原初的な基礎科学の発明よりも、オリジナルの改良改善から進んで新しい発明に道筋をつけることが得意で、もともと発光ダイオード自体の発明はアメリカGEのエンジニアーであるニック・ホロニアックが1962年に発明したものである。

歴史をたどれば、ソニーのトランジスタラジオやウオークマン、さらに半導体主要生産国でもある我が国は、お家芸でもある縮小文化(盆栽や生け花、箱庭など)と同根の精密精緻な工作機械技術など、技術レベルの高さを支えている日本の風土や国民性も大事な要素であろう。こうした背景には外国企業がよく発する言葉「日本の消費者は世界で一番品質に厳しい」といったハイグレードな品質を好む日本人の性向があるようだ。
今回のノーベル賞受賞ニュースは、資源も少なく、国土も狭い日本が唯一世界に誇れる技術力で世界を牽引していく限り、日本の国力、経済力は盤石であることを国民に知らしめ、勇気づけられた。

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